阪神甲子園球場

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1塁アルプス席から見下ろす甲子園球場

阪神甲子園球場(はんしんこうしえんきゅうじょう)は兵庫県西宮市にある日本の野球場。阪神電気鉄道が保有している。伝統ある美しい球場であることから「聖地甲子園」と呼ばれることがある。

概要[編集]

1924年8月1日全国中等学校優勝野球大会(現在の夏の高校野球)の観客の増加に対応するため、阪神電気鉄道が建設した。これに伴い、夏の全国中等学校大会は豊中球場、春の選抜大会は名古屋の山本球場から会場を移した。
銀傘と呼ばれる独特の観客席の屋根と球場外壁一面に張り付いた蔦が特徴的な球場(ただし現在は改装工事が行われた影響で蔦が生え揃っていない)。1924年8月13日から第10回大会が開催された。当時は「甲子園大運動場」と呼ばれた。甲子園の名の由来は「甲子(きのえね)」の年に当たることから命名されたという。

なお創建当時の甲子園の収容人数は8万人とされ、東洋一の巨大スタジアムを誇っていた。

1937年に大阪タイガースが創立されてからは本拠地球場としても使用されている。また、アメリカンフットボールの大会の甲子園ボウルの会場としても知られている。外野は総天然芝で阪神園芸の丹念な手入れによって美しい緑色が保たれている。

内野は黒土、外野は天然芝だが内野スタンド(アルプスを含まず)沿いは全て人工芝となっている。通常、外野が天然芝の球場では、フェンス際は芝の育成が難しいためにウォーニングゾーンも兼ねて土となっているが、甲子園ではフェンス際まで芝が張られておりウォーニングゾーンは白線を引くことにより設けている。

かつてはサッカーや、戦前のスキージャンプ競技大会など、野球以外の競技やコンサート等のイベントで数多く使用されたが、現在は毎年9月開催のTUBEの野外ライブと毎年12月開催のアメリカンフットボール東西大学王座決定戦「毎日甲子園ボウル」以外での使用はほぼない。これは多目的ドーム球場の京セラドーム大阪が完成した影響ともいえる。

比喩としての甲子園[編集]

甲子園」も参照

高校野球の聖地であることから高校生の全国大会を「○○甲子園」(○○はほとんどの場合競技名)と呼ぶことがあり、わかりやすく言えば、高文連主催でない文化系部活動の各種全国大会で「○○」甲子園と呼ばれることが多い。
様々な競技が同時進行で行われる高校総体国体、あるいはサッカーラグビーといったスポーツ競技の全国大会については、そのものが知名度が高い大会であるため「甲子園」と呼ぶことはない(サッカーは「国立」、ラグビーは「花園」、バレーは「代々木」と呼ばれる)。

球場データ[編集]

甲子園球場 (単位)」も参照

  • 収容人員 : 47541人
  • 外野総天然
  • 総面積:約38,500m²
    • スタンド:約22,600m²
    • グラウンド:約13,000m²
    • その他:約2,900m²
  • 本塁-中堅 : 118m
  • 本塁-両翼 : 95m

阪神球団主催分公式戦チケットの扱い[編集]

年間指定席においては、前年のシーズン終了後から発売されるが、その前年に購入した人に優先権がある。雨天中止が発生した場合は、予備日程が決まり次第、予備日当日に有効のチケットが郵送される。

一般発売においては、対巨人戦12試合および対戦日を8月に発表する試合日未定分を除き、交流戦を含む48試合全てを2月下旬から一斉に前売り発売している。対巨人戦に限り混雑緩和のため、各対戦日に応じてチケットの発売日をそれぞれ設定している(概ね対戦日の2か月前)。各試合ともに前売りで完売した場合は、当日券の発売は行わない。

雨天中止が生じた場合は、翌日以降に全額払い戻しとなる。予備日程については決まり次第その都度追加で発売日を決めるが、交流戦における予備日程に限り、全席種とも当日券のみの発売となる。

その他[編集]

  • 高校野球では敗退したチームの選手らが甲子園の土を持ち帰ることが慣習になっている。この慣習の起こりは、1946年第28回全国中等学校優勝野球大会で、準決勝にてその年の優勝校・浪華商業に敗れた東京高等師範附属中(現・筑波大学附属中学校・高等学校)の佐々木迪夫監督が、「さあ、5年生(最上級生)はいいから、他は自分のポジションへ行って土を取ってこい。来年、またここへ返しに来よう」と言い、選手らが各ポジションの土を手ぬぐいに包んで持ち帰ったことにある[1]
  • 放送席の配置は、2008年7月22日の阪神対巨人の場合次のようになっている。
ラジオブースは、3塁側から予備[2]・予備[3]・朝日放送※・ラジオ日本・予備※(この日は、朝日放送がスタッフ詰所として使用)・毎日放送・NHK(この日は、BS1でプロ野球中継のため使用)となっている。またテレビブースは、グリーンシートほぼ最上段にタイガースアイの放送席がありグリーンシート7段91番~100番には関西テレビの放送席が、14段91番~100番(8番柱のちょうど前)にはサンテレビの放送席がある。
…朝日放送は、2つのブースを確保(TBSが乗り込み時に使用することやABCローカルと地方局への二重製作の試合もある)している模様で試合日によって使用するブースが変わることもあり普段は毎日放送とラジオ日本の間のブースを使用していると思われる。
  • 2008年からは野球場としては珍しいオフィシャルスポンサー制度を採用していて、2009年2月現在はアサヒビール東芝ミズノみずほ銀行の4社である。このうち、東芝・みずほ銀行とアサヒビールの子会社のアサヒ飲料の3社は球場内の座席の一部の命名権も所得している。
  • ダートサークルは現在、高校野球・大学野球などアマチュアの試合のみに限り引かれている。プロ野球の試合では現在引かれていない。(マウンドの説明文の写真、およびダートサークル「振り逃げとダートサークル」に詳しい)
  • バックネット裏はグラウンドレベルに近く、かつ低めのアメリカ大リーグスタイルのスタンドになっている。これは過去の後楽園球場、および三次市みよしきんさいスタジアムと同じスタイルである[4]
  • プロ野球の応援や歓声は周囲の住宅に大きく響くため、午後10時以降はトランペット太鼓を使った鳴り物応援は禁止となる。但し、阪神勝利時の六甲おろしは午後10時以降でも合唱される。この他、紙テープ、紙吹雪、ウェーブによる応援は常時禁止されている。
  • 2013年はスタンド命名権によるものとは別で、曜日別や期間限定のシートを設けているが、その一部に企業の冠が付いたものがある。例として「ピザーラ運試シート(4月の9試合限定)」「ケンタッキー花金シート(金曜日限定 2012年も実施)」などである[5]

アクセス[編集]

脚注[編集]

  1. 「よみうり寸評」読売新聞(2009年8月14日夕刊)・『「甲子園の土」ものがたり』(三浦馨著、明治書院)より。ただし、第28回大会1946年)は、阪神甲子園球場が米軍により接収中のため、全試合阪急西宮球場で行われた。
  2. 土曜・日曜は昨年までラジオ大阪~今年から文化放送が使用か?
  3. ニッポン放送が乗り込み時に使用か?
  4. 日本の大半の球場はバックネット裏に事務室、場内放送用ブース、電光掲示板の操作室などが設置されており、その分スタンドが高く設定されている場合が多い
  5. 2013年限定企画チケット

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

セ・リーグ 東京ドーム巨人)- 明治神宮野球場ヤクルト)- 横浜スタジアムDeNA)- バンテリンドームナゴヤ中日)- 阪神甲子園球場阪神)- MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島広島
パ・リーグ エスコンフィールドHOKKAIDO日本ハム)- 楽天モバイルパーク宮城楽天)- ベルーナドーム埼玉西武)- ZOZOマリンスタジアム千葉ロッテ)- 京セラドーム大阪オリックス)- 福岡PayPayドームソフトバンク
イ・リーグ ファイターズスタジアム日本ハム)- 楽天イーグルス利府球場 / ウェルファムフーズ森林どりスタジアム泉楽天)- ロッテ浦和球場ロッテ)- 西武第二球場西武)- 読売ジャイアンツ球場巨人)- ヤクルト戸田球場ヤクルト)- 横須賀スタジアムDeNA
ウ・リーグ ナゴヤ球場中日)- 阪神鳴尾浜球場阪神)- 舞洲バファローズスタジアムオリックス)- 広島東洋カープ由宇練習場広島)- タマホームスタジアム筑後ソフトバンク
過去の一軍本拠地 札幌ドーム日本ハム)- 東京スタジアム(東京オリオンズ)- 川崎球場(ロッテオリオンズ)- 衣笠球場(松竹ロビンス)- 大阪球場(南海ホークス)- 藤井寺球場(近鉄バファローズ)- ほっともっとフィールド神戸(オリックスブルーウェーブ)- 下関市営球場(大洋ホエールズ)- 平和台野球場(西鉄ライオンズ)