路面電車

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路面電車(ろめんでんしゃ)は、軌道法により建設された、併用軌道を用いる「路面鉄道」を走行する電車である[注釈 1]

概要[編集]

主に都市内の道路上に敷設された鉄道で、バスと普通鉄道の中間的な位置づけにある。道路上に存在する電停から車両に乗降する。普通鉄道と異なり、軌道は道路上に敷設される。

一方で、戦前は官鉄並行路線の免許を抑制した地方鉄道法の制約回避から、戦後は道路交通への補助金の関係から、専用軌道を走行する区間や、地下や高架で道路交通との分離を図った区間が存在する路線もある。

戦前は日本各地に路面電車路線が開業。一時は「都市のステータス」となり、戦後にない大宮・川越恵那桑名米子岩国那覇にも路面電車が存在した。戦後は1950年代後半に車輌の老朽化で前橋小田原の市内電車が廃止されたのを皮切りに、1973年のオイルショック前までに昼間の道路渋滞激化で各地で次々と路面電車が廃線。廃線路線の中には中距離の阪神電鉄国道線や都電杉並線のように、1980年代後半の都市24時間化に対応できたと思われる路線も含まれていた。

しかし、オイルショック以降、路面電車が見直しの機運が高まり、豊橋市富山市のように路線延伸を果たした都市や、広島市松山市のように都市交通の中心に据える都市も出始め、近年は、歩行者を重視した街づくりの際に重宝されており、国内でもLRTなどを使用した路線が開業したり、宇都宮市のようにゼロからの新設を目指す都市もある。
他方、オイルショック後も、交通政策の総合的な力関係から、地下鉄を中心に据えた仙台市電京都市電、バスを中心に据えた名鉄岐阜市内線西鉄北九州線のように廃線の憂き目に遭った都市がある。

関連項目[編集]

脚注[編集]

注釈
  1. 札幌市では戦後の一時期、路面ディーゼル車が存在した。また、戦前は、九州地方の軽軌道のように、道路の一部に併用軌道を設けた蒸気動力、単端式気動車の路線もあった。