JR名松線

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東海旅客鉄道
名松線
基本情報
日本国旗.png日本
所在地三重県
種類普通鉄道在来線地方交通線
起点松阪駅
終点伊勢奥津駅
駅数15駅
電報略号メシセ
開業1929年8月25日
最終延伸1935年12月5日
所有者東海旅客鉄道
運営者東海旅客鉄道
使用車両使用車両の節を参照
路線諸元
路線距離43.5 km
軌間1,067 mm
線路数全線単線
電化方式全線非電化
閉塞方式票券閉塞式(松阪駅 - 家城駅間)
スタフ閉塞式(家城駅 - 伊勢奥津駅間)
保安装置ATS-PT
最高速度65 km/h

名松線(めいしょうせん)は、三重県松阪市松阪駅から同県津市伊勢奥津駅を結ぶ東海旅客鉄道(JR東海)の鉄道路線地方交通線)である。電報略号はメシセ

概要[編集]

雲出川沿いを走るローカル線で、JR東海随一の大赤字路線であり、廃線危機に2度も立たされてきたが、運、および努力で[注 1]救われたという経緯がある。
名張・榛原経由で桜井方面や吉野方面に足を伸ばす構想(鉄道敷設法別表81号)だったが、ボツとなり現在に至る。

歴史[編集]

当初は上記のように松阪と桜井線の桜井を結ぶ予定で計画されたが、旧伊賀鉄道の西名張駅に接続する計画に変更される。最初に開業したのは、1929年(昭和4年)の松阪 - 権現前間で、翌1930年(昭和5年)3月に井関まで延伸した。しかし競合の参宮急行電鉄は名張 - 松阪間を同年中に標準軌で開業させており、旅客での建設意義は実質失われたが、狭軌の貨物路線としての意義は残るために建設は続けられ、1935年(昭和10年)伊勢奥津まで全通した。

過去何度も災害の度に不通になっており、1984年には第2次特定地方交通線として廃止対象にもなりかけたが、沿線道路の未整備により岩泉線とともに廃止を免れた。

2006年と2009年には深夜に突然幽霊列車が走り出す事件も発生しており、改善命令が出されてようやくなくなった。

2009年10月の台風の際は家城以北にて甚大な被害を受け、そのまま2度目の廃線危機に立たされたが、JR東海と沿線自治体の不断の努力の甲斐もあり2016年に復旧[注 2]。しかし、2022年現在も決して安泰とは言えず、JR東海全体の採算が悪くなるなどの事情があるといきなり廃止ということもあるので予断を許さない状況にある。

駅一覧[編集]

  • 全駅三重県内に所在
  • 全列車普通列車(全駅に停車)
  • 線路(全線単線) … ◇:列車交換可、|:列車交換不可
駅名 駅間営業キロ 累計営業キロ 接続路線 線路 所在地
松阪駅 - 0.0 東海旅客鉄道紀勢本線
近畿日本鉄道M64 山田線
松阪市
上ノ庄駅 4.2 4.2  
権現前駅 2.8 7.0  
伊勢八太駅 4.7 11.7   津市
一志駅 1.3 13.0  
井関駅 2.6 15.6  
伊勢大井駅 2.9 18.5  
伊勢川口駅 2.8 21.3  
関ノ宮駅 2.0 23.3  
家城駅 2.5 25.8  
伊勢竹原駅 3.7 29.5  
伊勢鎌倉駅 4.3 33.8  
伊勢八知駅 2.8 36.6  
比津駅 3.1 39.7  
伊勢奥津駅 3.8 43.5  

過去の接続路線[編集]

  • 伊勢川口駅 - 中勢鉄道(1943年2月廃線)

車両[編集]

名古屋車両区所属のキハ11形300番台が使用されるが、予備車が少ないため代走の際や多客期にキハ25が運用に入ることもある。

復旧前はキハ11形鋼製車が運用に入っていた。

運行形態[編集]

全区間で1時間半 - 2時間半に1本は確保されているが、交換設備[注 4]と最高速度の関係でこれ以上の増発はできない。1日の本数は松阪 - 家城間が8往復、家城 - 伊勢奥津間が7.5往復となっている。通し列車は6往復のみで、それ以外は家城発着となる。

全列車が原則単行運転だが、多客期は2両編成となる。

今後[編集]

Achtung.png以下の内容は投稿者の予想や憶測を含みます。
確定事項ではありません。参考程度にご覧下さい。

上記のように増発が全くできずに廃線すれすれをたどっていることから、JR再編が行われる際に伊勢鉄道に移管し、高速化・交換設備の復活等を進めるのも一つの手と感じるが、近鉄がほぼ並行する一志以南と近鉄とは離れている一志以西では依存度合に差があることが不安要素であり、沿線の白山高校の今後の動向も左右されると思われる。

憶測はここまで


外部リンク[編集]

脚注[編集]

注釈
  1. 嘘は言っていない。
  2. 一方で岩泉線は翌2010年の土砂崩れによる脱線事故で全線不通になった後、2014年をもって廃止に至った。
  3. 三重県立の高校普通科は相互に出願可能な特例はあるが、津市は中部学区、松阪市は南部学区に属している。
  4. かつては、権現前、井関、伊勢川口、伊勢八知の各駅に交換設備があった。
出典
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JR東海の鉄道路線
新幹線 Shinkansen blue.png 東海道新幹線 - リニア中央新幹線
東海道線 CA 東海道本線熱海 - 豊橋豊橋 - 米原大垣 - 美濃赤坂) - CB 御殿場線 - CC 身延線 - CD 飯田線 - 岡多線(現:愛知環状鉄道線) - CE 武豊線
中央線 CF 中央本線塩尻 - 中津川中津川 - 名古屋) - CI 太多線 - 城北線
関西線 CJ 関西本線名古屋 - 亀山
紀勢線 紀勢線(亀山 - 新宮) - 参宮線 - 名松線
高山線 CG 高山本線(岐阜 - 猪谷)
事業予定路線。 全区間を他社移管。 子会社である東海交通事業が第二種鉄道事業者。JR東海は列車を運行していない。
路線
営業路線 CA 東海道本線名古屋地区 - 美濃赤坂線 - 新垂井経由下り本線) - CD 飯田線 - CE 武豊線 - CF中央本線木曽地区 - 名古屋地区) - CI 太多線 - CG 高山本線 - CJ JR関西線 (名古屋地区) - 紀勢線 - 参宮線 - 名松線
廃止路線 岡多線(1988年転換) - 東海道本線(西名古屋港線)(2004年転換)
車両基地・車両工場
現有組織 大垣車両区 - 神領車両区 - 名古屋車両区 - 美濃太田車両区 - 名古屋工場
廃止組織 伊勢車両区
乗務員区所 大垣運輸区 - 名古屋運輸区 - 豊橋運輸区 - 神領運輸区 - 中津川運輸区 - 亀山運輸区 - 伊勢運輸区 - 高山運輸区 - 美濃太田運輸区 - 伊那松島運輸区
指令所 東海総合指令所
支店 三重支店 - 飯田支店
北海道 相生線 - 岩内線 - 江差線(一部) - 興浜南線 - 興浜北線 - 根北線* - 札沼線*(一部) - 標津線 - 渚滑線 - 白糠線 - 深名線 - 瀬棚線 - 富内線 - 美幸線 - 湧網線
東北 会津線(一部)(*1) - 阿仁合線 - 大畑線 - 大湊線 - 小本線 - 川俣線* - 気仙沼線 - 黒石線 - 長井線 - 日中線 - 八戸線(一部) - 矢島線
関東・甲信越 赤谷線 - 魚沼線 - 烏山線 - 木原線 - 只見線 - 真岡線 - 弥彦線(一部)
北陸・東海 明知線 - 越美南線 - 越美北線 - 参宮線(一部) - 能登線 - 三国線* - 名松線
近畿 鍛冶屋線 - 篠山線* - 信楽線 - 北条線 - 三木線
中国・四国 宇品線* - 内子線 - 宇和島線 - 鍛冶屋原線* - 可部線(一部) - 岩日線 - 倉吉線 - 小松島線 - 三江北線 - 三江南線 - 大社線 - 中村線 - 鳴門線 - 牟岐線(一部) - 若桜線
九州 指宿枕崎線(一部) - 臼ノ浦線* - 香椎線(一部) - 香月線 - 勝田線 - 唐津線*(岸嶽支線) - 幸袋線* - 佐賀線 - 世知原線* - 添田線 - 高森線 - 妻線 - 日南線 - 日ノ影線 - 古江線 - 細島線*(*2) - 宮之城線 - 宮原線 - 室木線 - 矢部線 - 山野線 - 湯前線
路線名称は指定当時。この取り組みにより廃止された路線には、「*」を付した。
(*1)現在の只見線の一部を含む。
(*2)旅客営業のみ廃止し、路線自体は日豊本線の貨物支線として存続したのち1989年廃止。