近鉄6620系電車
近鉄6620系電車(きんてつ6620けいでんしゃ)とは、近畿日本鉄道で運用されている通勤形電車の1形式。電算記号はMT。
概要[編集]
6422系の4両固定編成版として6000系の置き換えを目的に1993年に登場した。同時期に登場した1026系は本系列の標準軌版である。1997年までに4連7本の計28両が登場したところで増備は終了し、以降南大阪線系統での4両編成の増備は行われていない。
構造[編集]
詳細は「近鉄6400系電車#構造」を参照
基本的な構造は6422系に準じ、アルミ車体に日立製のGTO-VVVFを搭載する。台車はボルスタレス台車のKD-305系とした。抑速ブレーキも搭載する。
車内はロングシートでトイレは備えない。
改造[編集]
全車共通[編集]
以下の改造は6620系に限らずほぼすべてのVVVF車に対して行われた。
- 車体側面のVVVFマークを撤去[1]
- Tc車に車椅子スペースと手すりを設置
- 連結面に転落防止幌を設置
- 床材や座席モケットを交換
ドアチャイム・車内案内表示器の設置[編集]
バリアフリー対応工事としてドアチャイムと車内案内表示器を設置している。施工が遅れているためか、1233系のようなLCD設置車両は存在しない。
MT23編成とMT27編成にのみ未施工である。
なお、8810系や1201系などで行われた前照灯のLED化や1020系の一部に対して行われたシングルアームパンタグラフへの交換は全編成に対して未施工である他、6422系Mi30編成とは異なり素子のIGBT化やSiC化が行われた編成は皆無である。当然のごとく、ブレーキ方式を電気指令式ブレーキに改造された車両も存在せず、全車が電磁直通ブレーキのままとなっている[2]。また、同時期の1620系VG23編成、1026系VL35編成が車体更新を受けた中で、本系列からの更新前提の高安入場車は2024年5月時点で存在せず、近鉄各線のVVVF車の中では最も原型を保っている形式と言えよう。
運用[編集]
2022年現在、4連7本28両全車が古市検車区に配置され、南大阪線・長野線・吉野線の普通から急行まで、ワンマン運用を除き幅広く充当される。
編成一覧[編集]
×は車内案内表示器・ドアチャイム未設置。
- MT21編成
- MT22編成
- MT23編成×
- MT24編成
- MT25編成
- MT26編成
- MT27編成×
脚注[編集]
- ↑ ステッカー式でない1420系には未施工。L/Cカーの5800系にはVVVFマーク自体が設置されなかった。
- ↑ 同時期登場の小田急1000形電車はVVVFのSiC化やブレーキの電気指令化がリニューアル時に行われ、未施工車は順次廃車されている。