JR岩泉線
東日本旅客鉄道(JR東日本) 岩泉線 | |
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基本情報 | |
国 | 日本 |
所在地 | 岩手県 |
起点 | 茂市駅 |
終点 | 岩泉駅 |
駅数 | 9駅 |
電報略号 | オモセ(小本線時代)[1] |
開業 | 1942年6月25日 |
廃止 | 2014年4月1日 |
所有者 | 東日本旅客鉄道(JR東日本) |
運営者 | 東日本旅客鉄道(JR東日本) |
使用車両 | 車両を参照 |
路線諸元 | |
路線距離 | 38.4 km |
軌間 | 1,067 mm |
線路数 | 単線 |
電化方式 | 全線非電化 |
閉塞方式 | スタフ閉塞式 |
最高速度 | 85 km/h |
岩泉線(いわいずみせん)は、岩手県宮古市の茂市駅と同県下閉伊郡岩泉町にある岩泉駅を結んでいた東日本旅客鉄道(JR東日本)の鉄道路線(地方交通線)である。
概要[編集]
茂市駅で山田線から分岐していた、第二次世界大戦中に耐火煉瓦の原料となる耐火粘土の輸送のために建設された路線で、日本国有鉄道(国鉄)時代に特定地方交通線第2次廃止対象線区に選ばれていた[2]が、並行する道路が整備されていなかったため、代替道路未整備を理由に名松線[注釈 1]とともに廃止対象から除外された[3]。
2010年(平成22年)7月31日に発生した土砂崩れによる脱線事故のため、以来全線で運休になっていたが、2012年(平成24年)3月30日にJR東日本は利用客の減少を理由に鉄道での復旧を断念し、バスによって輸送を継続したいという方針を発表し[4]、2013年(平成25年)11月8日に廃止届が提出され[5]、2014年(平成26年)4月1日に廃止された[6][7]。廃止直前の列車本数は3往復であった[注釈 2]。
沿革[編集]
元は浅内駅までの小本線で、岩泉駅延伸時に岩泉線に改名した。岩泉駅より先も小本駅まで建設計画があったが、中止された。
- 1942年(昭和17年)6月25日 - 小本線として、茂市 - 岩手和井内間開業
- 1957年(昭和32年)5月15日 - 浅内駅まで延伸
- 1972年(昭和47年)2月6日 - 岩泉駅まで延伸して、線名を岩泉線に改称
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化により、東日本旅客鉄道の鉄道路線(地方交通線)となる。
- 2010年(平成22年)7月31日 - 押角 - 岩手大川間で脱線事故が発生しこの日より休止。
- 2014年(平成26年)4月1日 - 廃止。
駅一覧[編集]
- 路線廃止日である2014年(平成26年)4月1日時点のもの。
- 茂市駅は現存駅。他の駅について、特記なきものは路線廃止と同時に廃駅となっている。
- 全駅岩手県内に所在
- 全区間単線、全駅列車交換不可。1983年(昭和58年)時点で列車交換(行き違い)が可能な駅は岩手和井内駅と浅内駅で[8]、駅員が配置されている駅もこの2駅だった[9]が、貨物列車廃止後は岩泉線内での列車交換は行われていなかった[8]。1986年(昭和61年)の減便以降、線内に交換可能な駅はなくなり、全線が1閉塞区間となっていた[10]。
駅名 | 営業キロ | 接続路線・備考 | 所在地 | |
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駅間 | 累計 | |||
茂市駅 | - | 0.0 | 東日本旅客鉄道:山田線 | 宮古市 (旧下閉伊郡新里村) |
岩手刈屋駅 | 4.3 | 4.3 | ||
中里駅 | 2.9 | 7.2 | ||
岩手和井内駅 | 2.8 | 10.0 | ||
押角駅 | 5.8 | 15.8 | ||
宇津野駅 | 4.5 | 20.3 | (1957年〈昭和32年〉5月16日廃止) | 下閉伊郡 岩泉町 |
岩手大川駅 | 5.0 | 25.3 | ||
浅内駅 | 5.7 | 31.0 | ||
二升石駅 | 2.8 | 33.8 | ||
岩泉駅 | 4.6 | 38.4 |
車両[編集]
休止時点ではキハ110系による単行運転が実施されていた。その前はキハ52による単行運転か、キハ58を併結した2連での運用が主であった。2010年7月31日の休止前日にはキハ110-133が運用されていたが、脱線後4ヶ月近くも現場に取り残されたものの、最終的に復帰している。
廃線後の状況[編集]
中里駅 - 岩手和井内駅間は2016年6月よりレールバイクが運行されていたが、同年8月の台風で休止状態となっている。
他に、押角トンネルが国道340号バイパスの車道に流用されて[注釈 3]廃線後も活用されている。
なお、この状態を生きているとした場合、廃線後も生きている路線はふるさと銀河線りくべつ鉄道(旧北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線)や神岡鉄道神岡線など多く存在する。死んだ路線は住宅地や遊歩道に転用された蛇松線や白鳥線などが挙げられる。
岩泉線が生きていることの証明はRest:削除されたジョーク/岩泉線を参照のこと。
関連項目[編集]
脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
- ↑ 日本国有鉄道電気局 『鉄道電報略号』、1959年9月17日、23頁。
- ↑ 関崇博・池田光雅『東北線I』 (1984) p.142
- ↑ 鉄道ジャーナル 通巻374号 鈴木文彦『岩泉線』 (1997) p.73
- ↑ “岩泉線(茂市〜岩泉)について” (日本語) (PDF) (プレスリリース), 東日本旅客鉄道, (2012年3月30日) 2014年3月31日閲覧。
- ↑ “岩泉線の廃止について” (日本語) (プレスリリース), 東日本旅客鉄道, (2013年11月8日) 2014年3月31日閲覧。
- ↑ “岩泉線の廃止日繰り上げの届出について” (日本語) (PDF) (プレスリリース), 東日本旅客鉄道, (2014年1月8日) 2014年3月31日閲覧。
- ↑ “鉄道事業の一部廃止の日を繰上げる届出について” (日本語) (PDF) (プレスリリース), 国土交通省東北運輸局, (2014年1月8日) 2014年3月31日閲覧。
- ↑ a b 鉄道ジャーナル 通巻202号 青木栄一『岩泉線』 (1983) p.81
- ↑ 『国鉄駅名全百科』 (1979) p.76
- ↑ 鉄道ジャーナル 通巻374号 鈴木文彦『岩泉線』 (1997) p.74
外部リンク[編集]
- JR岩泉線復旧応援サイト - ウェイバックマシン(2014年2月13日アーカイブ分)
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