近鉄1201系電車

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松阪駅にて。
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近鉄1201系電車(きんてつ1201けいでんしゃ)とは、近畿日本鉄道の所有する通勤型電車の1形式。本項では、2両固定編成の1200系についても記述する。

登場の経緯[編集]

近鉄名古屋線では、昭和50年代に入ると製造から30年を経過した吊り掛け駆動方式2250系の老朽化が問題となった。そこで当時増備されていた界磁チョッパ制御車である1400系の2両固定編成版として1982年に1200系が登場した。

同系列は1984年にも製造されているが、FC92編成およびFC93編成として2410系2430系と4両固定編成を組んだ。こちらについてはFC92編成の項目を参照されたい。

構造[編集]

21m級の車体に両開き扉を片側4箇所備えた全鋼製角屋根車体は1400系に準ずる。1205F以降については当初から側面行先表示器を備える。

車内はロングシートで、トイレやドアチャイムは備えない。

主電動機や制御装置は端子電圧750Vで出力160kWの複巻電動機&界磁チョッパ制御の組み合わせで、駆動方式はWNドライブとなっている。

ブレーキ方式は他車との併結を考慮して回生ブレーキ併用電磁直通ブレーキとし、抑速ブレーキも備える。

台車は基本的に1400系と同等品のKD-88系列であるが、ク1302-1306のみは2250系の電動車からの発生品である低経年台車KD-78を流用した。

改造[編集]

車体更新・ワンマン化・1201系への形式変更[編集]

2002年から2003年にかけて車体更新が行われ、転落防止幌の設置や一部編成への内装の張替えや車椅子スペースの設置などが施工された。また、RC02 - 06編成についてはTc車の台車を2600系からの廃車発生品であるKD-66形に交換された。

これと同時に運賃箱などのワンマン化改造も施工され、形式名も1201系に形式変更された。この結果、ク1300形が形式消滅している。

前照灯のLED化とB更新[編集]

2020年8月よりRC05編成が2度目の車体更新工事であるB更新を受け、営業に復帰したが、同時に前照灯のLED化もなされた。これは他編成にも波及したが、前照灯のLED化を見送った編成も存在する。B更新は2022年12月までに全車に対して完了した。

なお、制御方式は界磁チョッパ制御、ブレーキ方式も電磁直通ブレーキのまま変わらず、ドアチャイムの設置も省略されている。[1]

運用[編集]

2021年現在、10本20両全車が在籍し、当初から名古屋線での運用に就き、ワンマン普通列車から急行まで幅広い運用に充当される。ワンマン化直後は山田線・志摩線系統での運用が多かったが、ワンマン編成の増強によりこの制約は再び薄れている。

今後[編集]

車齢は40年前後になるが、名古屋線内に大量に残る2000系を差し置いての廃車は考えられないものの、他社の界磁チョッパ制御車のように足回りがVVVF化されるかどうかは気になるところ。[2]

近い世代の車両[編集]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. 小田急では8000形が同じ仕様で登場したが、界磁チョッパ制御のまま更新された車両は全廃された。
  2. 2022年のRC08編成B更新直前には故障を起こしており、VVVF化の噂が立ったが、近鉄クオリティにより界磁チョッパ制御のまま修理された。