JR東日本E493系電車
E493系電車(E493けいでんしゃ)とは、東日本旅客鉄道が設計・開発した交直流事業用電車である。
登場の経緯[編集]
JR東日本は多数の機関車を保有しているが、それらのほとんどがEF65・EF64・EF81・DE10などの国鉄から継承された車両である。過去には自社発注のEF510-500番台も存在したが、2016年までに全車両がJR貨物に売り飛ばされたため、JR東日本では廃形式となっている。これらの機関車は比較的整備が行き届いており見た目こそは新製時さながらの輝きを保っているが、製造から40年近く経過し老朽化が進んでいるのが実態である。さらに機関車は加速力が低い、乗務員の養成に時間がかかる、メンテナンスが複雑といったデメリットもあった。
しかし、機関車には配給列車や工事列車の牽引といった大切な役割があり、頭ごなしに機関車を廃車するわけにもいかなかった。そこで、配給列車などを牽引可能なハイパワーの事業用電車を開発する運びとなり、その結果登場したのがE493系である。
概説[編集]
クモヤE493形とクモヤE492形から構成される2M0Tの交直流電車で、定格出力は1550kWを誇る。これは機関車に比べると低下はしているが長編成の貨物列車を牽引するわけではないためさほど影響はないと思われる。車内は機械類が大量に詰め込まれているが、6人掛けの乗務員用ボックスシートも設置されてある。
現在、2021年2月に登場した01編成と、2023年3月に落成した02編成の2本が尾久車両センターで留置されている。02編成では側面の帯が省略されているほか、一部窓配置が異なっている。前面は事業用車両特有の黄色で、JR東日本のコーポレートカラーである緑の帯を纏っている。巷では「謎の201系もどき」と囁かれているが、関係者によると特にモチーフにした車両はないらしい。恐らく、事業用車両のため質素なデザインにしようとしたため国鉄風な出立になったのだと思われる。肝心の性能は、11両編成の電車を牽引可能とのことである。
2024年から運用を開始したが、当分の間は機関車も併用していくようである。
運用[編集]
- 2021年
- 2022年9月:長野地区で試運転を実施。
- 2023年
- 2024年
- 3月:尾久 - 宇都宮間で試運転を実施する。
- 4月11日:木更津統括センター構内にて02編成とキハE130形が連結訓練を行う。
- 5月17日:キハE130-110の郡山入場配給より02編成が運用を開始。
- 10月17日:ぐんま車両センターのキハ110形の郡山入場配給にE493系(02編成)が初充当。
- 10月29日:スハフ12-162とオハ12-366の秋田入場配給より01編成が運用をスタートする。
- 11月:02編成が秋田総合車両センター構内で当センターへ入場中だったE231系800番台と連結しブレーキ試験などを行う[1]。なお、訓練中になんらかのトラブルが発生したため、11月18日の当該編成の出場配給はEF81 134号機が牽引した[2]。
- 12月11日:豊田車両センター構内で209系トタ81編成と連結訓練を実施。
- 2025年
- 1月27日:209系1000番台の長野行き廃車回送より電車牽引の配給運用を開始。02編成が充当された。
注[編集]
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