都会のローカル線

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都会のローカル線(とかいのろーかるせん)は、都会を走っている路線のはずなのに、なんとなくローカル線のように感じてしまうような路線のことである。

概要[編集]

都会のローカル線に該当する条件としては以下のものが挙げられる。

  1. 本数が少ない。
    • ローカル線の基本。ただし、都会のローカル線と言われている路線の多くは比較的本数が多い方に当てはまる。
  2. 両数が少ない。
    • これまた絶対条件。都会のローカル線として当てはまる路線の多くが両数が1 - 4両編成である。
  3. 乗客が少ない。
    • ローカル線の基本その2。両数と比例する事が多い。
  4. 沿線の雰囲気
    • これが都会のローカル線と言われやすい要因だと考えられる。特に時代に取り残されたような風景が沿線に多いとこう呼ばれやすい傾向にある。
  5. 単線
    • ローカル線の基本その3。ただし都会のローカル線と定義されるものの多くは複線である。
  6. ワンマン運転が多数
    • 近年の鉄道会社の合理化ニーズから噴出した条件。ただし、田舎のローカル鉄道とは比べ物にならないほどの利用客が存在するため、後ろ乗り前降りの「出口1扉ワンマン」は少ない。

ここで定義する都会とは東京横浜大阪名古屋などの政令市の都市圏である事が多い。

なお、都電荒川線阪堺電気軌道などの路面電車や、越中島支線名古屋臨海鉄道などの旅客転用のなされていない貨物線がこれに挙げられる事もあるが、ここでは除外とする。

該当路線[編集]

首都圏[編集]

東京23区横浜市川崎市千葉市さいたま市相模原市を中心に挙げる。

鶴見線
JR東日本における都会のローカル線の代表。横浜市と川崎市の京浜工業地帯を走る路線である。工場への通勤客が利用者の大半を占める特性上、両数は3両編成と少なく、さらに本数も朝夕と日中で大きく異なっている。土休日の安善 - 大川間は1日3本という驚異の少なさである。また、沿線の風景もレトロでディープな所が多く見られる[1]
南武線浜川崎支線
日中40分に1本、2両編成の列車が往復するのみで、輸送力自体も上記鶴見線に並ぶ。しかし、こちらは貨物列車が頻繁に通るような路線のためレトロな箇所は少ない。
東急池上線東急多摩川線
東京圏だと鶴見線の次に挙げられる都会のローカル線。東京の大田区と品川区を走っている。こちらは両数が3両編成と短く、更に沿線の風景もどこかローカルさを感じさせるのが特徴である。ただし本数は6分に1本と他の路線並みの多さであり、ローカル線というよりはLRTの一種として取り上げられることもある。
京急大師線
京急川崎駅から川崎大師・小島新田までを結ぶ京急の路線。他路線との直通運転も行われておらず、普通列車のみの運用で、すべて4両編成で運転される。ただし、一部地下化が進むなど沿線状況は目まぐるしく変化している。また、本数は朝夕5分間隔、日中10分間隔、イベント時は6分間隔と上記の池上線に並ぶ多さである。
東武大師線
終日2両編成のワンマン運転が行われ、直通運転や急行列車などが一切ない都会のローカル線。もっとも当初計画通り「西板線」として上板橋駅まで延長していれば、都区部北郊の通勤バイパス線として今よりは成長した可能性がある。なお、大師前駅は自動改札機や自動券売機などが設置されておらず、西新井駅にて精算を行う必要がある。この大師前駅の形態を取るものには名鉄築港線東名古屋港駅山陽本線和田岬駅阪神武庫川線洲先駅東鳴尾駅(後述)などがあり、いずれの路線も都会のローカル線然としている。
東武亀戸線
前記の大師線同様、終日2両編成のワンマン運転が行われ、直通運転や急行列車などが一切ない都会のローカル線。もっとも開業時は、東武線から総武鉄道両国駅へ乗り入れる連絡ルートで、鉄道国有法が都会のローカル線化を進行させたといえる。
京成金町線
京成高砂駅と京成金町駅を結ぶ下町の路線。すべて4両編成の普通列車で、京成の他路線との直通列車は現在は行われていない。また、2010年より全線単線となっており、柴又駅にて列車交換を終日行う。2022年11月からは日中の列車を中心にワンマン運転が開始された。本数は日中15分間隔とそれほど少なくはない。
京王競馬場線
東京競馬場のレースが開催される日や東京競馬場でイベントのある日を除いては、という条件付きではあるが、平日と土休日の夜間は2両編成のワンマン電車がほぼ20分間隔で終日運行する線区である。土休日は条件の有無に関わらず大部分が8両編成となっており、レースやイベントが無ければ輸送力過剰であると思うが、気にしたら負け
京王動物園線
こちらも多摩動物公園の行楽客や中央大学などの通学客で混む時間帯を除いては、という条件付きではあるが、そうした条件にかなう時間帯は4両編成のワンマン電車がほぼ20分間隔で終日運行する線区である。
京王高尾線
こちらも閑散期の平日データイム、という条件付きだが、特急列車が通過する駅である狭間駅山田駅京王片倉駅ではほぼ20分間隔で運行される。そのわりには10両編成なうえ、日中はほぼ全列車が新宿まで直通し[注 1]、かつ北野駅八王子からの特急に接続するので、先述の京王動物園線や競馬場線と比べたら状況は違うように思える。
2022年3月以降は上記3駅に特急が停車するようになり、早朝深夜を除いて概ね10分間隔の停車となった。
京王井の頭線
本数も乗客も多いが、最大5両編成で東京都心にしては短く、駅も簡素であることから、「日本一乗客の多いローカル線」の異名を持つ。
相模線
日中は毎時2 - 3本確保されているが、全線単線電化となっており、終日すべて4両編成で運転される。もっとも、1991年の電化前は単行運転もあったのでそれに比べればまだマシである。
流鉄流山線
流山駅から馬橋駅までを結ぶ路線。2両編成の列車が日中20分間隔で行き来している。元々は町民が出資した町民鉄道だったため大手鉄道会社の系列には属しておらず、東京都心から40分ほどの近さにあるにもかかわらず硬券が発売されていたりICカード使用不可などのローカルさを感じられる。
関東鉄道常総線
地磁気の観測に影響を与えるので直流電化ができないことから旅客列車はすべて1〜4両編成の気動車で運転される。また、日中は取手-水海道間で毎時3〜4本、水海道-下館間で毎時1〜3本とまさにローカル線であるが、ラッシュ時には毎時9本が運行されるため、ローカル線とも言い難い、なんとも不思議な路線である。さらに、2017年以降は直通列車の増発により全線を通して1両編成の列車が増加した。ただし取手-水海道間は需要の多さから複線区間であることが特筆できる。

中京圏[編集]

政令指定都市は名古屋市のみであるが、名古屋通勤圏内[注 2]をすべて挙げる。

JR系[編集]

東海交通事業城北線
都会のローカル線名古屋代表と言っても過言ではない路線。名古屋圏なのに1時間に1本であり、さらに使用車両は1両のディーゼルカーである。なお、愛知環状鉄道線と併せた貨物バイパス線を形成するつもりだったことから、こんな規模に関わらず線路は複線である。
武豊線
朝夕には4両編成の名古屋駅直通区間快速も走るが、日中は毎時2本で全列車が2両編成のワンマン運転となっている。しかも2015年3月に電化されるまではそれだけ需要があるにもかかわらず非電化のまま推移していた。
東海道本線 大垣 - 米原間
名古屋駅22時45分発米原行き新快速に乗れば米原駅到着が0時目前となるため掲載。朝夕には6 - 8両の新快速が乗り入れてくるが、日中は毎時2本、4両編成での運行が基本である。
関西本線 名古屋 - 四日市 - 亀山間
朝夕には4両編成も運転され、路線としても大動脈…なはずだが、日中の普通・快速は、近接する近鉄名古屋線に本数や編成両数で完負け[注 3]している。
また、新型コロナ禍での旅行需要減退で、特急「南紀」は基本2両編成、快速「みえ」についても2両編成もしくは4両編成であり、普通列車はおろか優等列車ですらローカル線然としている例となる。ただし、四日市港需要の貨物列車が走るという点は特筆される。
四日市(河原田)以西は奈良方面の急行「かすが」が廃止されて以降、寂れてしまった。現在は、平日日中は313系2両編成によるワンマン運転、朝夕と休日は313系転換クロスまたは315系オールロングの4両編成が基本となっているが、今後、朝夕については315系4両編成にすべて置き換わり、四日市以西はロングシート地獄区間に加わると予想される[注 4]
直通先の伊勢鉄道伊勢線に関しては普通列車の最終が比較的早く、22時半以降では日着できないためリストから外す。
飯田線 豊橋 - 豊川 - 新城間
飯田線自体が全線にわたってローカル線だが、その中でも豊橋 - 豊川 - 新城間については、都会にあたる豊橋市および10万超都市豊川市の南東部を通り、新城市[注 5]の代表駅である新城駅の最終到着が午前0時目前と遅め[注 6]のためこちらに掲載した。特急伊那路を含めて2 - 4両編成で(伊那路はすべて3両編成)、当該区間では、豊川以西で日中毎時3 - 4本程度と本数はそれほど少なくなく、豊川以東も日中毎時1 - 2本は確保されるが、区間内にある下地駅船町駅は毎時1〜3本のみの停車となる。ただし新城を過ぎたら天竜峡までは…おや、誰か来たようだ。ただ、不定間隔だった国鉄分割民営化前より本数的には少々マシ。

名鉄[編集]

名鉄竹鼻線羽島線
朝方には4両編成も走るが、ほぼ終日15分間隔、日中2両編成のツーマン運用が基本となっている。
名鉄築港線
朝夕にしか運転されない。全列車が2両編成によるワンマン運転を行う。かつては3両編成で、3両全廃後は2両編成となっていたが、ホーム延伸に伴い2009年から2024年までは5000系4両編成で運転されていた。
名鉄尾西線 玉ノ井-名鉄一宮-津島間、佐屋 - 弥富間
一部区間には複線区間があるが、前者の区間はほぼ終日6800系2両編成によるワンマン運転が行われ、名鉄一宮駅にて系統が分かれている。ただし、名鉄一宮-津島間には津島線経由で名古屋方面へ直通する列車が平日に3本のみ運転される。なお、1980年代は森上 - 津島間の区間運転列車や日中の津島線経由の森上折り返し列車があり、今より複線が生かされていた。2021年10月末には同区間が日中30分に1本に削減されるダイヤ改正が実施され、日中の複線区間と単線区間の本数の多少が逆転。複線区間は贅沢な複線使用となった。
また、津島線と一体のダイヤの後者の区間も日中は30分に1本(ただし4両編成)である。
名鉄三河線
トヨタ自動車関連の工場が連なる豊田知立刈谷の各市や、臨海地域の碧南市と沿線は工業都市だが、列車自体は日中15分間隔、2または4両編成のワンマン運転で、複線化率も低い。
名鉄豊川線
朝には特急も走るが、2021年5月のダイヤ改正で、参拝シーズン以外の日中は都会のローカル線になってしまった路線。日中は4 - 6両の一宮方面からの急行と2両の普通列車が15分ごとに交互に運転されていたが、急行については本宿 - 豊川稲荷間の乗客が0に近いときもあり[2]、この急行自体が線内普通列車に降格となり、日中は6800系ワンマンのみでの運行となってしまった。その後、10月改正でも、日中の毎時2本への削減、2023年3月改正では休日日中も直通が削減された。ただ、1980年代前半は通常の夕退勤、下校時も毎時2本だったので、それに比べればまだマシな方とみなして良い。

近鉄系・三岐鉄道[編集]

養老鉄道養老線の一部
正真正銘のローカル線で、終日40分間隔、2または3両編成での運行が基本となる。もっとも、駒野、養老、揖斐の各駅までなら22時半過ぎの列車で日着が可能であるためリスト入りした。
近鉄湯の山線鈴鹿線
両路線とも22時34分発の急行で23時30分前後には湯の山温泉、平田町の各駅に到着できるため掲載。両路線とも毎時2 - 3本、3両編成の運用となる。鈴鹿線には朝に1本のみ急行が乗り入れるが、ホーム長の関係で3両編成となっている。
四日市あすなろう鉄道内部線
四日市市内完結のローカル線。終日30分間隔、軽便規格の2または3両編成での運行が基本となる。八王子線に関しては最終に間に合わないためリストから外す。
三岐鉄道北勢線
員弁方面に延びるローカル線。30分 - 1時間間隔で、終日軽便規格の3または4両編成で運転される。
三岐鉄道三岐線
セメント輸送の貨物列車も走るが、日中毎時1 - 2本、2 - 3両編成での運行が基本のローカル線。しかも大半が車齢50年を大幅に上回った旧西武車での運行のため、より一層ローカル化を助長させる。
もっとも、211系が導入されることになったが、沿線風景を鑑みるとローカル感の払拭はできないと言えよう。

関西圏[編集]

大阪市、堺市、京都市、神戸市を中心に挙げる。

南海汐見橋線
都会のローカル線と調べるとまず最初に出てくる路線。1985年以降、路線分断により河内長野方面への直通が不可能になったためローカル化してしまった。大阪市の中心部を走っているのにも関わらず利用客が少なく、本数も30分に1本というレベルであり[注 7]、中には一日の乗降客数が100人台というレベルの駅もある。更に使用車両が2両編成であったり、駅舎や沿線の風景のレトロさがあるのもこの路線のローカル線さに拍車を掛けている。
南海高師浜線
南海では汐見橋線に次ぐ感じの大阪圏のローカル線。本数は20分に一本で、列車も2両編成が基本である。2021年5月下旬から3年間運休していたが、正直、羽衣駅高架化の道連れにするより、阪堺電車高師浜駅まで延ばした方が生きた金の使い方ではなかったかと感じる
叡山電鉄
全列車が1または2両編成で運転され、一部区間は京都市内であれ山に囲まれるが、本数は各線区それぞれで15分に1本、出町柳-宝ヶ池間については毎時8本確保されている他、車両の機器類の一部が京阪大津線の路面電車規格のため、LRTの一種と言っても過言ではない。
神戸電鉄
神戸市内であっても沿線に山が連なり、かつ全列車が3両または4両編成となっているが、新開地-鈴蘭台間においては準急含め日中毎時6本確保されている。なお西鈴蘭台以西は日中毎時2本であり、沿線・便数ともに田舎のローカル線と呼ぶに相応しい。
阪神武庫川線
2両編成が20分に1本走るローカル線。途中の東鳴尾、洲先駅には改札が無い他、駅間距離も短く、車両が大型である以外はLRTに近い。
神戸市営地下鉄西神・山手線
神戸市の地下鉄であっても沿線の半分以上が山間部。地上に出る区間が多いのが特徴だが、地上区間は田園地帯ばかりで、農村風景を味わえる地下鉄となっている。
JR山陽本線 兵庫-和田岬間(和田岬線
単線のピストン輸送のみで、日中は運行無し、朝・夕方でもせいぜい毎時3本程度の本数で、終点の和田岬駅には改札口すら無い。でもこれでも進化した方で、1990年までは旧型客車[注 8]、2001年7月の電化まではドアが片側にしかないキハ35が使用されていた。電化以降、暫くはスカイブルーの103系が爆音をまき散らす状態が続いていたが、2023年になってようやく新型車両(笑)の207系が投入され、周辺の路線に追いつくことができた。
京阪中之島線
見た目は大阪の地下鉄の一路線で、沿線も都心部だが、列車の本数は15分に1本と到底都心路線とは思えない少なさである。
阪急甲陽線
閑静な高級住宅街の中に存在する都会のローカル線。列車はすべて3両編成でワンマン運転を行う。
阪急今津線 西宮北口以南
南北分断により3両に減車された哀れな都会のローカル線。甲陽線と同様にワンマン運転を実施。
阪急箕面線
かつては大阪梅田発着が存在したが全て廃止され4両編成のみの運転となっている路線。2026年度のワンマン化も検討されている。
阪急伊丹線
空港直結ですらない、4両ワンマン運転を行う都会のローカル線。
阪急嵐山線
京都市内を走るが、臨時の6両直通も廃止され6300系4両編成が往復するだけとなった都会のローカル線。2027年度以降のワンマン化も検討されている。
近鉄信貴線
八尾市内にあるが、毎時3本、2両編成のツーマン列車が往復するだけの寂しい路線。
近鉄道明寺線
大阪の藤井寺市と柏原市にあるが、終日2両ワンマンが往復するだけの寂しい路線。

静岡・浜松一帯[編集]

静岡市と浜松市は政令指定都市なので、こちらに分割して記載する。

静岡鉄道静岡清水線
すべて2両編成で運転されるが、全線複線のうえ、新型コロナウイルス流行以前は6分毎、それ以降も10分毎と高頻度運転を行っており、LRTの一種と紹介されることもある。
大井川鐵道井川線
観光路線という性質およびアクセス路線の被災が故、閑蔵 - 井川間は静岡市葵区の所在であるにもかかわらず1日2往復のみの運用で、同区間では日の沈まぬうちに営業を終える。
遠州鉄道鉄道線
2両または4両編成で運転され、全線単線となっている都会のローカル線。本数は平日12分毎、土日は20分毎とそれほど少なくはない。
天竜浜名湖鉄道天竜浜名湖線 天竜二俣 - 尾奈間
該当区間は浜松市所在だが、日中毎時1本、1両編成のワンマン車が走行するローカル線。西鹿島 - 天竜二俣間については遠鉄車両乗り入れのため電化も検討されたがあえなく没になっている。
もっとも、国鉄時代は2時間に1本程度の運行であったため、それに比べればまだマシな方である。
飯田線 出馬 - 小和田間
該当区間は浜松市内にあるにも関わらず正真正銘のローカル線で、特に水窪以北の普通列車は1日8.5往復のみとなっている。

福岡・北九州一帯[編集]

福岡市と北九州市も政令市なのでこちらに記載する。

西鉄貝塚線
全列車が2両編成で、車両も本線系統の中古車しか使用されていない。かつては3両編成も存在したが全滅。また、部分廃止も行われている。本数は日中15分間隔。
なお、箱崎線との直通運転が事実上凍結に近づいているものの検討されていた点は特筆できる。
7050形投入後も基本的な運転形態に変化はないため、ローカル線のような雰囲気は拭えないと思われる。
香椎線
日中は30分に1本、2両編成の普通列車が運行されるのみである。しかし、使用車両が蓄電池電車で、操作もボタン1つで動く自動運転という、なんとも不思議なローカル線となっている。
若松線
上記の香椎線と同様、日中は30分に1本、2両編成の蓄電池電車による普通列車が運行されるのみである。ほとんどの列車は電化区間の折尾 - 直方間に乗り入れ、同区間では電車として走行する。
平成筑豊鉄道門司港レトロ観光線
上記の大井川鐵道井川線と同様に観光路線のため、日の沈まぬうちに運用を終える。
日田彦山線 城野 - 呼野間
該当区間は北九州市内にあるが、非電化のため全列車がキハ47による2両編成で運転される。なお、途中志井公園駅までは北九州モノレール小倉線とほぼ競合し、15.5m級・4両編成の10分に1本に対して日田彦山線は日中毎時1本のため完敗状態にある。

上記のいずれの地域にも当てはまらない部類[編集]

仙山線 愛子 - 奥新川間
仙台地区。該当区間は仙台市青葉区に所在するにもかかわらず、日中は普通、快速合わせて毎時1本のみで、駅によっては3時間近く列車が来ない時間帯がある。
列車はすべて4または6両編成で運転される。
2023年3月以降は、該当区間にて快速と普通が交互運転となるため、どの駅でも最低2時間に1本確保されるようになる。
羽越本線 新津 - 新発田間
新潟地区。貨物列車以外は普通列車で、しかもE129系2往復以外はすべて気動車の1 - 4両編成で運転されている。また、時間帯によっては3時間近くも列車が来ないことがあり、新潟地区でもかなりローカルな部類に入る。
吉備線
岡山地区。路線の大部分が岡山市北区に所在するが、日中は毎時1 - 2本、2両編成のキハ40が往復するのみとなっている。
なお、吉備線ではLRT化計画を進めているので岡山電気軌道と直通するかどうかは気になるところ。
津山線 岡山 - 福渡間
岡山地区。該当区間は岡山市北区に所在するが日中は普通、快速合わせて毎時1本程度のみ運転され、駅によっては2時間半程度列車が来ない場合もある。
芸備線 下深川 - 井原市間
広島地区。1970年代の際限無き市域拡張で、政令市の広島市内と思えない山間部となっている。本数的には日中は散々で1時間20分近く列車のない時間帯がある。というより下深川より新見方は全部極端なローカル線であり、広島方の末端のみ都市間輸送を行っている。それでも一応存続がとにかく危ういのは三次以東とされ、本区間の営業係数は600 - 800程度である。
熊本電気鉄道
熊本地区。本数は全区間で日中30分に1本確保されているが、全列車が2両編成で運転される。なお、路面区間もあることからLRTの一種と言っても過言ではないように思われる。

過去に都会のローカル線だった路線[編集]

本項では、市への吸収合併前に廃止された路線については扱わない。

定山渓鉄道線
もともと観光路線として発展したため、毎時1本の運転が基本となっていた。1969年に真駒内以北の用地を札幌市に明け渡し廃止。
国鉄川越線
電化され埼京線直通が実施される前は、非電化で周囲から取り残されたような路線だった。
東急こどもの国線
こどもの国協会保有時は、こどもの国来園のみに対応したダイヤで、横浜市域ながら早朝夜間に運転されないローカル線然の路線だった。もっとも2000年の運行時間帯拡大の通勤線化後も編成は基本2両編成である。なお、過去には鉄道での通勤線化に反対し、伊予鉄道の古町車庫の鉄軌道共用を見倣ったLRT化やガイドウェイバス運行を主張した住民団体があった。
名鉄瀬戸線・お濠区間
1976年廃止の瀬戸線のお濠区間のうち、堀川〜大津町間は特急電車も走らず、日中40分間隔、2両編成という、名古屋市のど真ん中の中区とは思えない閑散路線だった。なお、途中ガントレット区間を挟むものの、複線区間だった。
名鉄小牧線
現在は地下鉄に接続され、小牧以南も複線化されているが、かつては起点が名古屋市北区にありながら、単線2 - 3両編成の路線だった。
もっとも、都心部ながら毎時4本だったり、田園風景が残ったりなどローカル感は上飯田線とともに完全には拭えない。
名鉄挙母線
名鉄岡崎市内線廃線後は、岡崎と豊田の両市内を結ぶ路線ながらローカル線然となっており、修理せず低速で運行する橋梁もある始末だった。国鉄岡多線建設で一部用地を明け渡して廃止。
国鉄岡多線
現在は愛知環状鉄道として第三セクターの優良路線であるが、国鉄時代は岡崎、豊田両市の市街地を直結しながら、運転間隔が60分以上のローカル線で、ローカルバス並に列車も早じまいする路線だった。
富山港線
富山市の北部の路線で、現在は市内電車との直通もあるが、富山ライトレール移管前は日中毎時1本だけキハ120が架線下DCとして走行する路線となっていた。もっとも、当時の沿線状況が「都会」といえるかは微妙である。
南海天王寺支線
1947年6月の南海の近鉄からの分離時に天王寺で徒歩連絡していた旧大阪鉄道の狭軌路線を強奪できず、さらに1966年に南海本線の新今宮駅が開業し、国鉄との連絡が便利になって以降寂れてしまった路線。1977年には貨物輸送も廃止され、まさに「都会のローカル線」となってしまった。更には1984年の天下茶屋-今池町間が廃止されると単線化も行われてしまい、1521系単行による運転となるほどの閑散区間になった。結局堺筋線の工事の進展により1993年に廃止されている。余談だが、四国最大都市松山の伊予鉄道がJR予讃線に近接する西衣山駅の乗換駅化に消極的なのは、この南海の天王寺線の衰退をある意味教訓にして、松山市内線の乗車実績の減退を防いでいると勘ぐられなくもない。
阪堺電車上町線(住吉〜住吉公園)
路面電車ではあるが、例外としてここで掲載する。2014年以降、朝数本運行して早じまいの路線になり、バスでいう免許維持路線同然の区間となった。2016年1月末で廃止。
国鉄福知山線尼港支線
大阪市に隣接する尼崎市の南北を縦貫する路線だったが、貨物の合間に旅客が2往復運行するローカル線で、廃止までディーゼル機関車牽引の客車列車による運行だった。
国鉄福知山線
現在は大阪への通勤路線で利用客・本数ともに多いが、国鉄時代は非電化で本数も1時間に1本ほど、しかも三田方面から大阪への直通列車でも多くの客が宝塚で阪急に乗換えて大阪に向かうという有様であった。国鉄末期に電化、毎時3本まで増発され、JR化後は阪急以上に便利な路線に変わり、並行区間特定運賃を背景に輸送実績も大幅に上昇したが、その驕りがあの悲惨な事故の遠因になったように感じる
岡山臨港鉄道
廃線直前、旅客列車はたったの12往復、気動車の保有両数もたったの6両で、うち3両が総括制御のできない機械式気動車となっていた。
国鉄宇品線
広島市内のど真ん中に路線があり、市街と旅客港湾を結ぶ路線ながら、市内電車に客を取られ、廃止前は日本一の赤字路線で機関車牽引客車による通勤通学専用路線となっていた。
JR可部線 可部 - 小河内間
上記の芸備線の該当区間と同様、1970年代の際限無き市域拡張で、政令市の広島市内と思えないほどの山間部であった区間。同区間は非電化で1日9本しか運転されていなかったが、需要の比較的多かった河戸地区を含め2003年に廃止された。後に河戸地区の区間については2017年にあき亀山駅まで復活したが、電化開業となり毎時2本は確保されている。
国鉄勝田線
福岡都市圏の「都会のローカル線」。炭鉱貨物が撤退してから、事実上通勤通学客以外には相手にされず、戦時中の所有者だった西鉄にも救済されずに、廃止された路線。かたや現在の志免町は道路渋滞に悩まされ、「勝田線が残っていれば…」とされる状況である。今からでも遅くないので福岡市営地下鉄空港線を延伸し一部復活させるべきである

優等列車が走行するものの普通列車だけ見るとローカルな例[編集]

東武スカイツリーライン 浅草 - 北千住
普通列車の残念なピストン輸送だけを見れば、基本6両で東京都心にしては短い。もっとも、浅草駅では7両や8両の場合前の1 - 2両をドアカットするためやむを得ない。
名鉄名古屋本線犬山線常滑線など
大都会の金山や名古屋近辺であっても普通列車は日中ほぼすべて2両編成か4両編成となっている。時にラッシュでも名駅に2両でやって来るが、それは舐めてる。普通列車の本数は金山-東枇杷島間において日中毎時4 - 6本は確保されているが、東岡崎駅以東や太田川駅以南、名古屋近辺であっても東枇杷島 - 須ヶ口間は毎時片道2本になる。もっとも1990年代までは豊明 - 東岡崎間や須ヶ口 - 新岐阜間なども毎時2本だったのでマシになっている。
近鉄名古屋線
普通列車はすべて2両編成か3両編成で運転され、本数は名古屋-富吉間で毎時3本のみで、駅の雰囲気的にも普通と大半の準急は車両が大型である以外LRTに近い。ただ、日中の各駅停車こそ2両か3両編成で近接の関西本線と「似たようなもん」であるが、本数が近鉄は毎時3本に対しJRが毎時2本、さらには近鉄の急行が6両編成の毎時3本に対しそれに相当するJRの快速は2両の毎時1本のため、競争力は近鉄が圧倒している。
高山本線太多線 岐阜 - 美濃太田 - 多治見間
岐阜市各務原市可児市多治見市という岐阜県の多人口地帯かつ名古屋近郊かつ岐阜県内を短絡する路線であるが、特急「ひだ」や通勤通学時を除けば、2両編成ワンマン列車が日中1時間に片道1 - 2本運行する区間。
山陽電気鉄道
普通列車は神戸市内であれ3両または4両となる。本数は少ないと日中毎時2本のみとなり、それも該当するのは神戸の都心付近(須磨以東)である[注 9]
東海道本線静岡地区
朝夕は6両やホームライナーも走るが、日中の列車の多くが静岡市内や浜松市内であっても3 - 4両編成であることが多い。特急ふじかわもすべて3両編成である。

かつて普通列車のみがローカルだった例[編集]

中央西線 名古屋 - 中津川間
名古屋通勤圏内であるにもかかわらず、かつては日中時間帯に3両編成や4両編成が多数走っていた。2022年3月のダイヤ改正で8連に統一。
東海道本線 豊橋 - 大垣間
同様に名古屋通勤圏内なのに、日中の普通列車の一部が2両編成や3両編成だったことがある。2022年現在、特急以外は4・6・8連のいずれかで統一されている。
東北本線・上越線 上野口
国鉄時代、東北特急・急行で線路容量がパンクしていたため十分にスジを確保できず、鈍行は1~2時間間隔が当たり前であった。現在の普通列車10~20分間隔体制が確立されるのは1985年東北新幹線上野延伸以降である。

将来的に都会のローカル線となりうる例[編集]

東武野田線
東京通勤圏内で2024年現在は6両編成も走るが、5両編成への減車が計画されており、同じ5両の上記井の頭線と比較しても単線区間が残るなど、実質都会のローカル線たるものに退化すると考えられる。

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ただし、一時期は高幡不動で系統分割・6両編成ということもあった。
  2. 概ね、名駅もしくは金山駅を22時半以降に出発する列車で日着できる範囲。
  3. ただ、特定運賃のため、運賃ではJRの方が安い。
  4. 315系4連がワンマン仕様であり、日中のワンマン運用を廃止もしくは4両ワンマンが許容され、かつ日中に過剰と判断されない場合、桑名、四日市以外は終日オールロングシート地獄となるが、そこまでは未確定。
  5. 名古屋通勤圏視点で見ると、新城は西小坂井〜小坂井間(距離として約2km)で9.2kmと7km近く迂回しているハンデが露わになっている。
  6. 金山駅22:32発新快速乗車で日着できる。
  7. 1985年以降でも20分間隔や15分間隔の時期があったのだが。
  8. 旧型客車が定期運行されていた最後の路線でもある。
  9. ただし優等列車が各停運行するのでなんやかんやで本線は全駅で毎時4本は確保されている。
出典