JR貨物EH500形電気機関車

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安中貨物を牽引する25号機(2022年・柏駅にて)

EH500形電気機関車(イーエイチ500がたでんききかんしゃ)とは、日本貨物鉄道(JR貨物)が所有する電気機関車である。愛称は「金太郎」で、鉄道ファン以外にも浸透している。

概要[編集]

東北貨物線隅田川駅など南関東地域から函館本線五稜郭駅まで1両で通し運転できる機関車として1997年量産先行車の901号機が設計・開発された。当時この区間は黒磯駅以南でEF65もしくはEF66、黒磯駅から青森駅までED75重連[注 1]青函トンネル区間をED79重連と機関車を付け替えて運行していた。このため付け替えや重連の解消を狙い、併せてスピードアップや線路使用料、乗務員の節約を目論んだ訳である。

EH10形以来となる連接車体のH級機関車で、交直3電源対応の万能電機である。定格出力もED75単機の1900kWに対し4000kWと大幅なパワーアップとなっている[注 2]。青函トンネル区間は後継機のEH800に置き換えられたが、一部機関車は関門トンネルを挟んだ区間でも運用されている。
2017年のJR発足30年記念イベントではカシオペアことJR東日本E26系客車を牽引し話題となった。なお、線路使用料の関係でJR東海管内は出禁となっている。

種類[編集]

2000年には量産1次型の1・2号機が登場した。901号機に比べ赤色がより紫味を帯び、前面の配色が変更されている。同年には2次型(3〜9号機)も登場、ライトが上に移動した。2001年、最終形態となる10号機からの3次型が登場した。前面の黒色塗装が廃止された。一方、量産先行車の901号機は2020年5月以降休車状態となっている。

関連項目[編集]

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  1. 十三本木峠などの急勾配対応。
  2. F級ながら出力6000kWのEF500よりは小さく、D級ながら出力4000kWのED500と同等である。このため、鉄道工学者の曽根悟は、勾配区間の変電所出力増強でEF500を、機関車の改良で平坦地にED500を量産投入すれば充分との考えで、JR貨物や線路を貸すJR東日本が安易にH級機関車を導入した姿勢を批判した。


電気機関車
D級 ED16* - ED17* - ED18* - ED42* -ED44* - ED45* - ED46 - ED19* - ED53* - ED60 - ED61 - ED62 - ED70 - ED71 - ED72 - ED73 - ED74 - ED75 - ED77 - ED78 - ED76 - ED79 - ED500
F級 EF10* - EF13* - EF15* - EF16* - EF14* - EF52* - EF54* - EF53* - EF55* - EF56* - EF57* - EF18* - EF58* - EF59* - EF30 - EF60 - EF61 - EF62 - EF63 - EF64 - EF65 - EF66 - EF67 - EF70 - EF71 - EF80 - EF81 - EF200 - EF210 - EF500 - EF510
H級 EH10* - EH200 - EH500 - EH800
私鉄・第三セクター用
西武鉄道 E851 - E31
秩父鉄道 デキ100 - デキ200 - デキ300 - デキ500
名古屋鉄道 EL120
「*」がある形式は旧型機関車(1957年9月より前を製造初年度とする機関車と定義)。