国鉄213系電車
JR東海 213系5000番台(H11編成) | |
製造所 | 日本車輌製造 日立製作所 近畿車輛 川崎重工業 東急車輛製造 |
運用者 | 日本国有鉄道 西日本旅客鉄道 東海旅客鉄道 |
製造年 | 1987年 - 1991年 |
製造両数 | 65両 |
最高運転速度 | 110Km/h |
設計最高速度 | 120Km/h |
電源方式 | 直流1500V |
保安装置 | ATS-SW(西) ATS-PT・ATS-PT(東海) |
主電動機 | 直巻整流子電動機MT64 |
制御方式 | 抵抗制御 直並列組合せ 界磁添加励磁制御 |
歯車比 | 16:83 |
主な走行路線 | 本四備讃線 飯田線 |
主な運用 | 快速・普通 |
所属車両 センター | 岡山 神領→大垣 |
国鉄213系とは、日本国有鉄道が設計、開発した近郊型直流電車である。国鉄民営化後もJR西日本、JR東海によって製造が続けられた。
概要[編集]
宇野線の電化開業後、この区間の普通列車や快速列車には、モハ80系、113系、153系が使用され、213系電車置き換え直前には115系が使用されていた。
しかし、この電車は性能はともかく、室内設備が貧弱であり非冷房の車両も存在していたことから山陽新幹線接続の四国連絡の列車に使うには問題があった。また、登場から20年近く経っている車両も多く、車両の塩害による老朽化などもあった。そこで、走行装置と車体構造は211系、室内設備は117系の「合いの子」として本四備讃線開業を翌年に控えた宇野線快速運用のために1987年に登場したのが当形式である。基本構成が1M2Tのため、105系や119系と同様の1M方式を採用している。
その後、1991年までにJR2社で合計64両体制となった。さらに、ゆめじ編成を含めると最大で67両体制となった。
形式[編集]
グリーン車のうちサロ213とサロ212は211系に分類されるためここでは扱わない。
- クモハ213
- 奇数向き制御電動車で、制御装置を備える。
- クハ212
- 偶数向き制御車で、0番台以外は改造でトイレが取り付けられた。0番台と5000番台の他、サハ213から改造された100番台も存在する。
以下は西日本の0番台の区分のみ存在する。
- サハ213
- 運転台や補機類を全く持たない付随車。廃車や改造が進み、2022年現在は3両が在籍する。
- クロ212
- 快速マリンライナー用パノラマグリーン車。ゆめじ用は1000番台に区分される。一度形式消滅するもクハ212改造の7000番台として復活した。
- 1000番台についてはJR西日本211系電車を参照。
- クモロ211・モロ210
- 「ゆめじ」用。クロ212と同様のパノラマグリーン車であった。形式消滅済み。
詳細は「JR西日本211系電車」を参照
- クモロ213
- クモハ213から改造された7000番台のみが在籍する。
- サヤ213・クヤ212
- サハ213-1とクロ212-1から改造された試験車U@Techのうちの2両。クモヤ223-9001と編成を組んだが、2019年に廃車された。
番台[編集]
0番台[編集]
1987年3月に登場。短期間で国鉄分民化となりJR西日本に継承。当初は3連8本の24両体制であったが、最盛期はゆめじを含めて39両体制となった。2003年10月以降、快速マリンライナーとしての運用からは外れ、一部中間車の先頭車化やワンマン化などが行われ、2022年現在は普通列車用として岡山地区に28両が在籍。登場以来、サヤ213とクヤ212以外JR西日本他支社管内に転属したことがない。
2016年4月には第4編成のうち2両が観光列車La Malle de Boisに改造された。
全車体質改善工事施工済みで、前照灯のLED化もなされている。
2023年以降、宇野線に227系が投入されるが、この際に全車解体となるのか、はたまた米子方面の115系を玉突き代替するのか、あるいは山口地区の115系置き換えに充てるのかは気になるところ。
- 2022年3月時点での編成一覧
- 取り消し線は廃車。特記事項がない限り2両編成・100番台組み込みのワンマン仕様。トラブル防止の為特筆すべき点がない編成はリンクは掲載しない。
C12編成[編集]
C12編成については編成形態がMc-Tc+Tcという、オール先頭車の3両編成となった。これは当初モノクラス3両で落成したC7・8編成にパノラマグリーン車のクロ212を組み込むにあたってクハ212を編成から外し、その際に新製したクモハ213-10と編成を組んだためである。なお、2003年のマリンライナー置き換えの際にクハ212の1両を他編成に転用する計画もあったがボツになっている。クハ212-7のみはワンマン非対応。
5000番台[編集]
1989年からJR東海にて登場した区分で、主に老朽化の進む、関西線の165系を置き換えた。2連14本、計28両の在籍。この区分は211系5000番台に準じた機器配置となっており、インバーターエアコンを搭載する。211系6000番台は当初213系として投入する予定だったが、扉配置や内装仕様の都合で211系の異番台となった。
1次車(H1-H10編成)、2次車(H11-H14編成)が存在し、2次車は前面の車両番号が省略され、方向幕のサイズが拡大されている。
当初は大垣車両区で運用されたが、1999年に313系が登場すると神領に転属し日中の中央西線に充てるようになる。その後、2011年の313系増備、および211系0番台転属[注釈 1]に伴い大垣に再転属し、飯田線仕様としてトイレの設置やドア開閉の半自動対応への改造が施工されて、119系をすべて置き換えた。2021年現在は、飯田線と中央本線茅野~辰野間で運用。
なお、2022年以降の315系投入と連動した313系への全面置き換え計画がある[注釈 2]。
- 2022年3月時点での編成一覧
- 取り消し線は廃車。トラブル防止の為リンクは掲載しない。
- H1編成
- H2編成
- H3編成
- H4編成
- H5編成
- H6編成
- H7編成
- H8編成
- H9編成
- H10編成
- H11編成
- H12編成
- H13編成
- H14編成
幻の6000番台[編集]
3ドアの213系という車両が作られようとしていた。結果的に211系と変わらないため211系に編入され、211系6000番台となり「GG」が割り振られている。
詳細は「国鉄211系電車#4次車」を参照
今後[編集]
0番台は117系の岡山撤退後唯一の2ドアであり、213系により乗車位置が増えてしまうほか3ドア車に比べてラッシュ時に乗降に時間がかかるという問題点もあるため、ここで他の国鉄車もろとも227系に一掃させて廃車あるいは転属ということもありえなくはない。
JR東海車については315系の導入により置き換えが予定されているが、地方私鉄への譲渡車が発生するかは気になるところ[注釈 3]。
近い世代の車両[編集]
- JR四国8000系電車 - JR四国特急用
- JR東海371系電車 - JR東海特急用
- 国鉄105系電車 - 通勤用
関連項目[編集]
注釈[編集]
JR東海の鉄道車両 |
JR西日本の鉄道車両 |