連続テレビ小説
連続テレビ小説(れんぞくテレビしょうせつ)とは、1961年4月からNHKにて朝放送しているドラマである。通称朝ドラ。名称は、ラジオで小説を朗読していたときの「連続ラジオ小説」をテレビで放送することになったことから。
概要[編集]
家族で楽しむことをテーマとして掲げた。初期から1970年代前半までは1年間放送だったが1970年代後半になると半年ごとの放送が基本となる。但し、1980年代以降でも「おしん」、「君の名は」、「春よ来い」の3作品は1年間放送された。
原則、4 - 9月の上期は東京放送センター(AK)製作、10 - 3月の下期は大阪放送局(BK)製作だが、1992年度から1994年度は逆ローテーションになっていた。また新型コロナの影響で、2020年上期の「エール」の終了が約2ヶ月ずれたため、以降の放送時期もずれ、「おちょやん」は2021年5月半ばに終了し、「おかえりモネ」も2021年10月末に終了。「ちむどんどん」を2022年4月第3週スタートにして、ずれやイレギュラー日程を回復させると思われる。
主人公[編集]
女優がヒロインとして半年または1年演じるのが殆どである。
選出方法[編集]
1970年代後半から1980年代前半はオーディションによるヒロイン選出が殆どで、再放送が競合[1]していたポーラテレビ小説と共に「新人女優の二大登竜門」と言われた。
しかし、2010年代になるとオーディションを経ないキャスティングによる主人公選出が増え、特に2018年度下期の「まんぷく」から2021年上期の「おかえりモネ」までと2022年上期の「ちむどんどん」、2023年上期予定の「らんまん」は、キャスティングによる主人公選出で、脇役として連続テレビ小説に1〜2回の出演経験のある俳優が主人公に多くキャスティングされている。
他方、2021年度下期放送予定の「カムカムエヴリバディ」は連続テレビ小説初の三世代ヒロインとなり、オーディションによるヒロイン選考も実施された。
選出傾向[編集]
かつてヒロインは独身女優の選出が多かったが、「マッサン」で既婚のシャーロット・ケイト・フォックスが選出され、以降も、安藤サクラや川栄李奈のように子持ち女優も選出されるようになっている。
ヒロインの出身地と主舞台の相関は殆ど無く、近年の大阪製作で関東出身者の選出が多く、関西言葉の習得から始めている。一方、東京製作分でも松下奈緒、能年玲奈、高畑充希、有村架純、清原果耶のように関西出身者がヒロイン選出された作品がある。
なお主舞台とヒロイン出身地が相関する作品の例に、北海道出身の古村比呂がヒロインだったチョッちゃんや沖縄県出身者がヒロインとなった沖縄県舞台の2作品がある。
キャスト[編集]
ヒロイン以外のキャストの選出はキャスティングとオーディションが併用され、子役はオーディションで選ばれることが多い。
キャストは実力俳優の他、多分野から放送期間前の「旬の人」が選ばれる傾向がある。加えて、舞台地を盛り上げる「地元枠」とよばれる舞台地ゆかりの俳優が出演するが、時々ウィンブルドン現象が生じている。
アバンタイトル[編集]
2000年代後半までの作品においては初回と最終回のみアバンタイトルが導入されていたが、2010年度以降の作品ではほぼ毎日導入されるようになった。
視聴率[編集]
かつての視聴率は30%を超える作品もあった。しかし1990年代後半になると20%を割り、2000年代前半には15%を記録する作品が増えた。それからしばらくの間、低視聴率が続き、低迷期に入る。転機となったのは、スタートをそれまでの8時15分から8時丁度に繰り上げた2010年度の時間移動[2]。生活スタイルが変化していることも視野に入れていた。また同時期に放送開始したあさイチで朝ドラ受けのオープニングコメントを行ったことにより徐々に回復。2013年度前期の作品では20%まで回復した。以降朝の定番のドラマとして復活することになった。
影響[編集]
2000年代は他の民放のワイドショーの開始時間繰り上げの影響で低迷期に入っていた。2009年、NHKでは連続テレビ小説の時間移動を考えていた。しかし会議の中では『ニュースの時間を減らすのはいががなものか』、「記者会見は8時丁度に行われることが多い」などの意見もあった。様々な理論を交わした結果、「朝ドラを動かせば良い」という意見にとどまった。あさイチでは開始当初、民放からはそんなに警戒はしなかったという。ある人からは当時「NHKが民放に近づけたところで絶対に成功しない」と述べていたらしい。しかし視聴率はうなぎのぼりとなり2011年度前期においては1位を獲得するなど他の民放も焦り出すようになった。
現在、テレビ東京の8:15開始の「韓流プレミア」のように、連続テレビ小説を意識したのが見え見えの番組編成もある。
記録[編集]
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- 裏方(歌唱、演奏)と表方(役者)の両方に異なった作品で出場
- 松下奈緒 - 2007年度下期の「ちりとてちん」の伴奏。俳優としては2010年度上期の「ゲゲゲの女房」(ヒロイン)と2018年度下期「まんぷく」に出演。
- 星野源 - 2018年度上期「半分、青い」の主題歌を歌唱。俳優としては2010年度上期の「ゲゲゲの女房」に出演。
- 稲垣吾郎 - 2012年度上期「梅ちゃん先生」の主題歌をSMAPのメンバーとして歌唱。俳優としては1989年度上期の「青春家族」と2019年度下期の「スカーレット」に出演。
- トータス松本 - 1998年度下期の「やんちゃくれ」の主題歌をウルフルズのボーカルとして歌唱。俳優としては2020年度下期の「おちょやん」に出演。
- 長期インターバルでの出演
記録の判明している範囲で記載
- 中村鴈治郎 (4代目) - 初出演は前々名の中村智太郎時代の1978年度上期の「おていちゃん」。それから約43年後の2020年度下期の「おちょやん」で2度目の出演。
- 浜村淳 - 1975年下期の「おはようさん」で初出演。それから46年後の「カムカムエヴリバディ」で出演(声のみだったが、最終週で本人出演)。
- 原田美枝子 - 1975年上期の「水色の時」で初出演。それから47年後の「ちむどんどん」で2度目の出演。
- ヒロインの相手役に二度選出の男優
- 違う家族関係で二度共演
- 同じ姻戚関係で二度共演
- 高良健吾と永山絢斗 - 共に義兄弟役として、2011年上期「おひさま」と2016年下期「べっぴんさん」で出演。「おひさま」では永山がヒロインの実兄で義兄役、「べっぴんさん」では高良がヒロイン姉妹の相婿で義兄役。
その他[編集]
スピンオフ的な番組としてBSプレミアムで、ヒロイン誕生!朝ドラな女たちを2度放送。2022年10月からは、「ヒロイン誕生!ドラマチックなオンナたち」の番組名で総合テレビで放送されている。
脚注[編集]
外部リンク[編集]
- 連続テレビ小説一覧 - NHK
- 2015年春の特集 こんな番組探しています! - NHKアーカイブス 番組発掘プロジェクト
- テレビを見ない時間帯を変えた“朝ドラ” - マンガで読むNHKヒストリー
- ビデオリサーチ・朝ドラ視聴率一覧
- 朝ドラ舞台地ネットワーク連絡会議 - 2012年に発足。
- 番組エピソード モデル出身の朝ドラヒロインたち - NHKアーカイブス
- 番組エピソード 東北が舞台の連続テレビ小説 - NHKアーカイブス
- 番組エピソード 連続テレビ小説 全リスト - NHKアーカイブス
- 番組エピソード 連続テレビ小説 制作者座談会 - NHKアーカイブス
- 番組エピソード 朝ドラ ヒロインのモデル - NHKアーカイブス
- 番組エピソード “朝ドラ”のおばあちゃん(前編) - NHKアーカイブス
- 番組エピソード “朝ドラ”のおばあちゃん(後編) - NHKアーカイブス
- 番組エピソード 朝ドラ”ヒロインから“大河”女優へ - NHKアーカイブス
- 番組エピソード “食”が舞台の「朝ドラ」 - NHKアーカイブス
- 番組エピソード 「朝ドラ」に登場したキャラクターたち - NHKアーカイブス
- 番組エピソード 東京を主な舞台にした 連続テレビ小説 - NHKアーカイブス
- 番組エピソード 四国が舞台の歴代「朝ドラ」 - NHKアーカイブス
- 番組エピソード “朝ドラ”のヒロイン夫婦 - NHKアーカイブス
- 番組エピソード 歴代の「朝ドラ」主題歌 - NHKアーカイブス