国鉄EF66形電気機関車

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貨物列車を牽引するEF66形(0番代)

国鉄EF66形電気機関車(こくてつEF66がたでんききかんしゃ)とは、日本国有鉄道が開発・設計した直流電気機関車である。

概要[編集]

貨物輸送シェアを拡大していた名神高速道路東名高速道路を軸とするトラック輸送に対抗するため、貨物列車の高速化を成し遂げようと1968年昭和43年)に本形式が開発された(試作車は1966年に落成)。最長26両・1300トン輸送対応・最高速度110km/hと、ハイパワーの牽引力を実現。15年余り貨物専用で使用された。
1985年(昭和60年)寝台特急はやぶさ」にロビーカーが連結されることになり、従来のEF65pfではパワー不足となるため旅客用に抜擢された。その甲斐もあり以降「富士」「あさかぜ」「さくら」「みずほ」といった東海道ブルトレおよび山陽ブルトレの大半の牽引にも運用されるようになり、所要時間を20分前後短縮した[注 1]

国鉄分割民営化以後は西日本旅客鉄道(JR西日本)と日本貨物鉄道(JR貨物)に承継。特にJR貨物では、コンテナ需要の増大に伴って新たに100番代が急遽製造された。性能などは既存の0番代を踏襲しており、外見以外の変化は少数にとどまっている。

現在[編集]

126号機(2022年4月、吉川美南にて)

JR西日本のEF66形は1994年平成6年)の「みずほ」「あさかぜ」廃止を皮切りに運用数に余剰が生じ、2009年(平成21年)の「富士」「はやぶさ」廃止をきっかけに定期運用を喪失。その後は工事列車などで細々と臨時運用を続けたが、2010年9月20日付で除籍となり、JR西日本車は全車が廃車となった。

残るJR貨物車は、0番代最後の1機として長らく吹田機関区のヒーロー的存在であった27号機(通称:ニーナ)が2022年令和4年)春のダイヤ改正で定期運用を引退。2022年10月に車検期限を迎えたため、2023年現在は機関区構内で細々と入換を行っているのみである。民営化後に新製された100番代(通称:鮫)についても廃車の発生が始まっており、EF210形「ECO-POWER 桃太郎」による置き換えが進行している。JR貨物の2022年(令和4年)7月13日の記者会見にて、既に全般検査を終了したEF64形EF65形DE10形などに加え、国鉄由来の設計であるEF66形100番代の全般検査終了が明言された。このため、向こう6~7年以内には全廃となる可能性が高く、今後の動向はますます注目される。

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  1. なお、出雲瀬戸銀河は所要時間短縮や編成の増強の必要性が無かったためEF65pf牽引に据え置かれた。

関連項目[編集]

電気機関車
D級 ED16* - ED17* - ED18* - ED42* -ED44* - ED45* - ED46 - ED19* - ED53* - ED60 - ED61 - ED62 - ED70 - ED71 - ED72 - ED73 - ED74 - ED75 - ED77 - ED78 - ED76 - ED79 - ED500
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H級 EH10* - EH200 - EH500 - EH800
私鉄・第三セクター用
西武鉄道 E851 - E31
秩父鉄道 デキ100 - デキ200 - デキ300 - デキ500
名古屋鉄道 EL120
「*」がある形式は旧型機関車(1957年9月より前を製造初年度とする機関車と定義)。