愛西市
愛西市(あいさいし)は、愛知県の尾張地方にある市である。愛知県西部に位置することが名称の由来。
地理[編集]
愛知県の西端、海部地域に位置し、西側は木曽川などを挟んで岐阜県海津市や三重県桑名市と接している。愛知県では津島市、稲沢市、弥富市、あま市、海部郡蟹江町と接しており、南北に幅が広く、特に北・西・南の3方向から津島市を取り囲んでいる。濃尾平野の南部に位置し、市域の南部は海抜ゼロメートル地帯となっている。
愛西市が発足した際には旧・佐屋町役場が愛西市役所となった。2019年時点の人口は62,962人であり、海部津島広域行政圏の中心都市である津島市(62,492人)とほぼ同じである。
名鉄津島線、名鉄尾西線、JR東海関西本線、国道1号線、155号、東名阪自動車道が通じている。近鉄名古屋線は市域をかすめているが、市内に駅はない。
歴史[編集]
2005年(平成17年)4月、海部郡の佐屋町・佐織町・立田村・八開村の2町2村が合併して発足。
なお、1903年(大正3年)6月までは佐織町域と佐屋町域の大部分は海東郡、立田、八開の両村域と佐屋町の一部は海西郡に属していた。
明治時代後期、オランダ人土木技師のヨハネス・デ・レーケ(ヨハニス・デ・レーケとも)によって、市域内で木曽三川分流工事が行われた。この地域を縦断していた佐屋川が廃川となり、立田村福原地区が河岸から切り離されるなど、地形的に大きな変化があった。佐屋川は現在の海部幹線水路に相当する。
1898年(明治31年)には、尾西鉄道(現在の名鉄尾西線)の弥富駅・津島駅間が開通、翌1899年には森上駅まで延伸し、この地域に鉄道駅が設けられた。1925年(大正14年)には市内佐屋町(出生時は尾張国海東郡佐屋)出身の加藤高明が第24代内閣総理大臣に就任した。
昭和戦前の1929年に関西本線の永和駅が開業。1939年(昭和14年)には佐織村が町制施行して佐織町となった。戦後の1955年(昭和30年)には佐屋村と市江村が合併し、町制施行して佐屋町となった。これ以後の50年間は2町2村の状態が続いていた。平成の大合併時には津島市を中心とする合併論議がなされたが、結果的に津島市はどの自治体とも合併を行わず、前述の2町2村による合併となった。
教育[編集]
- 高校
- 愛知県立佐屋高等学校 - 農業系学科と家庭科系学科を有する専門高校。元は県立稲沢高の分校。
- 愛知県立佐織工科高等学校 - 機械系学科を有する西尾張の工業高校3校の一つ。実質、津島商工高校(現・県立津島北高)からの分立校。
- (私立)清林館高等学校 - 普通科高校。2018年までは津島市中心部にあった。
- (私立)名古屋工業高等学校永和台グランド
名所・旧跡[編集]
- 尾張津島天王祭 - 津島市と愛西市で開催される川祭り。「日本三大川祭り」のひとつであり、国指定重要無形文化財。愛西市からは市江車が参加する。
- 船頭平閘門 - 水位の異なる木曽川と長良川を結ぶための施設。1902年(明治35年)完成。国の重要文化財。愛知県・岐阜県・三重県の3県境に近い場所にある。
- 佐屋海道址 - 東海道の迂回路である佐屋街道は、佐屋宿と桑名宿の間で3里の海路(海道)を通る。