しらさぎ (列車)

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しらさぎ
SHIRASAGI
概要
種別特急
運行開始1964年
運行事業者JR西日本
JR東海
路線
走行路線東海道本線
琵琶湖線
北陸本線
起点名古屋駅
米原駅
終点敦賀駅
その他
使用車両681系
683系
両数6両
9両

しらさぎとは、日本国有鉄道(国鉄)および西日本旅客鉄道(JR西日本)・東海旅客鉄道(JR東海)が運行している特別急行列車である。なお、本項目では湖西線開業以降も米原駅に発着した昼行優等列車である加越(かえつ)、(スーパー)きらめきや急行「くずりゅう」などについても記述する。

概要[編集]

昭和39年10月1日日本国有鉄道ダイヤ改正に、中京地区と北陸方面を結ぶ特急列車として登場した。
ちなみに、名前の由来である「しらさぎ」は鳥綱コウノトリ目サギ科の種類うち全身白色のダイサギチュウサギコサギの総称であり、「しらさぎ」という種類自体は存在しない。

2024年3月の北陸新幹線敦賀延伸により、後述の65、52号を除き敦賀駅まで短縮された[注 1]。敦賀で「つるぎ」号と接続を取る形となった。

一方、改正前に、武生以北で23時半から6時半の間に運行され、関西方面との乗り換え利用も少なくない米原発着の「しらさぎ65号」、「しらさぎ52号」は廃止され、代替として敦賀以南で臨時快速列車を設定した。

歴史[編集]

新設時は481系が運用についていたが、同形式の落成が遅れたため12月まで運休扱いであった。
その後はダイヤ改正のたびに急行列車の格上げで増発を重ね、1975年3月にエル特急に指定された。また、2003年に後述の「加越」も吸収し、新幹線接続の米原駅発着の列車が誕生した。
かつては富山駅和倉温泉駅発着の列車もあったが、2015年北陸新幹線金沢開業で金沢駅発着に短縮され、富山とは「つるぎ」が接続するようになった。

2024年春に北陸新幹線が敦賀まで延伸開業して、同時に北陸本線がJRから経営分離するのに伴い、敦賀止まりになるという報道が、読売・中日の両新聞によってなされた。
また、、2023年8月末に公開されたJRの資料では「新幹線が敦賀駅で特急しらさぎと接続」する旨が書かれており、少なくとも、米原発着を含め、全廃は免れた。
以上の記載通り、2024年の北陸新幹線敦賀延伸で敦賀駅発着に短縮され、敦賀で「つるぎ」が接続するようになった。

使用車両[編集]

  • 485系 - 1964年の登場から長らく使用された。1985年からはボンネット型も運用に入るようになったが、2003年10月までに撤退した。なお、スーパー雷鳥用編成が運用に入っていた時期もある。
  • 583系 - 1972年改正で寝台特急金星号間合い運用として登場した。ボックスシートだったためリクライニングシートの485系に比べ見劣りしていた。ゴーサントオにて撤退。
  • 681系683系 - 老朽化した485系を置き換えるために2003年3月から運用を開始し、同年10月までに完全に置き換えた。当時は主に683系が充当されていたが、2015年3月以降は681系がメインとなった。

運行形態[編集]

2024年3月改正[編集]

米原―敦賀間
「しらさぎ」6往復(うち臨時1往復) 。
名古屋―敦賀間
「しらさぎ」8往復
長浜停車の列車も設定されている。
特急しらさぎの停車駅一覧(2024年)
改正日
\駅名
名古屋駅 尾張一宮駅 岐阜駅 大垣駅 米原駅 長浜駅 敦賀駅 備考
名古屋発着便           6   一日8往復運行
米原発着便           4   一日6往復運行
 :全列車停車
2:一部停車、一部通過。中の数字は停車本数(上下合計)。色の濃さは、停車列車の比率に合わせている。

2022年3月改正[編集]

米原―金沢間
「しらさぎ」7往復(うち臨時1往復) 。
1978年時点と比べ、武生、鯖江は全列車停車となった他、大聖寺、松任停車の列車も設定されている。
名古屋―金沢間
「しらさぎ」8往復
1978年時点と比べ、武生、鯖江は全列車停車となった他、長浜、松任停車の列車も設定されている。
特急しらさぎの停車駅一覧(2022年)
改正日
\駅名
名古屋駅 尾張一宮駅 岐阜駅 大垣駅 米原駅 長浜駅 敦賀駅 武生駅 鯖江駅 福井駅 芦原温泉駅 大聖寺駅 加賀温泉駅 小松駅 松任駅 金沢駅 備考
名古屋発着便           6               3   一日8往復運行
米原発着便           4           2     5   一日7往復運行
 :全列車停車
2:一部停車、一部通過。中の数字は停車本数(上下合計)。色の濃さは、停車列車の比率に合わせている。
:通過

1988年3月改正[編集]

米原―金沢・富山
「加越」8往復(うち富山発着1往復)
「きらめき」1往復
「きたぐに」1往復大阪始発
名古屋―金沢・富山
「しらさぎ」6往復(全て富山発着)

1986年11月改正[編集]

米原―金沢・富山
「加越」8往復(うち富山発着1往復)
「きたぐに」0.5往復新潟発のみ
名古屋―金沢・富山[注 2]
「しらさぎ」6往復(全て富山発着)

1982年11月改正[編集]

米原―金沢・富山
「加越」7往復(うち臨時1往復、富山発着2往復)
「くずりゅう」1往復
「きたぐに」1往復大阪始発
名古屋―金沢・富山[注 3]
「しらさぎ」7往復(うち臨時1往復、富山発着5往復)

1978年10月改正[編集]

米原―金沢、富山
「加越」6往復。うち4往復が富山まで直通。
全列車停車駅:米原、敦賀、福井、芦原温泉、加賀温泉、小松、金沢、高岡、富山
一部のみ停車駅:長浜、武生、鯖江、石動
名古屋―金沢間[注 3]
「しらさぎ」7往復。うち5往復が富山まで直通。
全列車停車駅:名古屋、尾張一宮、岐阜、大垣、米原、敦賀、福井、芦原温泉、加賀温泉、小松、金沢、高岡、富山
大部分停車駅:武生
一部のみ停車駅:鯖江

類似する列車[編集]

加越・(スーパー)きらめき[編集]

湖西線経由変更で米原駅非経由となる「雷鳥」を補充する目的で、1975年3月に6往復が485系によって登場。米原駅と金沢・富山駅を結んだ。愛称の由来は加賀国(石川県)と越前国(福井県)の総称である「加越」である。
当初から、「しらさぎ」より富山への乗り入れは少なく、上越新幹線開業の1982年11月改正では「北越」への転移を見込んで、米原発夕夜、米原着朝のみに絞られている。
1988年春のJRグループダイヤ改正には、福井のみ停車の速達版で内装をリニューアルした「(スーパー)きらめき」が新設された[注 4]。しかし、座席確保の容易な上越新幹線に接続の同役列車の「(スーパー)かがやき」と比べると集客不振で、そのため停車駅が年々増えていきスーパー特急らしさが薄れてきてしまったため、1997年のほくほく線開業と同時に「加越」へ編入された[注 5]。ちなみに、1997年北越急行ほくほく線開業までは、東海道新幹線と加越号およびしらさぎ号の乗り継ぎが首都圏から金沢・高岡方面への最速ルートであった[注 6]
2003年(平成15年)7月からは683系の投入が開始されたが、同10月に「しらさぎ」へ統合され「加越」は廃止となった。よって、683系の「加越」はわずか3ヶ月しか見ることができなかったのである。

急行 くずりゅう、ゆのくに[編集]

「くずりゅう」は東海道新幹線連絡のために米原駅〜金沢駅を結んだ急行列車である。当初は準急として登場した。「ゆのくに」は、大阪駅発着で当初は客車準急として登場。ヨン・サン・トオでは電車急行「加賀」や七尾線直通の「奥能登」を統合した。湖西線開通後も米原経由を継続して「くずりゅう」と共に東海道新幹線連絡の使命を持ち、大津、草津や彦根にも停車して、滋賀県湖東地域から長浜、北陸方面連絡の役割を持った。「くずりゅう」は471系6両編成使用で、1両のみ指定席で後は自由席の編成だった。「ゆのくに」は昼行「立山」と共通の編成だったほか「越後」と併結した国鉄キハ58系気動車による七尾線直通列車もあったが昭和53年10月2日日本国有鉄道ダイヤ改正で廃止された。
昭和57年11月15日日本国有鉄道ダイヤ改正で「くずりゅう」3往復と「ゆのくに」が廃止[注 7]、1往復が「加越」に格上げ、福井発着の「くずりゅう」1往復が快速列車に格下げされた。残った「くずりゅう」1往復も昭和60年3月14日日本国有鉄道ダイヤ改正によって廃止された。

急行 越後[編集]

大阪 - 新潟間を米原経由で運行し、夜行「きたぐに」と共に北陸本線を全線走破した昼行気動車急行。元はこちらが「きたぐに」を名乗っていた。
七尾線に乗り入れる「ゆのくに」を併結していた。昭和53年10月2日日本国有鉄道ダイヤ改正で廃止され、改正後は「雷鳥」、「しらさぎ」1往復が増発された。

急行 兼六、しろがね、こがね、大社[編集]

「兼六」は「しらさぎ」の補完として名古屋駅〜金沢駅を結んだ急行列車で、昭和50年3月10日日本国有鉄道ダイヤ改正まで運行された。
「しろがね」、「こがね」は東海北陸を循環する名古屋発着の気動車急行で「しろがね」が下呂先回り、「こがね」が米原先回りだった。「しろがね」は金沢城の白門や両白山地、「こがね」は名古屋城の金鯱が由来と思われる。1972年に廃止。
「大社」は名古屋と出雲市駅を結ぶ気動車急行だったが、名古屋と長浜、敦賀を直通する列車でもあった。「ゆのくに」と同じく昭和57年11月15日日本国有鉄道ダイヤ改正で廃止。

今後[編集]

Achtung.png以下の内容は投稿者の予想や憶測を含みます。
確定事項ではありません。参考程度にご覧下さい。

全廃を免れ、米原発着便は短距離特急として運行しているが、滋賀県北海道道南はこだてライナーのような米原 - 敦賀間のリレー快速(シャトル快速)設定を敦賀開業前に要望[1]しており、現在も方針は不変と思われる。
なお、現在使用されている681系も置き換え時期に差し掛かりつつあるため余剰廃車が発生する可能性や、683系を直流に固定して各地の特急置き換えに転用する可能性もある[注 8]。また、上記のリレー快速であればAシート連結の223系225系、特急延伸なら271系といった直流専用車でも特段支障がないこともあり、車両面ではなお注目すべき点が多い。
そうした点から、下手すると将来的には「はるか」「くろしお」「びわこエクスプレス」などの敦賀延伸によって完全廃止され、JR東海区間は東海道新幹線あるいは新快速ホームライナーへ誘導[注 9]という憶測はなお消えていない。

憶測はここまで



脚注[編集]

  1. これにより米原発着列車は45.9kmの超短距離特急となった。
  2. 名古屋 - 富山間は、当時高山経由の急行「のりくら」2往復、名鉄新名古屋直通の特急「北アルプス」1往復も運行。
  3. a b 名古屋 - 富山・金沢間は、当時高山経由の特急「ひだ」1往復、急行「のりくら」2往復(うち夜行1往復)も運行。
  4. 因みに、この列車はヘッドマークには「スーパーきらめき」と書かれていたが、時刻表などでは「きらめき」と表記されることが多かった。よってこのページでは「(スーパー)きらめき」と表記する。
  5. その後、2000年JR九州で復活した。これについてはきらめき (列車)を参照。
  6. 富山は「(スーパー)かがやき」設定時点で、上越新幹線乗り継ぎが最速となった。
  7. この時廃止の「くずりゅう」のうち1往復はかつての東京駅発着急行「能登」の系譜を引く米原朝7時台発/夜22時台着で、米原朝発の優等列車は繰り下げ、米原夜着の優等列車は繰り上げとなった。
    また、「ゆのくに」廃止で大阪と長浜を直通する昼行列車は、1991年9月のデッドセクション移設まで9年ほど中絶することになる。
  8. できることなら683系の余剰車もしくは廃車確実視の681系を北陸3県沿線の第三セクター各社が共同購入して独自で特急設定とかやっても良いのではなかろうか←そんなことしたら間違いなくJRに怒られる。
  9. 最悪、米原 - 敦賀間がほぼ無停車であることを考えると、京都駅で「サンダーバード」に誘導することも可能。
出典

関連項目[編集]


日本海縦貫線の主なJR旅客列車
青森 - 秋田 - (盛岡) つがる / かもしか / たざわ / リゾートしらかみ / 深浦
秋田・山形 - 新潟 いなほ / べにばな / 海里 / きらきらうえつ
青森・新潟 - 東京 出羽鳥海あけぼの / とき / ムーンライトえちご / マリンブルーくじらなみ号
石川・富山 - 東京 白山 / 北陸 / 能登
新潟県内 しらゆき / 信越 / 越乃Shu*Kura・ゆざわShu*Kura・柳都Shu*Kura / SL村上ひな街道号 / えちごトキめきリゾート雪月花 / くびき野 / 信越
新潟 - 富山・石川 かがやき / はくたか / 北越
富山 - 石川 - 福井 あいの風ライナー / おはようエクスプレス・おやすみエクスプレス / ダイナスター / IRおでかけ号・百万石まつり号 / 一万三千尺物語 / ホリデーライナーかなざわ
石川・富山 - 東海道 しらさぎ / 加越 / きらめき
新潟・石川 - 大阪 サンダーバード / 雷鳥 / きたぐに / つるぎ / ゆぅトピア和倉
北海道・青森 - 大阪 トワイライトエクスプレス / 日本海 / 白鳥 / 全農号
そのほかの列車 TRAIN SUITE 四季島団 / カシオペア紀行団 / SL北びわこ号
関連項目 シュプール号 / ひだ / 能登かがり火
印は現在も日本海縦貫線内で運行されている定期列車印は現在も日本海縦貫線内で運行されている臨時列車印は現在も日本海縦貫線内で運行されている団体専用列車印は現在は新幹線列車愛称として使用されている列車