JR貨物EF510形電気機関車
EF510形電気機関車(EF510かたでんききかんしゃ)とは、日本貨物鉄道および東日本旅客鉄道に投入された交直流電気機関車。
概要[編集]
桃太郎こと直流電気機関車EF210をモデルに設計された交直両用機関車で、三菱電機・川崎重工業などで製造。
本機関車の投入で、EF81は経年の長いものから淘汰され始め、2023年からは、九州向けにも投入が行われる。
投入に至る経緯[編集]
交流電化区間では、EF81、ED75、ED76といった機関車が貨物列車に使用され、EF81についてはモデルチェンジ車も投入された一方、新時代の機関車も開発され、出力6000kWのEF500やD級ながら出力4000kWのED500が試作されたが、EF500はEF200同様にパワー過多で、ED200は軸重が軽すぎで、いずれも量産は見送られた。勾配を有する区間は後にEH500が新規投入されたが、平坦地用の交流電化対応の機関車は新規投入が見送られたままだった。
そこで、直流区間で実績を上げたEF210に交直変換装置を設け、日本の線路状況に合う出力と軸重を確保した機関車を投入した。
番台区分[編集]
0番台[編集]
日本海縦貫線で活躍してきたEF81の置き換えを目的に開発された。愛称は公募により「レッドサンダー」となった。実際に車体色はEF81より濃い赤色である。2002年から投入を開始し、1号機から23号機までの計23両が製造された。なお、1号機は量産先行車であるが、EF210から多くが設計流用され、900番台にはならなかった。制御機器はIGBT素子によるVVVFインバーターを採用している。なお、磁界音はGTO素子を使った物とそっくりである。
全車富山機関区に所属しており、日本海縦貫線以外でも東海支社管内で直流区間のみの運用があり、中央本線多治見まで進出している。
500番台[編集]
JR東日本・田端運転所(現在は車両部門は尾久車両センターに移管)所属だったが、2016年にJR東日本から姿を消し、JR貨物富山機関区の所属となっている。
2009年~2016年に501号機から515号機までの15両が製造された。寝台特急北斗星や寝台特急カシオペアの牽引機としてJR東日本に投入され、うち509・510号機はカシオペア用JR東日本E26系客車に準じた銀色に5本線の入った配色となっていた。それ以外は「ブルートレイン」をイメージさせる青と金色がベースの車体色であった。2010年から寝台特急の運用を開始し、田端運転所のEF81形の大半を置き換えたが、JR東日本委託の貨物列車が廃止されたり、寝台特急が運行を終了したりしたため順次JR貨物に売却された。なお、この際に509・510号機は銀一色に変更され、それ以外も側面にあった流星マークが剥がされてしまった。また、譲渡後は田端時代より整備が行き届かなくなったからか汚れが目立つようになった。ちなみに、末期は頻繁にEF81が代走に入る有様だった。
300番台[編集]
全車両がJR貨物門司機関区に所属している。同区のEF81、ED76を置き換えるため、2021年から製造が開始された。このグループより回生ブレーキを搭載する。JR貨物によると、2025年度中に置き換えを完了する予定。
2021年12月に試用意味合いの301号機が投入され、2023年3月のJR貨物ダイヤ改正より運行を開始した。2024年度以降は本格的な増備が始まり、302.303.304.305.306号機が追加で製造された。
塗装は銀色がベースで下部が青みがかった黒色になっている。また、ヘッドライトは上部のみLEDに変更されている。なお、報道公開時は全てのヘッドライトがLEDだった。
関連項目[編集]
- JR貨物EH200形電気機関車 - ブルーサンダー
- JR貨物EH500形電気機関車 - 金太郎
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