東京府
東京府(とうきょうふ)は、明治期の明治元年(1868年)にできた府県の一つ。昭和18年(1943年)に現在の東京都になった。
東京府の設置[編集]
明治元年(1868年)に江戸府を東京府に変更。明治4年(1871年)の廃藩置県によって、東京府・京都府・大阪府の三府が出来上がる。
当初の読みは「とうけい」であった。しかしこの読み方が不評でなかなか定着しなかったので、次第に「とうきょう」と言われるようになった。「とうきょう」という読み方が正式になったのは、大正3年(1914年)に完成した東京駅を「とうきょうえき」としたときであると言われている。
1878年(明治11年)、静岡県から伊豆諸島を移管して府域に編入した。
東京市[編集]
明治22年(1889年)5月1日に東京府[1]の中心部15区を東京市とした。東京市とはあるが、市議会は置かれているわけではなく、市長も東京府知事が兼任していた。また当時の15区は区議会を従来通り保持している。明治31年(1898年)、市長も府知事の兼務がなくなって、単独で市長を務めるようになった。
府域の拡大[編集]
1893年(明治26年)、神奈川県から三多摩、1896年(明治29年)埼玉県から保谷村(現・西東京市の一部)、1926年(大正15年)埼玉県から横曽根村浮間(現・北区の一部)を編入して府域を拡大した。
大正・昭和期[編集]
府下では、1917年八王子、1940年立川が市制施行。都制移行前は東京市を含めた3市だった。
なお、旧東京15区の外郭の5郡に人口10万近い町もあったが、市制施行地は無く、1932年に東京市域が拡大した。
東京都へ[編集]
昭和18年(1943年)に戦争の統制を強めるために「東京都制案」が可決。東京府及び東京市が廃止されて「東京都」となり、都制に移行。都制に移行したことで、旧東京市域のトップは、議会推薦の市長から官選の都長官となった。
戦後[編集]
1947年3月、旧東京市の35区を22区に再編。地方自治法の下で、旧東京市の22区は東京特別区となった。同年8月練馬区が板橋区から分立して、特別区は現在の23区になる。