地磁気
地磁気(ちじき)とは地球が磁石となって磁気を帯びて磁場を作っていることである。
概要[編集]
方位磁針はN極を北へ向けることから、北がS極を、南がS極を帯びていると考えられる。磁極は北極点や南極点にはなく、地軸より11°傾いた場所に存在する。北に北磁極、南に南磁極がある。地磁気による磁場の強さを地磁気の強さという。
メカニズム[編集]
ダイナモ理論で説明できる。すなわち、鉄、ニッケルを含んだ液体の外核が地球の自転によって地球が発電機として電流が流れ、地球が磁界を帯びるというものである。
地磁気の変動[編集]
磁界は毎年0.2%西側へ移動している(西方偏位)。また、過去100年の観測で毎年0.05%減少していることがわかっている。
地磁気の逆転[編集]
地磁気は時には逆転する。原因は分からない。もし、ダイナモ理論のとおりに地球の回転によって地球内部に電流が流れているならば、なにかのきっかけで電流の向きが変わり、磁場が逆転する可能性がある。今から360万年の間に9回も磁極の入れ替えがあった。最近では77万年前に逆転したことが地質や岩石中の痕跡より知られている。
地磁気の消滅[編集]
内核の成長により外核が小さくなり、最近200年間は減少を続けており、さらに直近100年間の減少速度では1000年後に0となる。地磁気の減少が起きていることが観測されている。外核が消滅すればダイナモ理論による地磁気の消滅が起きて地球に宇宙線が直接降り注ぎ、地球上の生物は絶滅する。
大陸移動の証拠[編集]
世界各地で現在の磁場とは異なる向きの岩石が見つかり、大陸移動説を裏付ける結果となった。(プレート・テクトニクス)
利用[編集]
古くから方位磁針として使われていた。また、渡り鳥は渡りに地磁気を使っている。
沿革[編集]
その他[編集]
地磁気観測所は日本国内には茨城県、北海道、宮崎県、東京都の父島、千葉県にある。 このうち千葉県のものは国土地理院管轄、それ以外は気象庁管轄となっており、気象庁管轄の観測所のうち茨城県以外は無人となっている。
この観測所の周辺30km圏内では鉄道路線の直流電化が原則禁止されている。そこで、茨城県内の該当区間内を走る常磐線やつくばエクスプレスは交流電化、関東鉄道常総線や鹿島臨海鉄道大洗鹿島線は非電化となっていたり、千葉県の該当区間内を走る内房線は工夫をした上での直流電化がなされていたりする他、戦前に頓挫した例も少なからず存在した。