近鉄1400系電車
近鉄1400系電車(きんてつ1400けいでんしゃ)は、近畿日本鉄道の所有する通勤型電車の1形式。電算記号はFCの0番台。
登場の経緯[編集]
近畿日本鉄道では、省エネ化のため電機子チョッパ制御の3000系を京都線系統に試作投入していたが、コストが高くついたため、安価で回生ブレーキを導入できる界磁チョッパ制御の開発を進め1981年に登場したのが本系列である。
派生車種として2050系や1201系、FC92編成などが存在するが、これらについては各項目で解説する。
構造[編集]
21m級、両開き4扉、角屋根、狭幅の全鋼製車体をもち、2800系と比べても軽量化が図られた。前面形状も刷新され、前照灯周りはステンレス板で飾られた。1405Fと07Fには当初から側面方向幕が設置されている。
内装はロングシートで、化粧板も改められた。1407Fのク1508にのみ当初からトイレを備える。
主電動機は新開発の複巻電動機であるMB-3270系を採用し、端子電圧375V時、出力160kWで設定され、WNドライブで駆動する。
制御方式は界磁チョッパ制御で、三菱電機製のFCMを搭載する。
ブレーキ方式は従来車との併結を考慮して回生ブレーキ・抑速ブレーキ併用の電磁直通ブレーキとされた。
台車はシュリーレン式空気バネ台車だが新設計のKD-88系を採用している。
改造[編集]
車体更新[編集]
2000年から2003年までに車体更新が行われ、FC05以降は化粧板の交換、FC07編成についてはトイレの洋式化も併せて行われた。
B更新[編集]
2020年頃より内装材や座席モケットの交換、前照灯のLED化を伴うB更新工事が施されている。2021年初頭までに全編成への施行が完了した。
なお、制御方式は界磁チョッパ制御、ブレーキ方式も電磁直通ブレーキのまま変わらず、ドアチャイムの設置も省略されている。[1]
配置と運用[編集]
当初は全車が高安配置で、トイレを持つFC07編成のみは青山峠越えの運用にも就いたが、2017年度よりFC07編成のみ富吉に転属した。
2022年現在、FC07編成はFC92編成やFC93編成、DG12編成、2610系L/C車、2800系富吉車とともに名古屋線急行の運用に就く。それ以外の3本は高安所属の他の4連と共通運用で、主に青山町以西の普通から急行まで幅広い運用に充当される。