西武E851形電気機関車
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E851形電気機関車(E851がたでんききかんしゃ)とは、西武鉄道が保有・運用していた電気機関車である。
概要[編集]
西武秩父線開通に合わせて4両が新造された大型電気機関車で、私鉄各社が保有する電気機関車として唯一、動軸を6軸持つF級電気機関車として開発された。外形寸法・自重・牽引力・定格出力といずれも私鉄の機関車としては最大級である。
これほどの大型機として開発されたのは最急勾配25パーミルが存在する秩父線で牽引荷重1,000 tに達するセメント輸送列車を牽引するためであり、当時の国鉄におけるF級電気機関車の最新型であったEF65形とEF81形をベースモデルとした。形式称号もこの2形式の組み合わせである。
運用[編集]
東横瀬駅を起点に、池袋、国分寺→新秋津発着のセメント貨物列車の牽引に使用された。単機牽引が原則だが、東横瀬 - 芦ヶ久保間には25パーミルの急勾配が存在するため、この区間のみ重連で運転した。
しかし秩父地域の道路整備進展によって貨物列車需要が減少し、1996年3月を以て貨物運用を終了した。
貨物運用終了後、西武鉄道関係者の強い熱意により、JRから客車を借り受けてさよなら運転を行うことが決定。JRから12系6両(スハフ12-162+オハ12-374+オハ12-373+オハ12-372+オハ12-370+スハフ12-161)を借り受け、1996年5月25・26日の2日間に渡ってさよなら運転を行った。運用終了時点で経年30年未満と比較的若い機関車であったが、あまりにも大きすぎるために他社から譲渡の引き合いはなく、E851からE853の3両は解体された。ただしラストナンバーのE854のみが解体を免れ、横瀬車両基地で静態保存されている。
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