国鉄185系電車
185系電車(185けいでんしゃ)とは、日本国有鉄道が設計した直流特急型電車である。
概要[編集]
1980年代後半に、関東地区の急行で運用されていた153系、165系の老朽化やサービスの陳腐化が問題となった。そこで、これらの急行形電車の運用を置き換えつつ、増収のために特急格上げすることが望まれ、こうした経緯で普通から特急までこなせるオールマイティーな車両が必要となった。そして、関西で新快速専用形式として開発された117系を基にして登場したのが185系である。
投入当初は転換クロスシート仕様で間合いの普通列車運用も多かったが、リクライニングシート換装後はほぼ特急専用となり、関東の特急の代名詞となった時代もあった。
しかし、後継車のたび重なる登場で次第に活躍の場を狭めていき、2021年改正で定期運用が消滅。臨時特急運用もE257系に置き換えられたため暫くの間団体列車のみの活躍となった。しかし、2023年改正で特急「草津・四万」(旧・特急「草津」)などが651系からE257系5500番台に置き換えられ、同車の運用がカツカツになったため、2023年春臨で突如臨時特急「あしかが大藤まつり」などの特急運用復活が発表された。
現在、クロ157-1の牽引・推進運転が可能なのが当形式しか存在しないため、今後の動向が注目されている。
番台区分[編集]
0番台[編集]
1981年より特急「踊り子」として運行を開始。田町電車区へ新製配置された。2013年に大宮総合車両センターに転属したが、その後廃車の進行によって現在は新特急色のC1編成のみ残存している。
200番台[編集]
耐寒耐雪仕様の車両である。現在は斜めストライプ塗装となったB6編成のみが現存している。
1982年に東北・上越新幹線大宮開業に際して「新幹線リレー号」としてデビューした。リレー号廃止後はホームライナー、高崎線・宇都宮線・吾妻線の特急列車、JR信越本線などの普通列車に充当され、碓氷峠の走行実績もある。
2016年に常磐線から転属してきた651系へ高崎線系統の運用が置き換えられ、宇都宮線系統は列車ごと廃止されたことで北関東方面の定期運用から撤退した。
また、当番台には横浜線等のATCに対応したオオB3・B4・B5編成が存在し、特急はまかいじ号に使われていたが、現在これらの編成は全て廃車となったため「はまかいじ」など新横浜経由特急の復活は絶望的である。
使用された列車[編集]
- 踊り子(1981 - 2021)
- 湘南ライナー(1986 - 2021)
- 新特急なすの(1985 - 1995)
- 草津/白根(1982 - 2014)
- あかぎ(1982 - 2016)
- 水上/谷川(1982 - 2010)
形式[編集]
新造車[編集]
なお本形式は転入車がない。国鉄直流形特急ではかなり珍しい。
- クハ185
- サロ185
- モハ184
- モハ185
その他[編集]
東北新幹線開業による大量の交直流特急型車の余剰発生と国鉄分割民営化の時期が重なったため、本系列に対応する交直流型電車(487系?)はついに製造されることはなかった。
関連項目[編集]
JR JR東日本の鉄道車両 |