水戸城

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水戸城(みとじょう)とは、現在の茨城県水戸市三の丸に存在した日本である。

概要[編集]

水戸駅の北側の東西に延びる上部を平坦に削り落とした小高い丘の一帯に存在した城で、北側には那珂川が流れ、南側には千波湖が開けているなど、天然の要害として堅固な城構えをしていたのがうかがえる。この丘を3段に切って堀として、土塁を築き、東から本丸、2の丸、3の丸を築いていたようである。

築城年代については明らかでは無いが、推定では鎌倉時代初期の建久年間(1190年から1199年)と見られ、築城者は平国香から8代目の孫に当たる大掾資幹常陸国大掾氏)が本丸が後に建設される場所の土地に館を構えて馬場城と名付けたのが起源と見られている。資幹はこれ以前には水戸市内の元吉田町を支配して姓名も馬場資幹と称していた。源頼朝平氏討滅戦で軍功を挙げて水戸の地を頼朝から与えられ、さらに宗家である常陸大掾の職を継ぐように取り計らわれて大掾を称したと言われている。

以後、大掾氏あるいは大掾馬場氏の歴代当主はこの馬場城を居城としたが、室町時代中期に上杉禅秀の乱が起きると大掾満幹上杉禅秀に味方したので、戦後に足利持氏によって所領を没収された。そして、馬場城は水戸市河和田町の河和田城を支配していた江戸通房に与えられ、以後は江戸氏の居城となる。明応5年(1496年)、江戸氏は馬場城の大改築を実施し、この際に城の名も水戸城と改称した。

天正18年(1590年)、豊臣秀吉小田原征伐により江戸氏は後北条氏に味方したことから、天正19年(1591年)に秀吉の命令を受けた佐竹義宣に攻められて水戸城から追放された。そして義宣はそれまでの太田城から居城を水戸城に移して居城とした。文禄4年(1595年)、義宣は秀吉から常陸54万石を安堵する朱印状を与えられ、これを機に2年余の歳月をかけて水戸城の大改修や城下町の整備に着手した。しかし慶長5年(1600年)の関ヶ原の戦いにおいて、義宣は東西どちらにもつかずに曖昧な態度を取ることに終始し、戦後になって徳川家康に不戦を謝して恭順を誓ったものの、慶長7年(1602年)に家康によって出羽国秋田藩に減移封を命じられた。

家康は水戸城を、江戸城を東北の諸大名から守る重要拠点と見なしており、そのため自らの5男である武田信吉に15万石を与えて水戸城主とした(水戸藩の立藩)。しかし信吉は病弱で、慶長8年(1603年)に病死した。継嗣が無かったので、家康はその異母弟で自らの10男である徳川頼将(後の徳川頼宣)に20万石を与えて水戸城主とした。しかし頼将はほどなく駿河国に移封となり、代わってその弟で家康の11男である徳川頼房が25万石で水戸城主となる。そして、この頼房を祖とする家系が、徳川御三家の1つである水戸徳川家となった。水戸徳川家は元和8年(1622年)に28万石に、さらに第3代藩主の徳川綱條の時に35万石に加増されて、明治時代まで水戸城主として君臨した。

現在、本丸跡は茨城県立水戸第一高等学校、2の丸跡は茨城県立水戸第三高等学校水戸市立第二中学校茨城大学附属小学校、3の丸跡は弘道館公園茨城県庁などの構内になっている。本丸と2の丸は本城橋、2の丸と3の丸は大手橋でそれぞれ結ばれ、本城橋下を水郡線が走り、大手橋の下を国道6号線の旧道が潜り抜けている。

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