博多駅
博多駅(はかたえき)は、福岡県福岡市博多区にあるJR九州・JR西日本・福岡市交通局の駅。JRは九州が在来線、西日本が新幹線である。
概要[編集]
九州・福岡を代表するターミナル駅で、博多口に位置する博多バスターミナルは西鉄天神高速バスターミナルに次ぐ福岡市の高速バスの拠点となっており、九州各都市や関西、東京に向かう多数の高速バスが発着している。
福岡市の中心駅であるが駅名には区域の「博多」が採用されている。都道府県庁所在地の中心駅で、駅名に都市名が含まれない例は、東京駅開業前と大正以降の市町村合併に起因するものを除いては他にない[注 1]。
ちなみに福岡駅は富山県高岡市福岡町にあいの風とやま鉄道線の駅として存在し「福岡県に無い福岡駅」としてネタにされる[注 2]。他に上福岡駅(東武鉄道東上本線・埼玉県ふじみ野市)もある。
駅構造[編集]
JR(新幹線・在来線)[編集]
JR 博多駅 | |
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はかた Hakata | |
所在地 | 福岡県福岡市博多区博多駅中央街1-1 |
所属事業者 | 九州旅客鉄道(JR九州) 西日本旅客鉄道(JR西日本) |
電報略号 | ハカ |
駅構造 | 高架駅 |
ホーム | 3面6線(新幹線) 4面8線(在来線) |
乗車人員 -統計年度- | (JR九州)126,627人/日(降車客含まず) -2019年- (JR西日本)22,956人/日(降車客含まず) -2018年- |
開業年月日 | 1889年(明治22年)12月11日 |
乗入路線 5 路線 | |
所属路線 | 山陽新幹線* |
キロ程 | 622.3km(新大阪起点) 東京から1174.9km |
◄小倉 (67.2km) | |
所属路線 | 九州新幹線* |
キロ程 | 0.0km(博多起点) |
(28.6km) 新鳥栖► | |
所属路線 | JAJB鹿児島本線 (JC福北ゆたか線を含む) |
駅番号 | 00(鹿児島本線) 00(福北ゆたか線) |
キロ程 | 78.2km(門司港起点) |
◄JA01/JC01 吉塚 (1.8km) (2.7km) 竹下 JB01► | |
所属路線 | ■博多南線 |
キロ程 | 0.0km(博多起点) |
(8.5km) 博多南► | |
備考 | 両社とも直営駅 みどりの窓口 有 福 福岡市内駅(中心駅) |
新幹線駅はJR西日本、在来線駅はJR九州管理 * 両線で相互直通運転実施 | |
山陽新幹線の終点にして東海道・山陽新幹線系統の西端でもあり、大阪・名古屋・東京など本州とを結ぶ多くの新幹線列車が発着している。2011年(平成23年)3月12日には九州新幹線(鹿児島ルート)が当駅まで延伸・全線開業し、同線の起点となった。なお、東京駅以西を走る全ての新幹線の列車(東海道・山陽新幹線系統ののぞみ・ひかり・こだま、及び山陽・九州新幹線系統のみずほ・さくら・つばめ)が発車する唯一の駅でもある[2][注 3]。
在来線は1日平均乗車人員が「126213人/日」と、JR九州で一番多い。また、毎年400人ほどの増加傾向にある。これは熊本駅や隣の吉塚駅と同じくらいのレベルである。
JR九州の駅に乗り入れる在来線は、正式な線路名称上は鹿児島本線の単独駅であるが、一駅北隣の吉塚駅から分岐している篠栗線の列車も当駅まで乗り入れており、この系統には「福北ゆたか線」の愛称が設定されている。当駅には特急列車を含む全列車が停車し、昼間は概ね南福岡・二日市・久留米方面は普通列車が毎時3本、区間快速列車が毎時1本、快速列車が毎時2本、特急列車が毎時2〜3本、吉塚・香椎・折尾方面は普通列車が毎時4本、区間快速列車が毎時1本、快速列車が毎時1本、特急列車が毎時2本、吉塚、篠栗、桂川方面は普通列車が毎時2本、快速列車も毎時2本運転される。通勤時間帯はさらに本数が多くなる。
当駅を拠点に、九州の主要都市とを結ぶ新幹線・特急列車や福岡都市圏等を走る多くの快速・準快速・普通列車が発着する。2004年(平成16年)時点で特急列車の発着本数は日本一であった[3]。
のりば[編集]
上りの快速列車や日豊本線系統の特急列車は2番乗り場から発着することが多い[4]。3・4番線ホームからは主に長崎本線・佐世保線直通の特急が発着する[4]。ただし、2番線に特急が在線している場合は上り一般列車が3番のりばから発着することもある[4]。5・6・7番線は下りで、7番のりばが主本線となる[4]。小倉方面からの特急は主に5番乗り場に到着する[4]。また、5番乗り場は、久大本線に直通する特急がすべて発車する(到着列車については1番・3番・5番に分散する。)。7番のりばは、5・6番のりばが塞がっている際に一般列車の発着に利用され、福北ゆたか線もこの乗り場から発着することもある[5]。また、貨物列車の通過の際にも利用される[5]。
福北ゆたか線からの列車は配線の都合上、7・8番のりばにのみ入線が可能。8番のりばは竹下方に車止めがあり、鹿児島本線へは直通できない。このため福北ゆたか線の列車のみが使用する。
留置線は竹下寄りと吉塚寄りにある。吉塚寄りの留置線には4番のりばと5番のりば到着列車のみ引き上げられる。
2008年3月15日改正以前、ソニックは旧104号(現2号)→5号への折返しのみ唯一2番のりばにて直接方向転換し、それ以外の折り返しはいずれも竹下寄りの留置線へ引き上げていたが、同改正以降、一部のソニックでは吉塚寄りの留置線へ引き上げるものも存在する。だが、線路配置の都合上、4番のりばと5番のりば到着列車しか吉塚寄りの留置線へ引き上げることができない。
2002年11月当時、博多 ― 吉塚間の内、穴吹工務店ビル付近に渡り線が存在しなかったため、2番のりばで直接方向転換ができなかったが、後に渡り線が新設された。主に事故などのトラブルでソニックの到着が遅れた際は、折り返し列車への悪影響を最小限に留めるべく2番のりばで直接方向転換することがある。
2006年9月10日から約9ヶ月間、1番のりばからソニックが出発することがあったため、振り子式列車用の速度標識が追加されたが、現在では振り子式列車が使用することがない。
新幹線ホームは開業当初から11 - 14番のりばになっていたが、2009年3月14日より13 - 16番のりばに変更された。これは空いた11・12番を増設したのりばに付番するためである。
福岡市地下鉄[編集]
福岡市地下鉄 博多駅 | |
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はかた Hakata | |
所在地 | 福岡県福岡市博多区博多駅中央街1-1 |
所属事業者 | 福岡市交通局(福岡市地下鉄) |
駅構造 | 地下駅 |
ホーム | 2面4線 |
乗車人員 -統計年度- | 82,154人/日(降車客含まず) -2018年- |
開業年月日 | 1983年(昭和58年)3月22日* |
乗入路線 | |
所属路線 | K 空港線 |
駅番号 | K11N18 |
キロ程 | 9.8km(姪浜起点) |
◄K10 祇園 (0.7km) (1.2km) 東比恵 K12► | |
所属路線 | N 七隈線 |
キロ程 | 13.6km(橋本起点) |
◄N17 櫛田神社前 (0.6km) | |
空港線・七隈線ともに島式1面2線の計2面4線を有する地下駅。改札口は2か所存在している。
SUGOCAなどの交通系ICカードでは、市)博多と履歴表示される。(右括弧は全角)
のりば | 路線 | 行先 |
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1 | K 空港線 | 福岡空港行 |
2 | 天神・姪浜・筑前前原方面 | |
3・4 | N 七隈線 | 天神南・福大前・橋本方面 |
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駅ビル[編集]
駅ビルの核テナント誘致に際しては、博多井筒屋、高島屋、阪急百貨店、丸井などのデパートが出店に名乗りを挙げたが、最終的にはJR九州との関係や条件が合致する阪急百貨店が入居することが決定し、「博多阪急」として出店。これが同百貨店にとっては九州初進出になる。また東急ハンズのテナント出店も決定。阪急百貨店と同じく九州初進出となる。その他、シネマコンプレックスティ・ジョイ、アミュプラザ博多、レストラン・ホール・会議室などが入居する。
この新駅ビルテナントの選定をめぐっては、旧駅ビルに1966年(昭和41年)から入店していた博多井筒屋が難色を示し、「新駅ビルへの優先入居」を主張。井筒屋側とJR九州側は、福岡簡易裁判所で調停を行うものの、調停は難航した。調停の長期化や入居を求めての訴訟への発展、駅ビルからの退店拒否も危惧され始め、調停決裂が現実味に出てき始めた。そのようなことになれば新駅ビル建設スケジュールに大きく影響する恐れがあった。結局2006年9月15日に、JR九州側が井筒屋側に保証金約45億円を支払うことで博多井筒屋は2007年3月31日までに旧駅ビルから退店することに合意した。
新ビルは、開発面積約2万2000平方メートル、鉄骨鉄筋コンクリート造り(一部鉄骨造り)、幅約240mで、南側の一部が在来線ホーム上にL字形に約60mせり出す。環境に配慮したコンセプトとして、断熱複層ガラスや太陽光発電、屋上緑化、ミスト冷却などを採用することになっている。
なお博多駅は福岡空港までの直線距離が約2.7kmであり、航空法に定められている水平表面下に入っているため、建物の高さは約45m以下に制限されている。
核テナントである阪急百貨店はホーム上にせり出す部分を含むビル南側地下1階から地上8階に入り、売り場面積約4万平方メートル。9、10階の一部にはシネマコンプレックスである東映系のティ・ジョイが入居し、12スクリーン・約2000席を備える予定。ビル北側1 - 5階のメガストア(5000平方メートル)は、東急ハンズが入居する。9 - 10階の一部はガラス張りの展望レストラン。また、吹き抜けや屋上庭園も設けられる。
ビル周辺の回遊性を高めるために、1階には筑紫口(山陽新幹線側)と博多口の駅前広場を結ぶ既存のコンコース南側に連絡通路を新設、2階部分には福岡交通センターなど隣接するビルに通じる空中回廊(ペデストリアンデッキ)を設ける。駅コンコースも改装して、3階までの吹き抜けが設置され、有田焼を使った森をイメージした壁画が描かれることになっている。
新たに設ける駐車スペースは、ビルと博多口駅前広場の地下2・3階に計約200台、九州新幹線ホーム上に約150台。また、筑紫口のJR九州旧本社ビル跡地には立体駐車場(約380台収容)がはいる「JR九州筑紫口ビル」(愛称:EX-SIDE HAKATA〈エキサイド博多〉)が2007年4月にオープンした。
博多口駅前広場は北側にタクシープール、バス乗り場などが集約。南側にはイベントをおこなったり、市民の憩いの場となるスペースを設ける。
ビル本体建設工事は2006年3月駅南側の旧駅事務室跡から着工。旧駅ビル部分は井筒屋が2007年3月で営業終了、解体後、2008年1月頃躯体工事に入った。工事の難関は駅南側の線路の上下にせり出す部分で、地下空間を生み出すため線路下の盛土を掘削すると同時に線路上下に躯体を建設する。工事手順は、各線路沿いに6m間隔で盛土に仮杭を打込み、仮杭間に工事桁を通して線路を仮受けして、盛土を掘削する。あわせて躯体建設も進め、ある程度組み上がった時点で仮杭と工事桁を撤去し、躯体で線路とホームを支える。掘削は、幅100m、奥行約70mの広さを4層(地上1階 - 地下3階部分)にわたり1フロア分ずつ4段階で実施する。掘出す盛土の量は20万立方メートル(10tダンプカー約2万5000台分)と見られる。
駅南側は仮杭と工事桁の取付けを終え、2007年3月現在、盛土掘削、躯体構築工事中である。地下駐車場などを設ける駅前広場南側では躯体工事とあわせて地下1階部の屋根になる上床版の設置中である。2008年12月時点では、7階部分まで工事が進行し工事全体の進捗率は30 パーセントとなっている。ビル南側躯体工事は2009年秋竣工予定。
旧駅ビルの地下には地下鉄が通っており、駅ビルを解体すると地下水の圧力により地下鉄が浮き上がるという問題があり、事前にグランドアンカーとコンクリート注入を行って固定する工事を行っている。
駅弁[編集]
明治時代に創業した寿軒(博多鉄道構内営業有限会社)が長年の間博多駅構内での営業を行っていたが、2010年12月をもって撤退した[6]。
2011年現在では株式会社ジェイアールサービスネット福岡が構内で営業しているほか、ジェイアール九州フードサービスが運営する売店「驛辨當」で九州各地の駅弁が販売されている。
主な駅弁は下記のとおり。
- かしわめし
- 鶏めし弁当
- 博多地鶏弁当
- 博多かしわ飯弁当
- かに寿司
- かしわめし弁当
- おにぎり弁当
- かしわおにぎり弁当
- うみたけ寿司
- ○△□弁当
- 娘てまり
- 愛菜べんとう
- 香草物語
- 長崎物語焼麦弁当
- 行楽弁当
- 鮎屋三代
- 阿蘇赤うし
- 炙り焼肉弁当
- 黒豚とんかつ御膳
- 「極」黒豚めし
- さつま赤鶏めし
- 九州男弁当
- 博多のごりょさん
- 黒豚横丁
- 花咲ちらし寿し
- 味三昧弁当
- 山笠弁当
- 九州縦断味めぐり弁当
- 博多粋彩弁当
- 博多玄海弁当
- はかた味自慢弁当
- 焼肉弁当
- 大東園焼肉弁当
- 大東園牛めし
- 鯛カツ弁当
- 博多鯖寿司
- 鯖寿し博多押し
- あなご寿し博多押し
- たかな寿し
- 海老・蟹わっぱ
- 博多彩時記弁当
- 博多発〆鯖ちらし寿し
- 呼子萬坊いか三昧弁当
- 佐賀牛焼肉弁当
- 牛肉牛蒡弁当
乗車カード対応[編集]
- JR九州在来線・福岡市地下鉄の各改札で交通系ICカード全国相互利用サービス対応乗車カード等が利用できる。
- 新幹線改札口ではエクスプレス予約のEX-ICカード等や、スマートEXサービス対応乗車カード等も利用可能。ただし、九州新幹線と博多南線を経由する場合は、これらの路線がエクスプレス予約に対応していないため、利用不可。
- 駅構内の各店舗(一部店舗を除く)でも、交通系ICカード全国相互利用サービスの各電子マネー(PiTaPaを除く[注 4])が利用可能である。
隣の駅[編集]
脚注[編集]
注[編集]
- ↑ 明治期に福岡と博多が合同して福岡市制を敷いた時、市名を福岡にするバーターとして、駅名を博多にする約束がされたとされる。
なお、東京都は各特別区を1つ1つの都市とする場合は新宿駅が都庁所在地中心駅となるが、都区部を「東京」という1つの都市とみなす場合は東京駅が都庁所在地中心駅となる。なお、明治期に東京市が成立していたが、1914年12月20日の東京駅開業まで東京市内に市名と同じ駅名は無かった。
加えて、JR路線の駅が存在しない沖縄県には、県庁所在地の那覇市にも明確な中心駅はない。また、埼玉県については、県庁所在地のさいたま市の代表駅を浦和駅と見る場合は市町村合併に起因し、かつては浦和市が存在していた。この例はさらに実質的中心駅である大宮駅と見ることもでき、兵庫県でも県庁所在地の神戸市の代表駅は神戸駅のほかに実質的中心駅である三ノ宮駅と見ることができるという例とも似ている。 - ↑ JR西日本・北陸新幹線開業前の北陸本線の駅だった頃、マルスシステムの仕様で、福岡市に行くつもりで「福岡まで」と言ってしまったところ、そのまま(富山県の)福岡駅に行くものとして処理され、福岡駅に到着した際に行き先の間違いに気づいたという例もあった[1]。現在は、福岡駅への切符は北陸3県でしか買えないので過去話となる。
- ↑ 全ての新幹線の列車が停まる駅としてはほかに小倉駅があるが、このうちつばめについては午前中に熊本発小倉行の1本が運行されているのみで、小倉駅を発車するつばめは無い。
- ↑ PiTaPaはポストペイ(後払い)方式という特殊なICカードであるため、他社とは交通利用での相互提携しか行っていない。よって、Pitapa(電子マネー)に直接対応する店舗等でしか利用できない
出典[編集]
参考文献[編集]
- 鶴 通孝「博多シティをかなめに色彩の電車群が行き交う 福岡都市圏のJR」、『鉄道ジャーナル』第588巻、鉄道ジャーナル社、2015年8月、 60 - 63頁、 JANコード 4910164991051。
JC 福北ゆたか線 (博多駅 - 黒崎駅) の駅一覧 |
福岡都市圏の特急列車 |
K 福岡市地下鉄空港線の駅一覧 |
N 福岡市地下鉄七隈線の駅一覧 |