ダイヤ改悪
ダイヤ改悪(だいやかいあく)とは、利用客が不便になるようなダイヤ改正のことを指す。
概要[編集]
ダイヤ改正の際、通常は利用客の利便性や、運転現場の環境整備を考えてダイヤグラムを見直すことが多いが、諸般の事情により全ての利用者に満足がいかない最大公約数的なダイヤになったり、自社や上層部の都合の良いように利用客や現場はそっちのけのダイヤ改正を進めることがあり、これが利用客・現場からダイヤ改悪と揶揄されることがある。
ただし、改悪は改正の対義語ではない(改悪の対義語は「改良」)。改正という言葉が意味するのは「不備や不具合を改めること」であるが、ダイヤ改正における「改められるべき不備」とは事業者にとっての不備であり、利用者にとっての不備ではないことに留意したい。すなわち、例えば利用者サイドにとっては改悪でしかない減便・減車という施策も事業者サイドにとっては合理化という名のれっきとした不備の是正、つまり「改正」なのである。
「ダイヤ改悪」(および「ダイヤ改良」)とはそういった事業者の施策に対する利用者側の評価と言えよう。
原因[編集]
主に以下の原因が挙げられる。
- 利用客の減少
- 維持費の高騰
- 他の事業に力を入れすぎて手が回らない
- 車両運用や乗務員運用優先で、利用者不在の運行コスト削減
- 会社、しかも上層部の完全なエゴ
特に一番最後は大炎上の種となるため注意が必要である。
ダイヤ改悪の手口[編集]
減便[編集]
一番多い、かつ確実に改悪となるパターン。毎時4本を毎時2本に減便するという事例も存在する。
増便[編集]
上記の逆のパターン。増便を行ったことにより結果として減車を伴ったことも多く、主に国鉄分割民営化前後の電車型ダイヤ導入の頃に多く見られた。
終電繰り上げ・始発繰り下げ[編集]
これも典型的な手口。保線作業に使える時間を拡大することで作業員の負担やコストを低減できるなどのメリットがあるが、一番の目的は乗務員の人件費削減だろう。コロナ禍に伴い深夜の利用が激減した影響で早仕舞いという会社も増加した。しかし、早寝早起きの観点からすれば始発繰り下げは乗客側にとって明らかに理不尽である。
乗り継ぎ時間の延長[編集]
初版投稿者にとっては最悪と考察する事例。これが地方のローカル線だった場合、30分から2時間以上に亘り延びてしまうこともあり、幹線区間でも運行間隔拡大や均一化といった見直し行われた際に乗り継ぎの待ち時間が拡大することがある。さらには直通列車の廃止を伴うことも多いため、利便性が極めて薄れる。こうした場合では、優等列車で目的の駅を通り過ぎてから逆向きの列車に乗り換えることで乗り継ぎ時間を短縮できることもあるが、有効な乗車券を所持していない場合は不正乗車と扱われる。ああ怖い怖い。折り返し区間の往復運賃を払ってさえいれば折り返し乗車自体は合法だが、乗客の負担が増すだけなのでどっちにしろ改悪であり、近江鉄道がかつて行った「運賃より安いフリーきっぷ」のような施策が必要と思われる。
一方、地方のローカル線で乗り継ぎ時間があまりにも短く、接続待ちによる遅延や不接続が常態化していた場合、逆に乗り継ぎ時間を伸ばすことで改善となる場合もある。2022年の青い森鉄道線ダイヤ改正では、野辺地駅における大湊線からの乗り換え時間4分が16分に拡大したことが「利便性の向上」と案内された。今後、高齢者層の増加で同様の事例が増えると思われる。
減車[編集]
特に地方に多いパターン。減便しない場合は利便性への影響を抑えつつ運行コストの削減を行えるほか、後述のワンマン化を伴って減車する例も存在する。新型車両投入によって減車されることもある。しかし、減車により積み残しや混雑による遅延が発生してしまうと、乗務員や駅員の負担は逆に増してしまう。中には8両編成を2両編成にまで減らした例[注 1]や、10両編成を3両編成にまで減らした例[注 2]があり大顰蹙を買ったこともある。
これのせいで某県の高校では異例の「授業繰り上げ」があったとか…(電車通学者が帰れなくなるため)
一方、中央西線名古屋口で一部減車による8両統一が行われた際は、朝方における増便により大改悪を回避している。
なお、この危機に最も直面しているのが近鉄名古屋線で、今のところ3両編成運用は健在だが、いずれも旧弊な抵抗制御車ばかりで、置き換えの進捗による2連化で全廃となる危険性が高い。もっとも、増発や4連化で救済してくれればそこまでだが…。
増車[編集]
上記減車の逆のパターン。特に日中時間帯でこれを行った結果減便を伴った例もあり、この場合はある意味改悪となる。
車両の引退・休車[編集]
旧型車両に多い事例。一般に新型車両の投入により利便性は向上するため一般の乗客には喜ばれ、改悪と捉えるのはノスタルジーに浸りたい一部の鉄道ファンに限られる。しかし、新型車両の座席が少ないなど、車内設備などによっては鉄道ファンだけでなく一般の乗客からもクレームが飛ぶ可能性もある。近年では葬式鉄の暴走を避ける目的で、予告なく車両が引退する場合もある。2022年春の大規模ダイヤ改悪における奈良線の103系と新潟の115系などが該当する。引退車両の予告はあくまでファンサービスの一環であり、鉄道会社の内部情報を開示する必要性は全くないはずだが、一部の鉄道ファンからは批判の声もあるようだ。特殊な例として、コロナ禍による空港輸送の需要激減による休車事例もあり、特急はるかの増結用に新製された271系は、運用開始からわずか2週間余りで休車となってしまった。
系統分離[編集]
途中駅で系統分離することで需要のない区間の両数を減らすことができる。理論上は、運行本数自体を据え置きながら一部区間のみの減車を実現することができる。しかし、乗り換えを強いることで乗客に不便感や負担感をもよおすだけでなく、ホーム分割使用による縦列停車ができない場合は、接続駅でのホームのやりくりに制約が発生するため結果的に減便を伴ってしまう場合も多い。近年は後述のワンマン化を伴って行われるケースも増えてきた。
また、系統分離によって長距離列車が廃止されるとマニアからも改悪扱いされる事がある(2022年の黒磯~熱海間や2024年の高尾→長野間など)。
直通運転の開始・再開[編集]
上記の系統分離の逆のパターン。一見改善のように見えるが、列車遅延や事故が起きた際、広範囲に影響が及ぶので、一種の改悪とみなして良い。加えて、直通運転の開始により、従来の起点駅から境界駅や分岐駅まで列車の利便性が低下するという改悪が起こる場合もある。2023年の相鉄と東急の相互直通運転の開始が良い例。また、相互直通運転開始で混雑が激しくなった場合、後述の区間延長同様に改悪とされることがある。
路線・区間の延伸[編集]
一見改善に見えるが、従来の始発駅利用者から、座れなくなったとの声が出ることがある。上野東京ラインの開業時に特に神奈川県側で顕著にみられた。
停車駅の増加[編集]
新たに停車する駅に利用客にとっては嬉しい一方で、乗り降りしない客にとっては所要時間が延びたり、混雑が激しくなったりして、改悪となる。2000年代以降に京阪神圏の私鉄を中心に行われてきたものの、昨今の情勢下では他地域の鉄道会社でも行われている。
停車駅の減少[編集]
前述とは反対に、所要時間を縮めるためや車両の加速性能の悪さをカバーするために停車駅を減少させすぎるパターン。
こちらは、2019年3月 - 2022年2月にかけての「あずさ」の停車駅大幅カットや、1992年 - 97年にかけて設定されたのぞみ号の名古屋飛ばしが特にいい例。
新路線の開業[編集]
一見改善に見えるが、旧型車両を別路線から転属させる場合はサービスの低さから改悪扱いされることも稀にある。
日本では、開業当初の埼京線、京葉線やおおさか東線向けの201系・103系が挙げられる。
極端な例として、アルゼンチンのメトロビアスでは2007年のH線開業時に、1934年製のSiemens O&K電車をC線から転属させて運用に就かせていたが、9年後の2016年に一気に新車に置き換えられている。
新幹線開業に伴う特急列車の廃止[編集]
上記の「会社、しかも上層部の完全なエゴ」に当たる。新幹線と全く同じルートの特急列車を完全に廃止するのであれば改悪ではないが、それ以外の特急列車では今まで終点まで直通だったのが、一部廃止や全部の廃止によってわざわざ途中駅で新幹線や他の列車に乗り換える手間が発生するため、著しい改悪である。しかも、新幹線へ乗り継ぐことによって運賃が実質値上げされる場合がある。
また、どうしても新幹線に乗ってもらうために、金沢〜新潟を結んでいた特急「北越」や金沢~越後湯沢の「はくたか」、富山〜名古屋の「しらさぎ」の早朝便が廃止されたように、経路や時間帯の制約で鉄道での代替ルートが存在しない特急列車を廃止する場合は特に改悪である。
もっとも、前述の「北越」「はくたか」は第三セクター化された部分を走行していて、JRが列車を走らせると線路使用料が発生してしまうためかもしれないけど。しかし「しらさぎ」は高山経由の「ひだ」ダイヤ改正や「北アルプス」を復活させる格好で名古屋早朝着の列車が設定されてない改悪ポイントがある。
ダイヤパターン崩壊[編集]
毎時12本が11本になったり(山手線や京浜東北線、都営新宿線)、毎時15本が13本になったりして(丸の内線)、発車間隔が不等間隔になり時刻が覚えにくい、あるいは他路線からの接続パターンがランダムになるケース。
江ノ島電鉄線では2023年3月18日から、70年余り定着した12分間隔から60や120の公約数ではない14分間隔になることから波紋を呼んでいる。
パターンダイヤ化[編集]
上記のダイヤパターン崩壊とは逆のパターン。この際、牟岐線のように特急や快速の廃止を伴うことが多く、一種の改悪となることもある。
第三セクター化・私鉄買収[編集]
特急列車の廃止や系統分離、さらに運賃値上げや18きっぷ使用不可、酷いと電車列車のディーゼル化、減車など、休止の次に改悪であるといっていい。もっとも、増発や住宅密集地の駅新設、新型車両の投入、孤立路線の解消など、JR時代より改善される点もある。
2015年に北陸本線金沢〜直江津間が第三セクター化された際は、新幹線に誘導する意図や乗り入れ料をケチる意図もあるのか、金沢〜富山間が廃止された「サンダーバード・しらさぎ」で、上り早朝列車が実質カットされ、富山から大阪、名古屋への到着が新幹線開業前より繰り下がったり、開業前は「はくたか」、「北越」が利用できた魚津、入善といった駅で直江津、越後湯沢への所要時間が大幅に延びるといった改悪が行われた。
ワンマン運転の開始[編集]
日本の路線バスが車掌など乗務員不足からワンマン運転が普及したのに対し、鉄道のワンマン化は国鉄末期に有識者から指摘された閑散時の乗務員運用の省人化に起因するもので、乗務員運用の合理化につながり、効果を得ることもあるが、車両運用の合理化と連動して、学校早下校時など小混雑時に需要に見合わない減車を伴うことが多く、その場合は改悪にあたる。2022年の宇都宮線宇都宮以北のワンマン化では、酷いもので10両編成(うちサロ2両)が一気に3両編成に減車となった例が存在する。
このほか、ワンマン運転の開始に伴い、従来行われていた直通運転が廃止された例もある。2022年3月の中央線快速 - 八高線および横浜線 - 相模線や、2023年3月の中央線快速 - 青梅線青梅以北および名鉄各務原線 - 犬山線犬山以南など。
一方、減車やそれほどの設備投資をせずにワンマン運転を実施する場合、事実上の信用乗車方式の導入など、乗客よりも運転現場の方から不評を買うという意味で改悪につながる。主に2023年の山口地区や八高線、水戸線で行われたほか、関西線名古屋口が現状そのような危機にある。
電車列車のディーゼル化[編集]
環境面からの改悪の例。脱炭素社会やSDGsが叫ばれるこのご時世では二酸化炭素排出量が増加し、さらに架線下DCとなれば架線電力が全く旅客列車運行に活かされないため改悪となる。ダイヤ上でも列車番号末尾が「M→D」となることからダイヤ改悪にあたる。
近年では、鹿児島本線を移管した交流区間の肥薩おれんじ鉄道で、需要がそれほど見込めず、高価な交流電車を走らせるよりも1両の気動車運行が安価として運用の合理化につながった例となり、日豊本線のキハ220代替、北陸本線新潟県区間のえちごトキめき鉄道移管の際も追随で2 - 3両の電車を1両の気動車に置き換え、減車を伴ってしまった。欧州で制御客車を用いて、機関車で後ろから押す長編成のペンデルツークの実例を知るファンや識者からは、国鉄分民化以降、JRグループや鉄道総研が動力分散方式に過剰に固執し、50系客車と貨物縮小で大量に余剰が発生した機関車でベンデルツークの模索を怠ったツケと感じる人もいる。
気動車列車の電車化[編集]
上記の逆のパターン。一見改善のように見えるが、動力方式毎の系統分割や、支線区での直通廃止による不便さを伴うことが特に国鉄急行列車に多く見られて、高速バスが隙間産業として成長する契機となったり、また、電化方式によっては高速化が望めなくなったり、気動車全滅による車両区の廃止や乗務員免許問題が発生したりなど、乗客のみならず運転現場からも改悪扱いされることがある。
非電化区間ののと鉄道分離や、簡易線規格となっていた穴水 - 輪島間の後年の廃止を伴った七尾線の一部電化や近接の電化路線との格差感を生んだ播但線南部電化など、近年のJR西日本にこの例が多い。
BRT化[編集]
鉄道よりも定時性や速度が劣り、かつ乗車できる人数も圧倒的に減ることから改悪とみなされる。
休止[編集]
全列車の運行を取りやめる。これにより、列車が使えなくなる。ヨーロッパでは多く、廃線にせず線路を残しておき、後に列車の運行を復活させることもある。
廃止[編集]
全列車の運行を取りやめるのに加え、駅やレールも撤去される。これが最大のダイヤ改悪。架線が撤去される場合はバス化の際に電気バスや燃料電池バスでも導入しない限り環境面でも改悪と見なされることがある。
更に言ってしまえば、跡地が道路とならず、遊歩道や住宅建設地に転用あるいは放置された、あるいはバス等の代替交通手段も全く設定されない場合は余計に改悪扱いとみなして良い。
もっとも、LRT化やBRT化前提の廃止は一概に改悪とは言い切れない。ただし、スピードダウンや定時性悪化を伴う[1]、そうでなくとも廃止後、開業まで路線自体が運休となることが多く、改悪の要素が大きい。特に単線の線路の転用による1車線道路を用いたBRTは、一般道を走る車よりもスピードを出せない。
運賃・料金の値上げ[編集]
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ダイヤ改悪と直接は関係ないものの、こちらも確実に改悪となる例。事業者によっては、ダイヤ改悪と同時に実施される事例もあるのでここに記載する。近年の値上げ率は高くても10 - 20%程度だが、国鉄においては50%にもおよぶ値上げが行われたことがある。
また、特急の全車指定席化、企画乗車券の扱い改定といった内容・制度変更等も運賃値上げとは別に改悪とされる事がある。
車両運用の変更[編集]
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これは、前述の減車を伴う運用変更以外は、主にファンや愛好者目線での改悪となるが、中央線の209系1000番台など、固定運用を持っている車両では、その固定運用が無くなる・あるいは運用数や日中運用などが減ったりすると、ファンからは改悪扱いされることがある。逆に予備車が少ない場合は、現場からも、代走用車両の手配がつけにくいという理由で改悪扱いされることもある。
予備車削減目的のダイヤ変更の場合も、共通運用にする際はファンから、固定運用を維持する際は現場から改悪扱いされる。
主な事例[編集]
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常磐線と千代田線との直通運転開始時 (1971年改正)[編集]
1971年4月20日に行われたダイヤ改正にて常磐線と千代田線との直通運転が開始された。この際、従来からの上野発着が快速線を走行する列車となり、各駅停車に相当する列車は全列車が千代田線との直通するようになった。そのため、改正後に各駅停車しか停車しない駅では北千住・松戸のどちらかで乗り換えるか割高な地下鉄を使用する必要が生じた[注 3]。北千住での乗り換えは混雑+上下階層が異なることから乗り換えに時間がかかり、松戸駅も乗り換え客が殺到したことに加えて、営団側でのストライキが発生すると駅の入場規制がたびたび発生する事態となった。このことから、沿線利用者を中心に迷惑乗り入れなどと紛糾された。また、快速線側でも直通運転開始時に利用者が減少することを見込んで10両編成で運行されていた一部の電車を8両編成に減車し、余った2両を京浜東北線に転用しようとしたものの、想定よりも利用者の転移が進まず、1年足らずで10両編成に戻された。
2022年になっても一部の市民団体が不当に運賃を搾取されているといった理由でJR東日本・東京メトロ・国の3者を相手取り損害賠償請求を引き起こすなど、この時の問題は根深く残っている。
勝田線廃止[編集]
テコ入れされずに地元住民からもあっさり廃止を受け入れられたが、その後の人口増によりバスでは捌ききれない輸送力にまで跳ね上がったためか、批判の声が多い。今からでも復活できるならどのような形であれ復活して欲しいところ。
伊勢鉄道伊勢線転換開業[編集]
国鉄時代から通過輸送が多いものの、特急での通過利用は輸送実態に反映されなかったことで、沿線利用者が少ない故第三セクター鉄道に転換されてしまった。
JR東海の買収は国鉄分割民営化の制約で不可能であり、割引制度もないため短距離利用での運賃がバカ上がりしてしまった。加えて、国鉄分民化後に新設された快速みえで特に青春18シーズンに別払いを認知しない乗客とトラブルが生じている。
小野澤正彦、川島令三、寺田裕一ら評論家からもこの施策に対する疑問の声が挙がり、寺本光照は雑誌上で伊勢線のJR化と交換で亀山~津間こそ第三セクターへの転換が望ましいとの意見を出した。
関西線 伊賀地区[編集]
路線としては大動脈であるにも関わらず、ダイヤ改悪とともにキハ58などが一掃され、キハ75の急行かすがも2006年に廃止されて以降は輸送力の小さいキハ120の1 - 2両での運転が基本で、18切符のシーズンは座席がたいてい埋まる。乗客離れが進み輸送密度3桁を招いたのはこのためと思われる[注 4]。そのため、DEC700を優先投入するか、日常的に3両運用を行うか、大穴でJR東海や布施〜伊勢若松間の短絡目的で近鉄に移管するかしないとまずいのではなかろうか。
山形新幹線開業による米坂線の改悪[編集]
奥羽本線の軌間改軌による東北新幹線直通が「コロンブスの卵」と評された一方、種村直樹は着工とほぼ同時期に開局したテレビユー山形にネットした「サンデーモーニング」で、「幹線としての奥羽本線の分断」、「山形に移る乗換の不便」のデメリットを訴えていたが、「負け犬の遠吠え」に終わった。
しかし最大の改悪点は急行「べにばな」が米沢で分断され、左荒線(荒砥 - 左沢)が狭軌バイパスルートとして着工されずに、新潟から仙台への鉄道最短ルートで2回の乗換が必至となったことだろう。これにより、米坂線の東北横断路線としての価値が下落し、しいては秋田に続くミニ新幹線の推進にブレーキがかかって、並行在来線問題まで波及することになったと思われる。
国際興業バス志04系統をめぐる騒動[編集]
国際興業バス志04系統は、志木駅東口と中野下引返場を結ぶ路線として、1972年に開設された路線である。開設以来、1 -2 時間に1本という運行本数を維持していたものの、利用者減少と年間500万円程度の赤字路線であることが理由に2003年に沿線住民への周知がなされていない状態で突如として1日1往復まで大幅減便された。この減便には、ダイヤ改正の半年前に国際興業の担当者が志木市に通告したものの、志木市の担当者が沿線住民に対して説明がないままになされたことで、国際興業のみならず志木市の対応にも不満が集まり、志木市議会ではこの内容が多数取り上げられた。その後、沿線住民の申し出によりのちに1日6往復まで復便したものの、2010年ごろにまたもや存廃問題が再発。今度の再編計画では中野下引返場を廃止し、柳瀬川駅までの延伸と小型バスによる運行の変更、志木市が年間930万円を上限に赤字補填をすることにより、廃止は撤回された。その後、沿線に工場跡地を再開発した住宅施設「志木の杜」が建造することになり、それに合わせた運行本数の増加や志木市役所の玄関前を経由するようになるなど、というテコ入れがなされたことで、利用者は増加に転じ、2019年時点では2003年改正前と同等の1 - 2時間に1本程度の運行本数にまで回復している。
しかし、コロナ渦による利用者激減により2020年10月に運行回数の減回が行われた。さらに、利用者不振と運転手不足、経年車両の代替新製ができないこと[2]から、2024年3月をもって志木の杜 - 柳瀬川駅間の部分廃止となる可能性が示唆されていたが、2024年3月31日をもって志木の杜 - 柳瀬川駅間は今度こそ本当に廃止となった。そして、国際興業バスからのお知らせには「車両運用の問題により」との記述が…
九州新幹線暫定開業[編集]
新八代以南が開業した時点で、特急つばめが新八代にまで短縮され、伊集院、串木野、阿久根の各駅に新幹線が通らない上に優等列車の設定がなくなり、一種の大改悪と化した[注 5]。
加えて新八代 - 川内間は肥薩おれんじ鉄道移管の際に、全線電化ながら需要のなさゆえの気動車の導入で、環境面からも改悪され、阿久根が最も改悪の貧乏くじを引くことになった。なお、移管時の肥薩おれんじ鉄道の社長は後に社長に就くことになったえちごトキめき鉄道でも同様の愚行をしている。
おおさか東線開業・延伸[編集]
2008年に開業、2019年に延伸したが、このときに投入された車両が最新鋭の321系やその1世代前の207系ではなく、国鉄型の103系や201系と、いかにも新路線に見合わない車両が投入され、ある意味改悪となってしまった。なお、現在は直通快速含めすべて221系に統一されている。
北陸本線の金沢以東の第三セクター化[編集]
2015年3月14日に北陸新幹線の長野~金沢が開業し、東京から・東京へのアクセスは向上した。
だが、問題はここからである。特急の富山~高岡〜金沢間廃止で関西・名古屋へのアクセスが悪化し、これまでは1本で行けてたのを新幹線に乗り換える手間が生じた。加えて、高岡に関しては更にひどく、富山県の中でも栄えている都市にもかかわらず、北陸新幹線は高岡駅ではなく中心部から南に離れている新高岡駅に停まり、高岡駅へは城端線を利用する必要があるため他の駅よりも改悪されてしまっている。もっとも新高岡〜高岡間は城端線の他加越能バスも存在し、タクシーもある。問題は氷見線沿線で、2024年10月1日から氷見線 (加越能バス)の新高岡駅発着がなくなり、鉄道、バスともに高岡駅での乗り換えを余儀なくされた。
「はくたか」や「北越」が停車していた入善、魚津はもっとひどく、新幹線駅が北陸本線との接続がない電鉄黒部駅から山寄りの黒部宇奈月温泉駅となり、在来路線だと直江津から複数の普通列車の乗換が必要となり、新潟県との往来が不便になってしまった。さらに、北陸本線東部において、三セク移管前に梶屋敷〜魚津間の直流転換という置き土産がされず[注 6]、新潟県区間において需要が恐ろしく少ないとされたことから、全線電化ながらわざわざ気動車をぶち込まれ、環境面からも改悪されてしまった。
加えて、新潟~金沢間の鉄道アクセスは、特急「北越」の廃止で「はくたか」が発着した越後湯沢共々、それまで1本で行けていたのが劇的に悪化し、柏崎以東では、特急「しらゆき」から、JR区間として連続しない上越妙高にて乗り換えなければ金沢へは行けなくなった。
さらに、第三セクター化により運賃が値上げされ、富山~金沢間が約1200円となるなど地元住民にも悪影響を及ぼした。
一方で、橋上駅となったり(石動駅)、新駅の建設(高岡やぶなみ駅、新富山口駅)、新型車両の導入など、改善されている点もある。
北海道新幹線開業[編集]
2016年に満を持して開業した同線だったが、蓋を開けてみると、東京から北海道への交通手段は早く行きたい人は飛行機、鉄道を使う人は寝台特急という従前に確立された渡道手段から抜け出せず、北斗市の新函館北斗駅までという不便さから利用者が集められず大赤字になっており、現・函館市長の大泉潤が函館駅新幹線乗り入れを政策に打ち出すほどである。
そもそも、青森県のフル新幹線誘致エゴが招いた並行在来線三セク移管にかこつけて、渡道する人気列車だけでなく、本州内の多くの夜行列車を新車置き換えせず廃止したり、青春18きっぷの海峡線の特急料金無料特例を廃止してまで、東北新幹線の盛岡以北を開業させてしまったのは改悪と言える。
三江線廃止[編集]
廃止後のバスが大改悪の例。2018年の廃止後は路線を輪切りにされ、1本で行くには待ち時間10時間を含め約13時間かかる。更に言ってしまえば、一部駅からのバス自体も消されており、もはや代替交通手段自体が完全に消えるのも時間の問題である。せめて代替交通は地元事業者任せにせず、江津 - 粕淵間はBRTとして再出発させるべきではなかったのだろうか。加えて、粕淵 - 口羽間は公団建設の区間があり、大田市 - 粕淵間に鉄道新線を建設すれば、松江 - 出雲市 - 広島間の鉄道シェア奪還手段としても使えた鉄道路線であり、粕淵 - 三次間は鉄道廃止を早まったように感じる。
名阪汎用特急全滅[編集]
2021年2月13日をもって甲特急はひのとり、乙特急はアーバンライナーに統一されたが、甲特急は事実上の値上げという改悪になった一方で、乙特急のアーバンライナーについても使用車両の大半が抵抗制御の全電動車で回生ブレーキを持たない21000系という、加減速が多いのに電力を大規模に消費する車両が中心となり、環境面からの大改悪となった。
2021年 名鉄における事象[編集]
2021年5月、名鉄ではコロナ渦による旅客動向の変化により、ダイヤ変更が行われた。変更内容は多岐にわたるが、平日日中時間帯において豊川稲荷と一宮間を結ぶ急行電車(通称・豊川急行)の運行が取りやめられたことが大きな問題点とされている。
この急行が走る区間のうち、金山 - 須ヶ口間と東岡崎 - 国府間および豊川線内では代替となる列車の設定や普通電車と特急の接続改善が図られたことにより、減便に伴う影響はある程度カバーされたものの、最も利用者が多いと思われる金山 - 東岡崎間、とりわけ南区、緑区、豊明市内では減便分のフォローがなされなかったこともあり、極端な利便性低下となり、鳴海民主主義人民共和国を敵に回す事となった。
その直後の10月に行われたダイヤ改悪では豊川線内で毎時2本への減便も行われた。しかし、豊川線内は日中毎時4本では輸送力過剰だったり、運賃200円均一ながらゾーン内は乗換自由な豊川市コミュニティバスを運行していることもあり、そこまで問題視はされていない。
約2年後の2023年3月のダイヤ改正にて豊明 - 金山間の日中の準急増発に踏み切ったが、2年間の冷淡な態度による損失をどれだけ回復できるか疑問符の意見がある。また、これとは別に今度は土休日の豊川急行が先述した準急に置き換わったことで、須ヶ口以北と豊明以東で本数削減の形になったため、新たな不満の火種が勃発している。
京王線特急千歳烏山停車[編集]
2022年に実施。それまで千歳烏山に止まる下位種別と止まらない特急で棲み分けができていたが、特急が千歳烏山に止まるようになって所要時間が延び、特急に待避線の無い千歳烏山の利用者が集中して、空いてる急行以下の列車への避難もままならずに、特急が余計に混雑するという大改悪を行ってしまった。
2022年3月ダイヤ改悪以降の宇都宮・日光線[編集]
この改悪以前は基本的に205系の4両編成で運転されており、ラッシュ時の宇都宮線では205系の4両編成×2の8両やE231・E233系のグリーン車付きの10両編成で運転される便もあったが、いきなりE131系の3両編成や2本併結の6両編成に減らしたところ、翌4月より早速積み残しが発生し、更にはJR側が改善策を考えずに「奥に詰めない乗客が悪い」と責任をなすりつけたと揶揄され大炎上になった。
一方で205系(観光列車「いろは」を含む)の引退や、熱海~黒磯を走破する長距離普通列車の廃止など、マニア視点での改悪も多かったと思われる。[要出典]
常磐線系統分離(2022年)[編集]
2022年に常磐線土浦駅で系統分離が行われたが、過去にE501系導入時同じ区間で同じことをして失敗している。しかし、今回の系統分離は2年後の改悪でワンマン区間を水戸以南に拡大するという目的もあったためか、宇都宮線の前例もあり元に戻される可能性は低い。
JR西日本減便 (2022年)[編集]
2022年3月のJR西日本ダイヤ改正において同社は、朝ラッシュ時の運転間隔を均等化し、わかりやすくします。という謳い文句を掲げていたものの実際は大幅減便を図った。
銀座線減便(2022年)[編集]
2022年8月27日、東京メトロはコロナ禍の利用動向を踏まえたダイヤ改悪を実施。特に銀座線は日中毎時18本から毎時12本(5分間隔)への大幅な減便が行われた。しかし、5分間隔にすると混雑が酷かったため、翌2023年4月29日のダイヤ改正では日中毎時15本(4分間隔)に見直された。
西九州新幹線暫定開業[編集]
特急かもめが武雄温泉まで縮減されたまでであればまだしも、環境面から大改悪となった例。長崎本線の肥前浜 - 諫早間の需要が少なすぎることや、需要が多いにも関わらず物理的に電化ができない大村線の存在から、肥前浜 - 長崎間の電化が撤去され、すべての電車列車が肥前浜止まりとなり、かつ肥前浜 - 諫早間には世代が古すぎるキハ47をぶち込まれてしまった。
長崎本線に限らず、佐世保線も巻き添えを受けており、817系が長崎本線肥前浜以南から撤退して以降、架線が残されているにもかかわらず江北 - 早岐間の日中の普通列車に、同様にキハ47をぶち込まれ、あっさり環境面から改悪されてしまった。
相鉄と東急の相互直通運転開始[編集]
2023年3月18日に満を持して直通運転を開始した両社であるが、相鉄側では横浜 - 西谷間のシャトル列車が時間帯問わず大量に設定され、二俣川以西の沿線利用者から『横浜との直通が減り、小杉・東京偏重で不便になった』との声が上がっている。
北陸本線敦賀以東の第三セクター化[編集]
2024年3月16日には、新幹線敦賀延伸に伴う特急の金沢~敦賀間廃止で、南越地域で越前たけふ駅は越前市中心部の武生駅と離れており、越前たけふ付近〜武生間の鉄道は40年以上も昔に廃止され、栃木県ではLRT新設したのに、本当に欲しいこの地では鉄軌道は復活せず、武生駅へのシャトルバスは朝夕のみ、徒歩移動では約1時間という猛暑には酷な行程となり、この時点で高岡を上回る改悪であるが、鯖江に関しては、そもそも新幹線が停車しないという、鹿児島の阿久根に匹敵の改悪となった。
また、三セク化に伴い2015年に第三セクター化された部分と同様運賃が値上げされ、福井〜敦賀間が990円から1140円へ引き上げられた[3]。一方、敦賀 - 福井間に快速が設定され、この点は救済と言えよう。
しかしながら、最大の改悪点は、敦賀以北と関西・名古屋との往来で乗換を強い、アクセスがさらに悪化されたことだろう。ついでに新幹線での速達を強いられることで費用が実質値上げされてしまっている。その結果、需要が高速バスに流れつつある。
2024年京葉線ダイヤ改正[編集]
会社側の完全なエゴの典型例。2024年の京葉線のダイヤ改正では、輸送状況が改善しているにも関わらず、通勤快速の廃止、快速の運行時間縮小、特急の減車といったことが重なり、東京 - 蘇我間の所要時間が20分ほど伸びてしまうという事態が発生。このことから、千葉市長および千葉県知事の両者からダイヤ改正の見直しを求める声明が出され、千葉市議会でもダイヤ改正の撤回を求める決議案が採択された。その結果、朝の上り2本の快速はダイヤ改正後も引き続き運行をするという異例の事態となった。
京葉線では、かねてから快速通過駅の利用者が増えていることや、駅間距離が比較的長いので各駅停車でもそこそこ早いということ、直通先である武蔵野線・外房線・内房線との関係性、ディズニーリゾートや幕張メッセ、Zozoマリンスタジアムなど多数の行楽施設が存在することから他線区よりも輸送形態が異なっている。2013年には武蔵野快速の終日各停化と朝ラッシュの快速の各停化、2022年には夕方以降の東京駅方面の快速の運行時間帯縮小と年々速達サービスが縮小傾向にある。今回の声明を出したことで速達サービスの縮小傾向が改善されるのかが注目されている。
そしてついに秋の改正で、減らした朝夕の快速を更に復活させることになった。
2024年春の鶴舞線・上飯田線減便改正[編集]
2023年9月、地元テレビ局にて2024年3月ごろに鶴舞線・上飯田線の減便を伴うダイヤ改正が行われることが発表された。名古屋市交通局は2021年に東山線、22年に鶴舞線・桜通線と各線での減便が行われているが、それに続くものとなる。しかし、両改正とは異なり、コロナによる影響が終息を迎えた時期なのにもかかわらず、変わらず減便を続けていることに不満の声が上がっている。
2024年春 JRグリーン車などにおける事象[編集]
2023年12月15日、JR東日本はダイヤ改正と同時にグリーン車の料金改定を発表。通常の事前料金の値上げ(平日の50km以下のSuica料金を除く)はもちろん、ホリデー料金の廃止や101km以上の料金を新規設定するなどの大改悪となり鉄道界隈で物議を醸した。
また、同じく2024年3月16日、名鉄では運賃と同時に企画乗車券も値上げされる。特に、従来10時~16時に限り特別車乗り放題だった「まる乗り1DAYフリーきっぷ」は、料金の値上げと共に10時~16時の特別車乗り放題も廃止される事から、大きな批判を浴びている。
2024年春 東海道本線名古屋地区の減車[編集]
8両運用を、静岡地区の211系の置き換えのためなのかやむなく一部を6両に減らしたところ積み残しが悪化した。もともと311系につり革がなかったり、転換クロスシートばかりで立席乗車時の快適性も悪かったりすることからドア付近に学生以外を含む乗客が立ち止まる傾向にあるため、朝夕ラッシュ時における快速以上への315系投入がいち早く望まれるものである。
改悪要素も強いが、改善とも言える例[編集]
気仙沼線BRT化[編集]
東日本大震災以前、気仙沼線は仙台と気仙沼を結ぶ在来線最短ルートであり、特に快速南三陸は高速バスと比べても圧倒的に速く、利用客も多かった。しかし震災後、鉄路での復旧を諦め、BRTで復旧。結果仙台〜気仙沼の所要時間は2倍近くに伸び、かつての普通列車よりもはるかに遅くなったため、長距離利用では役に立たなくなり利用客が激減した[4]。
ただし、本吉 - 気仙沼間を中心に本数は大幅に増便されたため、気仙沼市内の2〜3駅間程度の短距離移動はしやすくなっているという側面もある。
日田彦山線BRT化[編集]
災害で不通となっていた添田以南は鉄道ではなく、BRTでの復旧となった。BRTは基本的に25人乗りの電気バスにで運行されることになり、輸送力が低下することが危惧されている。かつ所要時間も長くなっており、田川郡から日田市へのアクセスは悪化した。急行が走っていた昭和の頃と比べて、所要時間は約2倍になっている。
とはいえ、BRT化によって停留所(駅)が増加したことによる利便性の向上といったプラスの側面も存在する。電気バスの運行により、エネルギー源がディーゼルから電気に変わったが、鉄輪+レールがゴムタイヤ+アスファルトに変わったことにより惰行時のエネルギー消費が増加しているので、環境面での効果については要検証。電気式気動車あるいは蓄電池電車での復旧だと良くなったと言えるのだが
上越新幹線終電繰り上げ[編集]
2023年11月7日、JR東日本は上越新幹線の終電を20分程繰り上げると発表。終電繰り上げの理由として深夜の利用者が減少しているとの記述はなく、作業員の確保を最優先して終電を繰り上げる事になり、まさに利用者不在の運行コスト削減や会社のエゴに当てはまるダイヤ改悪となると危惧される声が存在した。しかし、12月15日に発表された新ダイヤによると、新潟行・高崎行の最終は20分ほど繰り上がるものの、越後湯沢までの終電時刻は据え置きとなったほか、新潟行終電では長岡・新潟の両駅にてこれまで接続がなかった各在来線の最終と接続するようになるなど、利用者に対する一定の利便性向上が図られていることもあり、概ね好意的に受け入れられることになった。
没案・将来予測される改悪[編集]
氷見線・城端線LRT化・BRT化[編集]
ボツになった事例。LRT化でもBRT化でも、通常の鉄道車両タイプの新車投入よりコストがかかること、一旦運休する必要があること[注 7]、軽量のため冬季のリスクが大きいこと、そして城端線の場合は富山直通列車の廃止が確定することなど、改悪要素が極めて大きく、鉄道車両タイプの新車投入の方向で決定し、いずれも頓挫した。
近鉄名古屋線減車[編集]
将来予測される事例。上記でも述べたように、3両編成廃止に伴う減車による輸送力減少が危惧されているが、毎時3本ヘッドから毎時4本ヘッドへの増発を行わない限り確実にダイヤ改悪となる。そもそも現状の急行運用が毎時3本、6両編成である時点で輸送力不足であり、普通列車の2両減車の際はダイヤ見直しで増発が望まれる。
名城線減便[編集]
将来予測される事例。上記上飯田・鶴舞線減便に次いで他の名古屋市交通局路線と同様に減便が検討されているが、仮に平日日中を減便した場合、東部地区と名港線で12分間隔という、地下鉄史上2番目[注 8]に本数が少なくなるという前代未聞の事態に陥る。
結論[編集]
一見改善のように見えても、それがすべて改善になるとは限らない。
ほぼこれに尽きる。利益となるものには、ほぼ必ず犠牲がつきものであることに気づくべきではなかろうか。
脚注[編集]
- 注
- ↑ 2024年3月改悪の名鉄津島線。ただしラッシュと逆方向の優等列車なのでそこまで問題は無いと思われる。
- ↑ 2022年3月改悪の宇都宮線。10両中2両はグリーン車。
- ↑ 1971年当時、柏駅は各駅停車のみの停車であった。
- ↑ なお、同様にキハ120を投入された高山本線富山口は、日中の全列車を2両で運行し、過去には朝に3 - 4両に増結していたことで輸送密度の減少も2000人台に留めた。
- ↑ 一応全通の際に川内-鹿児島中央間に川内エクスプレスは設定されたが利用客の低迷によりわずか数年で消えた。
- ↑ 置き土産がされれば、北越急行との直通運転もできるため、需要の減退はそこそこ防げた可能性がある。
- ↑ 富山港線でも1ヶ月運休を行った。
- ↑ 最も少ないのは上飯田線の15分間隔。
- 出典
- ↑ 第6回:BRTで本復旧はダメ!!(専用道編)
- ↑ 現在は日野・リエッセにて運行されているが、後継となるポンチョはリエッセよりやや大きくなるので、現行の経路のまま運行することが不可能であるとの見解がなされている
- ↑ ハピラインふくい 福井‐敦賀間は1140円で1.15倍、通学定期は1.05倍【福井】
- ↑ 第7回:気仙沼線の復旧を訴える<まとめ>
関連項目[編集]
- 罵声大会 - こちらはファン側が行う蛮行の1つ。