あかつき (列車)

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

あかつきとは、かつて運行されていた寝台特急である。なお、本項ではその他関西と山陽・九州方面を結んだ夜行列車についても記述する。

名称[編集]

「暁」から。漢字だと誤読するので平仮名となった。軍歌には「暁に祈る」がある。

概要[編集]

京阪と九州北部を結んだブルートレインである。最終的には大阪駅京都駅長崎駅で運行していた。
元々は東京 - 大阪間の夜行急行列車の愛称の一つで、新幹線開業時に廃止され、1965年10月に新大阪~西鹿児島・長崎のブルートレインとして新設された。最盛期の1974年には7往復が運転され、熊本駅佐世保駅西鹿児島駅まで乗り入れたが、1975年3月改正で、長崎・佐世保発着以外は他の列車へ編入され、1978年10月改正では筑豊本線経由編成が設定されて14系15形の2往復となったが、利用者の減少により、昭和61年11月1日日本国有鉄道ダイヤ改正によって1往復にまで減らされた。
JR化後には対夜行バスを主眼に3列指定席「レガートシート」の連結や「ソロ」「ツイン」「シングルデラックス」といった個室の連結などにより利用の活性化を図った。それでも衰退は止められず2000年より彗星号と併結運転になり、編成が大幅に短縮された[注 1]。さらに2005年改正で彗星が廃止され、後述の「なは」と併結するようになり、結局2008年3月改正で廃止となった。

関連する列車[編集]

明星 (列車)#類似・関連列車」も参照

なは/きりしま[編集]


沖縄に関する名前がつく列車を走らせたい」という思いから、大阪と西鹿児島を結んでいた気動車昼行特急に1968年「なは」の愛称がつけられた。その後、1970年10月に京都~西鹿児島間で583系使用の寝台特急「きりしま」が新設[注 2]され、昼行の「なは」は1973年に電車化[注 3]された。
しかし、1975年3月の新幹線博多開業で「なは」は583系による寝台特急となり、「きりしま」は「明星」に吸収された。「なは」はその後、過去の「きりしま」のように京都発着になるなどの紆余曲折を経て昭和59年2月1日日本国有鉄道ダイヤ改正には廃止され、『明星』から改名された24系25形が1往復のみ残った。
1990年(平成2年)には「あかつき」に続いて高速バス対抗の座席車(レガートシート)が設けられたが、利用者の減少によって運行区間はどんどん沖縄から遠くなり、2004年九州新幹線開業で熊本発着となった。そして2008年(平成20年)の改正で「あかつき」とその運命を伴にした。
設定経緯を踏まえてか南国・沖縄をイメージさせるデザインのテールマークが採用された。

金星[編集]

もともと「金星」は東京駅大阪駅を結ぶ夜行急行であった。東海道新幹線開業で廃止となったが、大阪駅富山駅を結ぶ夜行急行列車の愛称となった。ヨンサントオ改正でこの急行列車は「立山 (列車)」と改称し、名古屋駅博多駅を結んだ寝台特急として再登場した。
定期列車は1往復で一貫して581・583系を使用[注 4]。『明星』との差異は名古屋発着のみで、使用車両が同じなため、実質「明星」と姉妹列車だった。
急行「阿蘇」と共に愛知県や岐阜県美濃地方に多かった九州出身の労働者等に愛好されたが、急行「阿蘇」は1975年に廃止され、「金星」も1982年に他の夜行列車より一足早く廃止された。しかし、14系座席車を使用した臨時列車の運転は続き、1992年頃は西鹿児島駅まで運転されていた。なお、臨時列車の運転はこの時期に取りやめとなった。

安芸[編集]

新大阪駅下関駅を結ぶブルートレインとして急行「音戸」を1往復だけ格上げし、電車急行から愛称を移して1975年に登場した。しかし、前身に当たる急行「音戸」と速度が変わらなかったことや、呉線経由をウリにしていたにもかかわらず呉線の主要駅の到着時刻が有効時間帯外だったこともあり需要が低迷したため1978年に廃止された。わずか3年半の列車生であった[注 5]

月光[編集]

「月光」に使用された583系。

世界初の電車寝台特急として、1967年にデビューした。昼行特急「みどり」と共通運用を組み、581・583系が使用された。このことから同形式は「月光形電車」と呼ばれた。設定当初は新大阪駅と博多駅を結んでいたが、1972年の山陽新幹線岡山開業によって岡山駅〜西鹿児島駅に運行区間が移された[注 6]。1975年の新幹線全線開通によって廃止された。

急行「雲仙・西海」[編集]

東京~長崎・佐世保の客車急行列車以来の伝統を持つが、ヨンサントオ以降は京阪発着の急行の愛称となった。1975年3月改正では大阪と長崎・佐世保を夜行で結ぶ14系座席車使用の全車指定席急行1往復となったが、ミニ・ワイド周遊券利用者からは不評で、後に自由席が設けられたものの、1980年10月改正で他の山陽本線夜行急行と共に廃止された。

主要駅時刻表[編集]

1982年11月改正[編集]

山陽線夜行時刻表 57.11改正.jpeg

[編集]

  1. この改正で九州区間でのヒルネ扱いもなくなった。
  2. このため、従前の東京 - 西鹿児島間の急行「霧島」は「桜島」に改称された。
  3. 宮崎発着の「日向」を併結していたため、夜行「きりしま」より電車化が遅れた。
  4. 臨時運転では14系座席車が使用されることもあった。
  5. 定期寝台特急では最も短命である。
  6. 月光号の利用者の多くが新幹線からの乗り継ぎ客であったことや昼間に岡山発着の「はと」や「つばめ」として運用することが関係しているが、従前の月光も「明星」に統合されている。

関連項目[編集]

☆彡夜行列車☆彡
車両
国鉄型車両 旧型客車 - 国鉄20系客車 - 国鉄583系電車 - 国鉄14系客車 - 国鉄24系客車
JR車両 JR東日本E26系客車 - JR西日本・東海285系電車
東京口
特急
東京対九州・山陽 富士 - さくら - みずほ - はやぶさ - あさかぜ
東京対四国・山陰 紀伊 - サンライズ出雲 - 出雲 - いなば - サンライズ瀬戸 - 瀬戸
上野対東北・北海道 北斗星 - カシオペア - はくつる - 北星 - ゆうづる - あけぼの - 出羽 - 鳥海
上野対北陸 北陸
臨時 サンライズゆめ - 谷川岳山開き
急行
東京対大阪・九州 銀河 - 桜島・高千穂
上野対東北 天の川 - 新星 - 十和田 - 八甲田 - 津軽 - いわて - あづまばんだい
上野対信州・北陸 越前 - 能登 - 妙高
上野対新潟 佐渡
新宿対甲信 アルプス
臨時 シュプール - 尾瀬
快速・普通
東京対大垣 ムーンライトながら - 大垣夜行
新宿対甲信越 ムーンライト信州 - ムーンライトえちご - 山岳夜行 - 上越夜行
京阪・岡山口
特急
京阪・岡山対九州 あかつき - 安芸 - 月光 - なは - 彗星 - 明星
京阪対北陸・北海道 日本海 - トワイライトエクスプレス - つるぎ
急行
京阪対山陰 だいせん
京阪対北陸・長野 きたぐに - 立山 - ちくま
京阪対山陽・九州 雲仙 - 西海 - くにさき - 天草 - 屋久島 - 音戸
京阪神対四国連絡 鷲羽
臨時 シュプール - くろよん - アルペン
快速・普通
大阪対紀伊・名古屋 はやたま
京都対山陰 山陰
臨時 ムーンライト九州 - ムーンライト山陽 - ムーンライト八重垣
名古屋口
特急
名古屋対九州 金星
急行
名古屋対九州 阿蘇
名古屋対信州 きそ
名古屋対高山・北陸 のりくら
名古屋発紀伊方面 紀州
臨時 シュプール
快速
臨時 名古屋発紀伊方面 スターライト
陰陽連絡急行 ちどり
四国内急行 うわじま/いよ
九州口
特急・急行 さんべ - かいもん - ドリームつばめ - 日南 - ドリームにちりん
快速・普通 ながさき
北海道
特急・急行 はまなす - まりも - 利尻 - 大雪
快速・普通 からまつ - ミッドナイト