JR東日本GV-E400系気動車
GV-E400系気動車(ジーブイ-イー400けいきどうしゃ)とは、2019年よりJR東日本において運用されている電気式気動車の1形式。
概要[編集]
平成末期の時点でJR東日本には、合計数十両のキハ40が新エンジンに換装しながら、新潟地区と秋田地区、会津地区で未だに現役で活躍していたが、流石に老朽化は否めず、置き換え時期に差し掛かっていた。
ここで、JR東日本は、キハ40の置き換えに充てる新タイプの非電化区間用車両として本系列を導入することにした。
新タイプ車両は、
- 電車と部品を共通化できる
- 整備のやや煩雑な変速機や逆転機などを省略できる
点で、液体式気動車と比較して有利な電気式気動車とした。
一方で、E200形などのようなシリーズハイブリッド気動車にしなかったのは、
- イニシャルコストの面で不利である
- 勾配区間を登坂するには、重量が嵩まぬ方が良いが、シリーズハイブリット方式だとバッテリーによる重量増加が懸念される
ことが理由とされる。
但し、起動時のスタート電源として小容量のバッテリーを備えている。
構造[編集]
20m級の片開き2ドアオールステンレス車体を備えるが、キハE130系とは異なり裾絞りのない狭幅車体となった。
前照灯、尾灯はともにLEDで窓上に備え、前照灯の方が外側についている。
エンジンはコマツ製450馬力のSA6D140HE-3を搭載し、305kWの誘導発電機を直結駆動する。
主電動機は出力105kWの全密閉型三相誘導電動機MT81形で、1両に2基搭載する。
制御方式はダイオードにSiCを適用したVVVFインバータ制御。
制動方式はクノールブレムゼ社製の電気指令式ブレーキで、発電ブレーキ用抵抗器は搭載せず、間接機関ブレーキ・排気ブレーキを併用する。
形式[編集]
以下の3形式で構成される。
- GV-E400形
- 両運転台タイプで、バリアフリー対応トイレを備える。車両重量は42.2t。定員は99名。
- GV-E401形
- 片運転台タイプで、バリアフリー対応トイレを備える。車両重量は40.3t。定員は111名。
- GV-E402形
- 片運転台タイプだが、トイレを備えない。車両重量は39.7t。定員は121名。
運用[編集]
HB-E220系の投入が決定した八高線に本系列は投入されない見込みとなった。釜石線については快速はまゆりの担当分が代替対象から外れる見込みのため、本系列が投入される可能性が存在する。
新潟地区[編集]
2018年に量産先行車として各形式1両ずつが配備され、以降量産車を製造し2019年8月より営業運転を開始。2020年までに量産先行車を含めて1両編成8本と2両編成16本を製造し、同地区のすべてのキハ40を置き換え、さらにはキハE120形を玉突き転属させて東北地区のキハ40の淘汰も行った。
磐越西線会津若松 - 新津間、羽越本線新津 - 酒田間、信越本線新津 - 新潟間、米坂線で運行されている。米坂線については快速べにばなには基本使用されない他、それ以外でも殆どがキハ110系による運用で、本系列の担当本数はたったの1往復だけである。
白新線については快速べにばなのキハ110の代走に使用される程度で、定期運用はない。
只見線の復旧前は、GPS非対応だったこともあり同線対応のキハ110系の代走運用に入ることはなかった。
秋田地区[編集]
2020年12月から五能線で営業を開始し、2021年3月までに1両編成11本と2両編成6本を投入し、蓄電池動車のEV-E801系とともに同地区のキハ40[注 1]をすべて置き換えた。
五能線の他、奥羽本線の秋田〜東能代間や弘前〜青森間、津軽線でも運用される。なお、本系列は平坦な非電化線区でEV-E801系が運用される男鹿線に乗り入れることはない。
関連項目[編集]
脚注[編集]
- 注
JR JR東日本の鉄道車両 |