日本の鉄道駅

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

日本の鉄道駅とは、日本国内にある鉄道駅のことである。一般的な事項は鉄道駅旅客駅貨物駅の項目を参照するとして、本頁では、日本によくある特徴について記す。

駅の設置場所[編集]

地上駅の場合、世界の多くの駅と同様、市街地の外縁部、時に市街地から離れた郊外に設置される。ただし、日本の城下町においては、明治維新で多くの武家が没落し、武家の屋敷跡を鉄道用地として使用するケースもみられる。特に東京は、世界でも稀な、都心中央部の地上に中央駅を設置した大都市である。なお、特にヨーロッパでは駅が開業しても旧市街がそのまま都市の中心部であることが多いが、日本の場合は駅前に都市の中心が移る例が散見される。   地下駅の場合、世界の多くの駅と同様、都心に設置されるケースが多い。

構造[編集]

日本は、世界最大の都市東京や、大国首都級の大都市大阪といった規模の大きい都市を抱えている他、これらの都市はドーナツ化現象により市街地が広範囲に広がっているので、列車通勤のシェアが高い。そのため、鉄道の利用客が多く、多くの旅客を捌くことに特化した構造となっていることが多い。

短時間で乗降を行える様にするため、列車を待つ場所としては駅舎よりプラットホームが想定されている。そのため、広い幅のホームが多い。幅の広いホームにベンチを設置していることが多いのに加え、幅の広さを利用してホームに商店が営業している駅も珍しくない。一方で駅舎は、人の流れるスペースを確保するために座る所を少なくしていて、駅舎は改札・商業機能がメインとなっている。

都市部の駅舎では、入出場ともに改札口を完備している。乗車券が無ければホーム・駅舎間の行き来が物理的にできない構造にしている。改札口を設置できない様な小さな駅も多いが、その様な駅では列車の車掌が改札を行っている。

駅舎に入る時の手荷物検査は、日本では行われない。

旅客への案内[編集]

何番線から何線のどの方向に行く列車が発車するか、大まかな傾向のある駅は世界的に多いが、それを駅の案内掲示に記しているのが日本の鉄道の大きな特徴である。ただし新潟駅の様にほぼ案内しない駅もある。

列車単位の発車番線は、海外では発車直前まで分からないことが多いのに対し、日本だと全列車の発車番線を掲示してあるのが一般的である。

発車案内も、全方向一括ではなく、路線別・方向別ばらばらの案内板が日本では一般的。海外でよく見る「到着」案内板は、日本では見ない。

駅名[編集]

世界の多くの国同様、駅名は駅のある場所の地名、あるいは最寄の施設名が主につけられる。しかし、日本の駅名特有の特徴もいくつかある。

日本の駅によくみられる特徴として、方角のつく駅、「新」のつく駅が多いというのがある。これは、日本の自治体の多くが、数十個の小さいが合併してできた自治体のため面積が広く、自治体内の複数の駅の駅名を、合併前の村名を無視して方角つき駅名にしたケースが多いからである。特に旧浦和市(現さいたま市)、武蔵野線埼京線の駅に多く、東浦和駅にしても西浦和駅にしても駅周辺は旧来の浦和宿とほぼ所縁が無い。

一方で、「都市名」+「ローカル地名」型の駅名は日本で少数派である。三ノ宮駅天王寺駅新宿駅といった、大都市の玄関駅としての機能を持つ駅であっても、神戸三ノ宮、大阪天王寺、東京新宿といった具合に都市名をつけて案内されることは少ない(海外だと、正式名称がローカル地名でも、停車駅案内等では都市名をつけて呼称されることが多い)。そのため、事前知識の無い人にとっては分かりにくい面がある。一方で、阪神・阪急・近鉄は改善を図っており、神戸三宮駅大阪梅田駅大阪難波駅大阪上本町駅京都河原町駅といった都市名つきの駅名が誕生した。

ドイツポーランドなどで見られる、都市の最大の駅という意味で「中央駅」や「本駅」を名乗る駅は、鹿児島中央駅ぐらいしか日本には無い。