JR飯田線

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東海旅客鉄道(全線 第1種鉄道事業者)
日本貨物鉄道(JR貨物)
(豊橋駅-豊川駅間、元善光寺駅-辰野駅間 第2種鉄道事業者)
CD 飯田線
上諏訪ステンレス.jpg
基本情報
日本国旗.png日本
所在地愛知県静岡県長野県
種類普通鉄道在来線地方交通線
起点豊橋駅
終点辰野駅
駅数94駅
電報略号イイセ[1]
路線記号CD
開業1897年7月15日[2]
全通1937年8月20日[3]
ルート変更1955年11月11日[4]
所有者東海旅客鉄道(JR東海)
運営者東海旅客鉄道(全線 第1種鉄道事業者)
日本貨物鉄道(JR貨物)
(豊橋駅-豊川駅間、元善光寺駅-辰野駅間 第2種鉄道事業者)
使用車両使用車両の節を参照
路線諸元
路線距離195.7 km
軌間1,067 mm
線路数複線(豊橋駅-豊川駅間)
単線(上記以外)
電化方式直流1,500 V
架空電車線方式
最大勾配40
保安装置ATS-PT
最高速度85 km/h

飯田線(いいだせん)は、東海旅客鉄道(JR東海)の路線。愛知県豊橋市豊橋駅長野県上伊那郡辰野町辰野駅を結ぶ。

概要[編集]

三河川合駅以南は豊川水系に沿っており、池場駅以北は天竜川水系に沿っている。愛知県豊橋市豊橋駅長野県上伊那郡辰野町辰野駅までを結ぶ長距離の地方交通線[5]である。豊橋〜豊川間以外は単線で列車本数が少ない割に駅数は多いので、この路線での全駅下車は難易度が高く、上級者向けである。

沿線状況[編集]

大海以西は豊川鉄道、大海以東は鳳来寺鉄道によって建設された。
平井分岐点~豊橋間の上り線は名鉄との単線並列を借用しているが、ダイヤはJR側が主導権を握っている。
平井分岐点~豊川間は飯田線単独の複線。
豊川以東は単線。三河大野以西の交換可能な特急通過駅は全て駅舎側が直進の片開きの構内だが、信号や保安装置の都合から、1線スルーでの運用はされておらず、特に「伊那路」の下りで速度向上の障害となっている。

三河川合以西は鳳来寺鉄道、三河川合以東は三信鉄道によって建設。
特急非停車の交換可能駅は、三河大野、東栄の両駅は駅舎側直進の片開き構内、浦川駅は両開き分岐器、三河槇原、三河川合の両駅は「入線時直進、出発後曲線を描いて合流」の構内配線である。
湯谷温泉駅は棒線の特急停車駅である。

かつては、三河川合に乗務員、車両の滞泊設備があり、夜間下りに三河川合行、早朝の上り、下りに三河川合始発の列車があったが、1985年に三河川合駅が無人化され、三河川合を終着、始発とする列車は無くなった。

途中の三河川合〜池場間で河川水系が豊川水系から天竜川水系に変化する。

佐久間ダム建設の際に一部路線位置が変更された。

天竜川の支流の下流の両岸は田切と呼ばれる川幅の広い急な崖で路線は山寄りの川幅の狭い場所を選んで迂回している。

天竜峡以北は、大正・昭和初期の電化で、車体傾斜制御による曲線通過速度の向上はもとより、駅構内も国有化後に交換設備を新設した伊那新町駅を除き「入線時直進、出発時曲線でポイント合流」の線形のため、1線スルー化による速度向上もままならず、中央自動車道にお手上げ状態のまま現在に至っている。

列車運行[編集]

特急は飯田以南で昼と夜に1往復ずつ設定される。快速は朝の上り1本のみ。普通列車については最も本数の少ない水窪 - 平岡間において朝夕が1時間に上下1本ずつ、日中は2 - 3時間に上下1本ずつ設定され、上り1本に出馬、池場、柿平を通過する列車がある。快速、普通の一部はワンマン運転を行う。
天竜峡以南について、上り方面はすべての列車が豊橋まで乗り入れるが、下りは一部が中部天竜折り返しになる以外は水窪、平岡方面に直通する。大半の列車は天竜峡・飯田発着で、岡谷や上諏訪まで乗り入れる列車は1日上下2 - 3本程度である。

交通系ICカード[編集]

交通系ICカードは豊川駅以南でしか使えない。そのため、行楽客の多い東新町駅や本長篠駅などで紙の切符を持たずに下車する客の精算で列車が遅延することがあったにも関わらず、利用駅拡大は御殿場線に遅れをとっていた。しかし、2025年春にようやく三河一宮〜本長篠間でTOICA対応となる予定である。

沿革[編集]

詳細は「飯田線の歴史」を参照

駅一覧[編集]

四私鉄が買収されて成立した背景から、駅数が多く駅間隔が短いのが特徴。ただし、水窪川沿いの区間は国鉄になってからの開業で、天竜川と水窪川の間の山を越える区間では駅間隔が長くなっている。
便宜上、辰野駅から多くの列車が直通する中央本線茅野駅までの区間も併記する。

  • 標高の単位は m(メートル)。
  • 駅名 … ◇:貨物取扱駅(定期貨物列車の発着なし)
  • 停車駅
    • 特急以外の各種別…●印の駅は全列車停車、|・↓・↑印の駅は全列車通過(↓↑はその方向のみ運行)
      • 普通…○印の駅は一部列車通過
      • みすず
        • ▼印の駅は下り方向の列車(辰野駅方面行)が停車・上り方向の列車(飯田駅方面行)は通過
        • ▲印の駅は上り方向の列車(飯田駅方面行)が停車・下り方向の列車(辰野駅方面行)は通過
      • 天竜峡駅 - 豊橋駅間の快速は、実際は駒ケ根駅始発であるが、駒ケ根駅 - 天竜峡駅間は普通列車として運転
        • 駒ヶ根発岡谷行快速と駒ヶ根発豊橋行は運行系統が異なる
    • 特急…●印の駅は全列車停車、|印の駅は全列車通過。
  • 線路 … ∥:複線区間、◇・|:単線区間(◇は列車交換可能)、∨:ここより下は単線、∧:ここより上は単線
  • 駅番号は2018年3月より導入。
  • 中央本線(辰野 - 岡谷 - 茅野間)の括弧内営業キロは東京駅からの営業キロ
所属会社 路線名 管理支社 駅番号 駅名 営業キロ 標高 停車駅 接続路線・備考 線路 所在地
駅間 累計 普通 快速 みすず 伊那路
JR東海 飯田線 東海旅客鉄道東海鉄道事業本部 CD00 豊橋駅 - 0.0   東海旅客鉄道■ 東海道新幹線CA 東海道本線浜松方面名古屋方面〉(CA42)
名古屋鉄道NH 名古屋本線 (NH01)
豊橋鉄道渥美線新豊橋駅: 1)
豊橋鉄道:東田本線駅前停留場: 1)
愛知県 豊橋市
CD01 船町駅 1.5 1.5    
CD02 下地駅 0.7 2.2    
- 平井信号場 - 3.9   (名鉄名古屋本線との施設上の分岐点。停車場としては小坂井駅構内の扱い) 豊川市
CD03 小坂井駅 2.2 4.4    
CD04 牛久保駅 2.2 6.6    
CD05 豊川駅 2.1 8.7   名古屋鉄道:TK 豊川線豊川稲荷駅: TK04
- 三河一宮駅 3.3 12.0    
- 長山駅 2.4 14.4    
- 江島駅 1.0 15.4    
- 東上駅 1.6 17.0    
- 野田城駅 2.7 19.7     新城市
- 新城駅 1.9 21.6    
- 東新町駅 1.0 22.6    
- 茶臼山駅 1.2 23.8    
- 三河東郷駅 1.2 25.0    
- 大海駅 2.9 27.9    
- 鳥居駅 1.4 29.3    
- 長篠城駅 1.5 30.8    
- 本長篠駅 1.3 32.1    
- 三河大野駅 3.5 35.6    
- 湯谷温泉駅 2.4 38.0    
- 三河槙原駅 2.6 40.6    
- 柿平駅 2.3 42.9    
- 三河川合駅 2.3 45.2    
- 池場駅 4.9 50.1    
- 東栄駅 1.1 51.2     北設楽郡
東栄町
- 出馬駅 4.2 55.4     静岡県 浜松市
天竜区
- 上市場駅 0.6 56.0    
- 浦川駅 1.3 57.3    
- 早瀬駅 1.2 58.5    
- 下川合駅 1.4 59.9    
- 中部天竜駅 2.5 62.4    
- 佐久間駅 1.1 63.5    
- 相月駅 5.0 68.5    
- 城西駅 2.0 70.5    
- 向市場駅 2.8 73.3    
- 水窪駅 1.0 74.3    
- 大嵐駅 6.5 80.8    
- 小和田駅 3.0 83.8    
- 中井侍駅 4.0 87.8 289   長野県 下伊那郡 天龍村
- 伊那小沢駅 2.3 90.1 291  
- 鶯巣駅 1.6 91.7 303  
- 平岡駅 2.1 93.8 324  
- 為栗駅 4.7 98.5 319  
- 温田駅 3.7 102.2 340   泰阜村
- 田本駅 2.0 104.2 346  
- 門島駅 3.7 107.9 350  
- 唐笠駅 3.4 111.3 367  
- 金野駅 2.3 113.6 384   飯田市
- 千代駅 1.2 114.8 380  
- 天竜峡駅 1.4 116.2 382  
- 川路駅 1.3 117.5 373  
- 時又駅 1.8 119.3 383  
- 駄科駅 1.8 121.1 411  
- 毛賀駅 1.4 122.5 403  
- 伊那八幡駅 1.1 123.6 414  
- 下山村駅 1.1 124.7 427  
- 鼎駅 1.0 125.7 450  
- 切石駅 2.0 127.7 493  
- 飯田駅 1.6 129.3 512  
- 桜町駅 0.8 130.1 520  
- 伊那上郷駅 1.0 131.1 500  
- 元善光寺駅 2.7 133.8 441  
- 下市田駅 1.8 135.6 435   下伊那郡 高森町
- 市田駅 1.2 136.8 440  
- 下平駅 2.7 139.5 442  
- 山吹駅 1.0 140.5 460  
- 伊那大島駅 2.6 143.1 519   松川町
- 上片桐駅 3.8 146.9 607  
- 伊那田島駅 1.3 148.2 635   上伊那郡
中川村
- 大沢信号場 - 149.7     下伊那郡
松川町
- 高遠原駅 2.5 150.7 665   上伊那郡
飯島町
- 七久保駅 1.6 152.3 695  
- 伊那本郷駅 2.8 155.1 645  
- 飯島駅 2.8 157.9 647  
- 田切駅 2.2 160.1 637  
- 伊那福岡駅 2.8 162.9 663   駒ヶ根市
- 小町屋駅 1.5 164.4 672  
- 駒ヶ根駅 1.2 165.6 674
- 大田切駅 1.4 167.0 649  
- 宮田駅 2.1 169.1 648   上伊那郡
宮田村
- 赤木駅 1.3 170.4 637   伊那市
- 沢渡駅 3.0 173.4 614  
- 下島駅 1.1 174.5 623  
- 伊那市駅 3.5 178.0 640  
- 伊那北駅 0.9 178.9 643  
- 田畑駅 2.1 181.0 650   上伊那郡 南箕輪村
- 北殿駅 2.2 183.2 661  
- 木ノ下駅 2.4 185.6 676   箕輪町
- 伊那松島駅 1.5 187.1 680  
- 沢駅 2.6 189.7 702  
- 羽場駅 1.9 191.6 723   辰野町
- 伊那新町駅 1.8 193.4 719  
- 宮木駅 1.2 194.6 720  
- 辰野駅 1.1 195.7 723 東日本旅客鉄道: 辰野線(中央本線)
→小野経由塩尻駅方面
JR東日本 辰野支線 東日本旅客鉄道長野支社 岡谷
から

9.5
- 川岸駅 6.0 3.5 757   岡谷市
- 岡谷駅 3.5 0.0 766 東日本旅客鉄道 中央本線(新線)
→みどり湖経由塩尻駅方面
中央本線 東京
から

210.4
- 下諏訪駅 4.1 206.3 757 松本方面へ直通   諏訪郡
下諏訪町
- 上諏訪駅 4.4 201.9 757   諏訪市
- 普門寺信号場 - 198.9  
- 茅野駅 6.7 195.2 791 東日本旅客鉄道中央本線
小淵沢駅方面
茅野市
  • 会社名:JR東海=東海旅客鉄道、JR東日本=東日本旅客鉄道

廃止区間[編集]

括弧内は起点からの営業キロ。

貨物支線(1943年廃止)
豊橋駅 (0.0km) - 船町駅 (1.7km)
西豊川支線1956年廃止)
豊川駅 (0.0km) - 西豊川駅 (2.4km)

詳細は「国鉄飯田線 (西豊川支線)」を参照

ダム建設による線路付け替え区間(1955年廃止)
佐久間駅 (0.0km) - 豊根口駅 (3.0km) - 天龍山室駅 (6.4km) - 白神駅 (10.5km) - 大嵐駅 (13.3km)

詳細は「国鉄飯田線 (旧線)」を参照

廃駅[編集]

#廃止区間にある駅を除く。括弧内は豊橋駅起点の営業キロ。軌道線時代の廃駅は「伊那電気鉄道#駅一覧」を参照。

  • 遠山口駅 : 平岡 - 為栗間 (95.1 km) - 1951年廃止
  • 我科停留場 : 為栗 - 温田間(100.9km付近)
  • 開善寺前停留場 : 川路 - 時又間 (118.4 km) - 1943年廃止
  • 伊那赤坂停留場 : 飯島 - 田切間 (159.1 km) - 1943年廃止
  • 駒ヶ原停留場 : 大田切 - 宮田間(168.0km付近) - 1918年廃止
  • 音徳寺坂停留場 : 赤木 - 沢渡間(172.3km付近) - 1923年廃止
  • 唐木停留場 : 沢渡 - 下島間 - 1923年廃止
  • 小黒停留場 : 下島 - 伊那市間 - 1923年廃止
  • 入舟停留場 : 伊那市 - 伊那北間 (178.4 km) - 1943年廃止
  • 西町駅 : 宮木 - 辰野間 (195.3 km) - 1943年廃止

過去の接続路線[編集]

接続予定線(公団工事線)[編集]

車両[編集]

国鉄時代は末期まで旧型国電が君臨していたが、1982年より119系が新製され、165系が転入してようやく新性能化の道が切り開かれた。

現在の使用車両[編集]

313系
大垣車両区所属のセミクロスシート車である3000番台R100編成(2両固定)と、転換クロスシート車(車端部はロングシート)である1700番台J170編成(3両固定)が使用される。
いずれも当初の配置は神領であったが、3000番台は119系を置き換えるにあたり転属した車両で、1700番台は115系を置き換えるために新製された車両である。3000番台はワンマン対応だが、2重連4両の運用もある。
211系
長野総合車両センターに所属する1000または3000番台3両編成が使用される。
213系
大垣車両区所属の5000番台H編成(2両固定)が使用される。当初の配置は神領であったが、119系置き換えのために飯田線に転属してきた。2両編成で2重連4両の運用もあるが、ワンマン運転には非対応。

脚注[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

JR東海の鉄道路線
新幹線 Shinkansen blue.png 東海道新幹線 - リニア中央新幹線
東海道線 CA 東海道本線熱海 - 豊橋豊橋 - 米原大垣 - 美濃赤坂) - CB 御殿場線 - CC 身延線 - CD 飯田線 - 岡多線(現:愛知環状鉄道線) - CE 武豊線
中央線 CF 中央本線塩尻 - 中津川中津川 - 名古屋) - CI 太多線 - 城北線
関西線 CJ 関西本線名古屋 - 亀山
紀勢線 紀勢線(亀山 - 新宮) - 参宮線 - 名松線
高山線 CG 高山本線(岐阜 - 猪谷)
事業予定路線。 全区間を他社移管。 子会社である東海交通事業が第二種鉄道事業者。JR東海は列車を運行していない。