みどりの窓口
みどりの窓口(みどりのまどぐち)とは、鉄道駅において、マルス(全国JRオンライン指定席発券システム)を備えた発券窓口のことである。
概要[編集]
窓口そのものは1965年(昭和40年)に誕生した[1]。それまで、列車指定席の管理は管理センターにて行っていて、各駅における空席確認は電話にて行っていた。しかし、これは、シンプルな区間でも発券までに時間を要したり、二重発券等の人為的なミスといった問題が生じた。
そこで、情報工学の向上により、利用者の多い東阪間特急を嚆矢に、これをワークステーションを用いた通信方式に切り替え、毎年増え続ける列車に対応して、効率よく空席確認・管理できる様にしたのがマルスであり、適用列車の増大でマルス対応端末を置いてある窓口のことを「みどりの窓口」と呼ぶ様になった。国鉄時代は、鉄道線や自動車線の乗車券や指定席券の発券に限られた。
分割民営化後に、遊園地やイベント等のチケットも発券するようになったが、JRバスは鉄道線との連絡運輸から撤退したり、廃止路線が相次ぎ、さらに高速バスネットへの一本化移行もあったため、発券されるバス乗車券等は分民化直後より減少している。
設置駅の傾向[編集]
昭和43年10月1日日本国有鉄道ダイヤ改正時点では、都道府県庁所在地駅と主要ターミナル駅に設置された。平成前半頃までは、全国の代表駅、都市部、観光地[注 1]を中心に、主に利用客の多い駅に設置され、大手旅行会社にも専用の端末が設置されていた。
窓口は、大きな駅では専用ブースを設けている。大きい駅は複数設けており、新大阪駅には4ヶ所、京都駅には6ヶ所設置されている。規模の小さい駅では改札口の脇に端末スペースだけがある場合が多い。
昨今は、人が対応せず、タッチパネルを用いた「みどりの券売機」を置いてあるだけの駅も多い。
問題点[編集]
地方では、人員削減でみどりの窓口設置駅は減少傾向にあり、特にJR四国は窓口設置駅が少なく、徳島県、高知県はともに5駅ずつしか無い。
近年は、インターネットの普及により、駅に出向かなくても切符(デジタルチケット)を購入できる様になったことから、JR各社は都市部でみどりの窓口を大幅に減らす計画を立てていたが、窓口発券ニーズの意外な根強さや窓口の待ち時間増大で、JR東日本では拙速な削減計画を見直さざるを得なくなった。
一方、高速バスと違って、マルスを管轄する鉄道情報システムは、旅行会社を通じたリセールの利用などによるコンビニエンスストア端末経由での乗車券等の発券を未だ認めていない。
脚注[編集]
- 注
- 出典