日本海縦貫線
日本海縦貫線 (にほんかいじゅうかんせん)とは、近畿地方から東北地方まで日本海沿岸を経由して結ぶJR及び第三セクターの鉄道路線群の総称である。
概要[編集]
北陸地方を経由して関西地方と、東北地方、北海道を結ぶ鉄道路線の営業、現場での通称である。飛行機や新幹線が普遍化する以前はこの路線は貨物輸送はもちろん、夜行列車等の旅客輸送も重要であった。また、鉄道郵便線路の阪青線とは全線で重複しており、東門線 (大阪駅 - 米原駅)や、支線である金輪線 (金沢駅 - 津幡駅)とも一部重複していた。
架線が直流および2周波数の商用交流による電化方式であるため、485系やEF81といった三電源対応の交直両用車両が直通列車で重宝されたが、本格的に性能を発揮したのは485系が1972年10月の電化完成、EF81が湖西線開通後の1975年3月改正時からである。一方、急行型の457系は三電源対応だったが、直通列車は設定されずに終わった。
なお、鉄道が発達した経緯として、江戸時代に日本海側の内航海運として北前船が活躍し、沿岸の港町が発達したことも見逃せない。
路線[編集]
- JR京都線/JR琵琶湖線(大阪駅 - 京都駅・米原駅)
- 湖西線(山科駅 - 近江塩津駅)
- 北陸本線(米原駅 - 敦賀駅)
- ハピラインふくい線(敦賀駅 - 大聖寺駅) (旧北陸本線)
- IRいしかわ鉄道線(大聖寺駅 - 倶利伽羅駅) (旧北陸本線)
- あいの風とやま鉄道線(倶利伽羅駅 - 市振駅) (旧北陸本線)
- えちごトキめき鉄道日本海ひすいライン(市振駅 - 直江津駅) (旧北陸本線)
- 信越本線(直江津駅 - 新津駅)
- 羽越本線・白新線(新津駅・新潟駅 - 秋田駅)
- 奥羽本線(秋田駅 - 青森駅)
日本海縦貫線の列車[編集]
旅客列車[編集]
現在[編集]
直江津 - 青森間で特急列車が運行されているが、系統分断されており、特急料金も通算されない。
過去[編集]
大阪・北陸と青森を結んだ列車の一覧。現在全て廃止されている。
- 寝台特急「トワイライトエクスプレス」
- 寝台特急「日本海」
- 特急「白鳥」:一時期、「しらゆき」格上げの福井 - 青森間列車も増発されていた。
- 急行 「きたぐに」
- 急行「しらゆき」:金沢 - 青森間を気動車での運行だったが、電車化されずに特急格上げ。
貨物列車[編集]
EF510形を用いた鉄道貨物輸送が行われており、そのためにJRから切り離された区間でも架線等の設備が維持されている。
太平洋側の東海道本線・東北本線の輸送ルートと対をなすルートであり、仮に太平洋側のルートが不通となった場合は日本海縦貫線側に貨物列車の迂回運転が行われることとなっており(その際はEH500形も併せて使用される)、またはその逆パターンも行われる。
3098レ(札幌タ発 福岡タ行)などの長距離貨物列車についてもここ日本海縦貫線を経由する。