国鉄スロ54形客車

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国鉄スロ54形客車 (こくてつすろ54かたきゃくしゃ)は、日本国有鉄道が設計、開発した客車である。

概要[編集]

特別二等車として登場した。国鉄スロ53形客車の客室照明蛍光灯とし、乗務員室と荷物保管室の位置を逆にした形式である。国鉄スハ43系客車の一員で唯一冷房化改造された車両である。1961年等級制度改正によって一等車となった。

改装[編集]

近代化改装[編集]

客用扉のHゴム仕様、室内化粧板の硬質化粧板化、客用窓のアルミサッシ化。

冷房化改造[編集]

冷房化先行改造車として2両がディーゼル発電機を床下に設置し、国鉄20系客車と同じ床下クーラーを設置してマロ55に改造された。その他の車両は低屋根化の上、分散式クーラーを屋根上に設置し、車重が重くならないよう台車をTR47からTR23に変更した。冷房化された見返りに乗り心地がやや悪くなった。マロ55も台車交換によってスロ54に形式が戻された。

耐寒耐雪工事[編集]

北海道に配属された車両は耐寒耐雪化工事を行った。客用窓の二重化、車軸発電機の歯車化である。この改造を行った車両は500番台に付された。

運用[編集]

東海道本線山陽本線東北本線特別急行列車に使用された。後継となる国鉄ナロ10形客車登場後も予備車として使用されたが、それらの列車の電車化、気動車化によって急行列車に転用された。山陽新幹線博多駅開業後の昭和50年3月10日日本国有鉄道ダイヤ改正によって運用が激減して大量に廃車となり、マロ55改造車も廃車となった。その後、残った運用[1]グリーン車廃止や国鉄20系客車の置き換えにより、昭和57年11月15日日本国有鉄道ダイヤ改正までに北海道運用の500番台を除いて引退した。この改正では旧型客車急行列車から引退したが、北海道用の車両には耐寒耐雪工事が必要であったため、引退は翌年となった。

脚注[編集]