鉄道路線

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鉄道路線とは、軌条を用いた交通路のことである。

概要[編集]

交通路とは、地点と地点を結ぶものであるが、この中でレールを用いた交通路のことを鉄道路線と呼ぶ。

特徴[編集]

道路と比較して、少ないエネルギーで運行できる。スピードもやや出しやすい。一方、加速・減速に時間がかかる他、勾配にも弱い。そのため、道路より高速輸送向きである。

空路と比較して、重量物を輸送できる他、出発地・到着地に広いスペースを必要としない。一方、レールの上しか走れない上に、スピードを出せない。そのため、空路よりは短距離輸送向きである他、貨物輸送にも適している。

海路と比較して、スピードが出しやすい。一方で、重量物の輸送は難しい。

鉄道路線の形態[編集]

線路の数[編集]

単線
線路(2本のレールのセット)1本で構成する路線。同時に双方向に列車を走らせることができない。通常は、両方向の列車が行き違うために部分的に2線になる所を信号所の形で設置し、双方向の運行ができる様にしている。大幅な増発は難しいが、本数がさほど多くなく、ダイヤ通りの運行を行っている場合は、160km/hといった高速運行も可能である。
複線
線路2本で構成する路線。ほとんどの場合は上り線と下り線に分かれていて、両方向の列車の行き違いはどこででも可能である。そのため、単線と比べてはるかに多くの列車を走らせることが可能で、理論上は毎時30往復まで可能とされている。また、速い列車が遅い列車を追い抜くために、途中に待避線を設ける所がよく見られる。実際は、上り線・下り線とも双方向に列車が運行できる様にしていて、片方の線が工事等で通行止めの時にもう片方の線で単線として運行できる様にしてあることも多い。また、路線によっては、単線を2本並べているだけで、どちらの線も双方向に列車が走るところもある。
三線
線路3本で構成する路線。かなり珍しい。上り2線・下り1線あるいはその逆のケースもあれば、上り線・下り線・上下兼用の3線とするケースもある。
複々線
線路4本で構成する路線。複線を2路線並べているだけの区間もあれば、高速列車用と低速列車用、あるいは旅客列車用と貨物列車用といった役割分担とし、追い抜きが自由にできる様にしてある区間もある。また、上り2線と下り2線をそれぞれ隣同士になる様に配置した「方向別複々線」の場合、高速線と低速線を頻繁に切り替える列車も存在する(JR神戸線など)。
複々線以上
都市部でよくみられる。

線路の電化[編集]

鉄道の電化を参照。

レールの種類[編集]

鉄道は本来、鉄のレールを用いた道のことである。レールの幅にはいくつかの種類がある。詳細は軌間を参照。

軌道系交通機関には、他にモノレールAGTゴムタイヤ地下鉄の様に、鉄の軌道を用いないものも多いが、便宜上鉄道路線と呼ぶことが多い。

設置場所[編集]

鉄道法と軌道法に分かれ、後者については、列車専用の走行路とした専用軌道と、一般道路の上にレールを敷いて自動車・列車の双方が走行できる併用軌道がある。併用軌道を走る列車のことを路面電車と呼ぶが、専用軌道を運行することもある。

また、地上に鉄道路線を設ける場合もあれば、高架や地下に鉄道路線を敷く場合もある。

市街地の内部では、立ち退きを最小限にするために、併用軌道あるいは地下の専用軌道地下鉄)とするのが主流である。また、地価の安い被差別部落周辺に通すことも多かった。証拠となるサイトは出せない。一方、市街地の外では、スピードの出せる専用軌道が一般的で、建設コストの安い地上路線(地形が複雑な場合は高架や地下も有る)としていることが多い。

用途[編集]

旅客用、貨物用、旅客貨物兼用とそれぞれの種類がある。また、鉄道貨物輸送を行う工場・物流拠点では、敷地と近くの線路を結ぶ短距離の路線 (専用線)を設けていることが多い。

営業上の分類[編集]

名称[編集]

日本の場合、全ての路線に名前がついている。海外だと、路線に名前をつけず、単に(起点駅)-(終点駅)線と呼んだり、あるいは数字で○○号線と呼ぶこともある。

名前がついていても、路線の区間と、列車の運転系統は、必ずしも一致しているとは限らない。そのため、運転系統毎に個別の路線名や愛称名をつけているケースが多い(山手線京浜東北線など)。なお新幹線は全て、在来線の増設線という扱いで、国鉄時代には個別の路線名が与えられなかった。

本線と支線[編集]

国鉄の路線は、○○本線と、その本線にぶらさがる支線に分類されている。本線・支線といっても実態は様々で、留萌本線の様に短距離のローカル列車しか走らない本線もあれば、常磐線東北本線の支線)の様な本線級の大規模支線もある。

幹線と地方交通線[編集]

1980年代に国鉄によってつけられた区分である。主に収支を基準に定められ、幹線に比較して地方交通線の方が運賃が高い。美祢線が幹線であることは多くの人が違和感を持つが、これは夕張線と同様、かつて貨物輸送 量が大きかった時の名残である。

脚注[編集]