近鉄6020系電車
近鉄6020系電車(きんてつ6020けいでんしゃ)は、近鉄南大阪線・吉野線系統に所属する近畿日本鉄道の通勤型車両の1形式。
概要[編集]
6000系にラインデリアを搭載したタイプとして1968年に登場し、以降1973年までに99両が製造された。編成は3または4両固定編成を組む。車体は大阪線の2410系のものに準じ、1971年以降登場分に関しては車体幅が30mm拡大された。
主電動機は6000系で実績のある端子電圧340V時135kW級の直流モーターを搭載するが、制御装置はVMC型から一般的なNMC型あるいはMMC型の日立製電動カム軸式抵抗制御器に変更され、直並列制御が付加された。台車は6000系後期車で実績のあるシュリーレン式の空気ばね台車KD-61系を搭載する。ブレーキ方式は発電併用電磁直通ブレーキとされ、抑速ブレーキは持たない。
改造[編集]
冷房化[編集]
1979年以降冷房化が進められ、電動発電機も大容量型に交換されたが、ロスナイ換気扇は省略された。この工事は1984年までに全車に対して完了した。
編成組み替え[編集]
3連で登場した6037Fは6000系のサ6109を編成中間に挟み込み4連化されている。
車体更新[編集]
製造から20年を経過したため、1987年から内外装の貼り替えを中心とした車体更新が行われ、1994年までに全車に対して完了した。相前後して一部パンタグラフの交換や、方向幕の設置も行われている。
B更新[編集]
1997年よりB更新が施工されるようになり、2008年以降の施工分ではTc車に車椅子スペースの設置も行われ、6021, 27, 37Fを除き転落防止幌も設置されている。この工事は2009年までに完了した。
養老線への転属[編集]
2001年にB更新を受けた6037Fは1M2T化されたうえで養老線に転属し、同線の625系625Fとなった。
廃車と運用[編集]
2003年と2004年に6021F, 27Fとサ6164・6165の10両が廃車され、養老線転出車の625F(旧6037F)も2014年に養老鉄道、2018年1月に養老線管理機構と点々と譲渡された後同年10月に廃車解体された。
2022年現在は4連8本、3連18本の計86両が在籍し、南大阪線・吉野線・御所線・長野線の普通から急行まで幅広い運用に就く。
2024年以降、新車への置き換え計画があるが、まとまった両数が存在する本系列の全廃はまだ先と予想される。
近い世代の車両[編集]
- 近鉄8400系電車 - 標準軌用
- 近鉄16000系電車 - 特急車
- 南海6100系電車 - 南海一般車
- 国鉄113系電車 - 国鉄近郊型
- 国鉄103系電車 - 国鉄通勤型