新幹線N700系電車
2008年ブルーリボン賞受賞車両 |
N700系は、東海道・山陽・九州新幹線を走っている新幹線の車両。
また、本稿ではN700系の改良版であるN700A、N700系を置き換える目的で製造されたN700S、西九州新幹線用に導入されているN700Sに関しても記述する。
概要[編集]
N700系は2007年に運用開始。500系・700系「のぞみ」を置き換える目的で製造された。
番台・編成記号[編集]
N700系 | 東海道・山陽新幹線用 | JR東海所属 | 16両 | 0番台 | X編成 |
JR西日本所属 | 16両 | 3000番台[注釈 1] | K編成 | ||
N700A | JR東海所属 | 16両 | 1000番台 | G編成 | |
JR西日本所属 | 16両 | 4000番台[注釈 2] | F編成 | ||
N700A(改造車) | JR東海所属 | 16両 | 2000番台 | X編成 | |
JR西日本所属 | 16両 | 5000番台[注釈 3] | K編成 | ||
N700系 | 山陽・九州新幹線用 | JR西日本所属 | 8両 | 7000番台 | S編成 |
JR九州所属 | 8両 | 8000番台 | R編成 |
歴史[編集]
- 2005年 - N700系試作車Z0編成(→X0編成)が登場。
- 2007年 - N700系運用開始
- 2011年 - 山陽・九州新幹線用の7000・8000番台が運用開始。
- 2012年 - 定期のぞみを全N700系化
- 2013年 - N700Aが登場。
- 2016年 - N700系原型車のスモールAへの改造完了。
- 2019年 - N700S試作車が登場。X0編成廃車。
- 2020年 - 700系の置き換え完了。
- 2020年 - N700S量産車が登場。N700スモールA量産車の廃車開始。
- 2022年 - N700Sの8000番台が西九州新幹線で運用開始。
東海道・山陽新幹線用[編集]
N700系と700系の相違点[編集]
- 300km/h運転が復活[注釈 4]
- 500系は長いノーズを採用したため客室が狭くなったり1号車・16号車の運転台寄りのドアがなくなったりしたが、N700系では「遺伝的アルゴリズム」という解析手法を用いるなどして車体の形状を研究。その結果、ノーズの短いエアロ・ダブルウィングを採用するなどして、客室を狭くすることなく騒音や振動を抑えることができ、最高速度を再び300km/hに引き上げることが可能となった。[1]
- 「自動車体傾斜装置」の導入
- 車両形式は700系が710・720番台だったのに対し、N700系は770・780番台に区分される。
- 700系は12M4Tだったが、300km/h性能の確保のため14M2Tとされる。
N700AとN700系の相違点[編集]
- ブレーキ装置の改良
- 地震など非常時に、従来より10~20%短い距離で停めることが出来る。
- 安定走行装置の導入
- システムにより、惰性走行でも徐々にスピードが落ちない。勾配等でも常に同じ速度を保てるように。
ダイヤが乱れたときも、遅れをすみやかに回復することが可能。
- 環境配慮の進化
- 座席のクッション材質を、100%リサイクル可能なポリエステルに変更。
- これに伴い生地の模様もN700系と微妙に異なるものに。
- トイレや洗面所にLEDを採用。
- 車内照明の消費電力をN700系よりさらに20パーセント減。[2]
N700SとN700Aの相違点[編集]
- ライトが20%拡大。
- 先頭部にラインが1つ増加。
- ロゴが変わった[注釈 5]
- シートの色が少し明るめに。[注釈 6]
- 車内のライトが間接照明に(500系以来)
- 停車駅に近づくと荷棚周りの照度が上がり、乗客に荷棚にある荷物への注意を促すように。
- 全席ひじ掛けにコンセントが追加
- 代わりにか、ひじ掛けの可動域が小さくなり、リクライニングめいっぱいの高さまで上げ切ることができなくなった。
- 壁面が飛行機っぽくなる
- 空調吹き出し口が壁と一体化
- 普通車座席を倒した時、N700Sでは座面がわずかに沈むように。
- 車内のテロップ画面が変更。N700Aは「LED」だったのが、N700Sでは「液晶」に進化。解像度が上がり画面サイズも50%アップ。
- スピーカの位置が変更
- トイレも進化
- N700Sの車両形式は730・740番台に区分。
- などなど…。皆さんも実際にのって体験してみてください![3]
山陽・九州新幹線用[編集]
登場の経歴[編集]
2011年3月12日の九州新幹線全線開業、及び同時に開始した山陽新幹線乗り入れのため登場。7000番台をJR西日本が、8000番台をJR九州が保有している。形式は780番台が基本だが、6号車のみ766形で、760番台に区分された。
構造[編集]
基本構造は16両編成のN700系に準ずるが、輸送力を勘案した上で8両編成とした以上、機器類については大幅な設計変更が行われ、さらに勾配の関係から全電動車構成とされた。基本的には東海道・山陽新幹線のN700系と九州新幹線の800系を融合させたような構造らしい。[要出典]
外観[編集]
ボディーカラーは白藍色を使用し、紺藍色と金色の側面ラインが1本入っている。また、一部の車両にはロゴマークが貼り付けられている。ただしJR西日本所属編成とJR九州所属編成で多少の違いがある。
運用[編集]
山陽・九州新幹線を直通するみずほ、さくらや九州新幹線完結のつばめだけではなく、山陽新幹線完結のひかり、こだまでも運用される。
西九州新幹線用[編集]
登場の経緯[編集]
2022年9月23日の西九州新幹線先行開業に備えて、N700Sベースの6両固定編成が落成した。当日より運用を開始。5本在籍。うち1編成は2023年8月に予備車確保のため増備されたものである。
番台は8000番台に区分される。形式はすべて720番台とされた[注釈 7]。
構造[編集]
基本構造は16両編成のN700Sに準ずるが、4両ユニットから3両ユニットを基本とする設計に変更され、こちらも全電動車構成とされた。しかし、九州新幹線向け8両より設計変更を小規模で済ませることができた。
検測車としての役割[編集]
西九州新幹線は他の新幹線と線路が繋がっておらず、ドクターイエローの乗り入れができないため、九州新幹線の800系のようにY1編成とY3編成に軌道検測機器を、Y2編成に架線検測機器をそれぞれ搭載し、検測を実施している。
近い世代の車両[編集]
- JR東日本E5系電車 - JR東日本車
- JR西日本287系電車 - 在来線特急用
- JR西日本225系電車 - 近郊用
- JR西日本321系電車 - 通勤用
外部リンク[編集]
脚出[編集]
出典[編集]
脚注[編集]
新幹線の車両 |
JR東海の鉄道車両 |
JR西日本の鉄道車両 |