くろしお (列車)

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くろしお
Kuroshio
概要
種別特急
運行開始1965年
運行事業者日本国有鉄道 → 西日本旅客鉄道
路線
走行路線JR京都線
梅田貨物線
大阪環状線
阪和線
きのくに線
起点京都駅
新大阪駅
天王寺駅
終点和歌山駅
紀伊田辺駅
白浜駅
新宮駅
名古屋駅
その他
両数6両又は9両
備考京都 - 天王寺間は1989年に延長
新宮 - 名古屋間は1978年に「南紀」として分離。

くろしおとは、京都駅新大阪駅 - 和歌山駅海南駅白浜駅新宮駅間を結ぶ、JR西日本特急列車である。

概要[編集]

京阪神地区と南紀を結ぶ列車で、観光特急としての側面に加え、大阪と和歌山の都市間輸送や、南北に長い和歌山県の県内輸送の役割も担っている。

2012年(平成24年)3月17日より、3つに分かれていた列車名をすべて「くろしお」に統一した。一方、「ひたち」・「ときわ」、「あずさ」・「かいじ」のような長短別の愛称に分かれていない。

歴史[編集]

草創期[編集]

1965年昭和40年)3月1日天王寺駅 - 名古屋駅間を、阪和線紀勢本線関西本線経由で特急「くろしお」が運行を開始。
同時に間合い運用で名古屋駅 - 東和歌山駅間を関西本線・阪和貨物線・阪和線(伊賀上野奈良堺市)経由で運行した特急「あすか」が設定されたが、わずか2年で廃止。その後は新宮以西の増発が行われた。1972年以降は「ブルドッグ」とあだ名されたキハ81が名古屋発着列車に使用された。

新宮以西電化後[編集]

1978年(昭和53年)10月2日に紀勢本線の和歌山駅 - 新宮駅間(いわゆるきのくに線区間)が電化され、「くろしお」は天王寺駅 - 白浜駅・新宮駅間の電車特急に名付けられてエル特急となった。東側の名古屋駅 - 新宮駅・紀伊勝浦駅間では「くろしお」の新宮駅以東で系統分離の1往復と急行格上げ分で「南紀」と名付らけた気動車特急が設定された[注 1]

一方、和歌山市駅構内の僅かな非電化区間の都合で、紀勢西線時代からの南海難波駅乗入れ列車を含む急行「きのくに」が気動車でしぶとく残り、和歌山・桜井線経由の急行「しらはま」も京都発着1往復、新宮発名古屋行1本が残存したが、「しらはま」は1980年10月改正で廃止され、紀伊勝浦以西から名古屋への直通列車が消滅し、京都発着系統は、和歌山折り返しで和歌山・桜井線経由運行の急行「紀ノ川」になったが、1984年10月の和歌山線電化で廃止された。
1982年5月改正では、熊野市以東から唯一串本経由で直通していた鳥羽発天王寺行の「きのくに」が廃止された[注 2]
1985年3月改正では、残存の「きのくに」を電車化・格上げで統合した一方、南海難波発着系統や下り1本だけ残っていた熊野市発は格上げされずに廃止された。

国鉄分民化後[編集]

1989年(昭和64年/平成元年)7月22日に、「スーパーくろしお」の運行を開始した。天王寺駅構内の阪和短絡線が完成し「くろしお」「スーパーくろしお」が梅田貨物線を経由して新大阪駅・京都駅まで運転されるようになった。「オーシャンアロー」に関しては、1996年(平成8年)7月31日より「スーパーくろしお(オーシャンアロー)」として運行を開始。1997年(平成9年)には列車名を「オーシャンアロー」へ変更した。

2012年(平成24年)3月16日いっぱいで、「スーパーくろしお」「オーシャンアロー」の列車名は無くなり、同時に非振子車両である287系の投入も始まって、曲線通過速度が10km/h後退した。

停車駅[編集]

【速達型】
京都駅) - 新大阪駅 - 大阪駅 (うめきたエリア) - (西九条駅) - 天王寺駅 - 日根野駅 - 和歌山駅 - 海南駅 - 御坊駅 - 紀伊田辺駅 - 白浜駅 - 周参見駅 - 串本駅 - 古座駅 - 太地駅 - 紀伊勝浦駅 - 新宮駅

【標準型】
京都駅) - 新大阪駅 - 大阪駅 (うめきたエリア) - (西九条駅) - 天王寺駅 - (和泉府中駅) - 日根野駅 - (和泉砂川駅) - 和歌山駅 - 海南駅 - 箕島駅 - 藤並駅 - 湯浅駅 - 御坊駅 - 南部駅 - 紀伊田辺駅 - 白浜駅 ( - 周参見駅 - 串本駅 - 古座駅 - 太地駅 - 紀伊勝浦駅 - 新宮駅)

  • ( )の駅は一部列車のみ停車。

派生列車[編集]

特急しらはま[編集]

京都~和歌山間で、奈良線、関西本線、阪和貨物線、阪和線を経由し、白浜駅と結んだ臨時特急。

急行しらはま[編集]

こちらは京都と白浜を結んだ定期急行だが、京都~和歌山間で、奈良線、桜井線和歌山線を経由していた。
なお、新宮発名古屋行のみ存在した、和歌山~亀山間で、和歌山線、桜井線、関西本線を経由した列車もあった。

急行紀州[編集]

南紀 (列車)#派生・類似列車」も参照

紀勢西線電化前は、名古屋 - 天王寺間通しが下り2本、上り1本、紀伊田辺発名古屋行が上り1本[注 3]が存在した。

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車両[編集]

過去
  • キハ82形気動車
  • 381系 - 揺れが酷評された一方、撤退後は速度面で後退。
  • 485系 - 「きのくに」格上げ後の増発分を補うため投入したが、速度面で大幅後退した。

その他[編集]

国鉄時代、土讃本線急行列車房総東線快速列車に「黒潮」の愛称が使用された。

[編集]

  1. この時点では夜行普通列車「はやたま」(「南紀」から改称)が紀勢本線経由で天王寺~名古屋間を直通していた。また、紀伊勝浦駅以西で名古屋行のみの急行「しらはま」が五条・桜井経由で残っていた。
  2. 1982年時点では「はやたま」も亀山発着となった。
  3. 紀伊田辺発は電化後分断され、紀伊田辺発新宮行の区間運行の急行「きのくに」が設定された。


運行中
琵琶湖線経由 らくラクびわこ
阪和線経由 くろしお - はるか
尾鷲駅経由 南紀(1978年以降)
関連項目 みえ - 関空快速・紀州路快速
過去
阪和線経由 スーパーくろしお - オーシャンアロー - しらはま - はまゆう - あすか - くまの(1961年まで)
南海本線経由 きのくに / 国鉄・南海直通優等列車沿革
奈良駅経由 しらはま - 紀ノ川
多気駅経由 紀州 - うしお - はまゆう - 志摩 - くまの(1961年以降)
寝台列車 紀伊 - 大和 - 伊勢 - 那智 - はやたま - 南紀(1978年まで)
関連項目 かすが - 平安 - いすず