近鉄1020系電車

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近鉄1020系電車
近鉄1020系-1.JPG
阪神尼崎にて。右は5800系。
基本情報
製造年1991年 - 1998年
投入先近畿日本鉄道難波線大阪線 (大阪上本町駅 - 布施駅間) ・奈良線京都線橿原線天理線生駒線
阪神電気鉄道本線阪神なんば線
主要諸元
編成4両・6両編成
車体高4,032 mm
台車Mc車・M車:KD-96B/KD-306[1]
Tc車・T車:KD-96C・KD-306A[1]
主電動機MB-5035-A[1](1027Fまで)
MB-5035-B(1028F以降)
歯車比5.73
制御装置VF-HR-123
保安装置近鉄型ATS
阪神型ATS(6両編成のみ)
備考電算記号:VL(4両)
VH(6両)
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近鉄1020系電車(きんてつ1020けいでんしゃ)とは、近畿日本鉄道で運用されている通勤形電車の1形式。

概要[編集]

1233系の4あるいは6両固定編成版として1991年に登場した。なお、この時点で1430系の4あるいは6両固定編成のバージョンは登場しなかった。

その後、増備車として台車をボルスタレス化した1026系が登場している。この際に三菱版の1620系が登場した。純粋な1020系としてはVL21 - 25編成の5本20両、1026系としては10本46両の所帯となった。さらには1020系全車が1021系、1026系のVL31 - 34編成が1031系に、VL30編成が1252系に改造されている。

構造[編集]

詳細は「近鉄1233系電車#構造」を参照

基本的な構造は1233系に準じ、アルミ車体に日立製のGTO-VVVFを搭載する。台車は1020系がシュリーレン式のダイレクトマウント空気バネ台車のKD-96系、1026系はボルスタレス台車のKD-306系とした。

VVVFの音は後期型だが、後にソフト変更が行われ、大阪府都市開発5000系電車に近い音を発するようになった車両も登場した。

改造[編集]

全車共通[編集]

以下の改造は1020系列に限らずほぼすべてのVVVF車に対して行われた。

  • 車体側面のVVVFマークを撤去[2]
  • Tc車に車椅子スペースと手すりを設置
  • 連結面に転落防止幌を設置
  • 床材や座席モケットを交換

1021系・1031系[編集]

生駒線用ワンマン車として1020系全車と1026系VL31 - 34編成に対して車外スピーカーの設置などの改造が施され、それぞれ1021系、1031系に形式変更された。この時点で1020系は形式消滅となった。

1026系VL30編成[編集]

1026系のVL30編成(1030F)は4連で登場したがVL26編成(1026F)の6連化とVH26への電算記号変更のために中間車を提供し、その際に1252系に編入されVE77編成(1277F)となった。この際、パンタグラフをモ1096に増設したが、6620系のパンタ削減で発生したものを流用している。2021年現在、VL30は欠番となっている。

阪神直通対応改造[編集]

1026系のVH26 - 29編成(1026F - 29F)に対して2009年より開始された阪神なんば線との相互直通運転に対応した改造が行われたが、1027系などへの形式変更は行われなかった。当初はVH27 - 29編成が対象であったが、2012年にVH26編成も改造の対象となった。

ドアチャイム・車内案内表示器の設置[編集]

バリアフリー対応工事としてドアチャイムと車内案内表示器を全車に設置している。施工時期の早さからか本系列にはLCD搭載車が存在しない。

シングルアームパンタグラフへの交換[編集]

1026系のVL33編成に対して1998年からシングルアームパンタグラフに交換して試験を行っていたが、1999年に元に戻された。その後、2019年より1031系のVL32編成がシングルアームパンタグラフに交換されている。

前照灯のLED化[編集]

2018年に1031系のVL34編成に対して前照灯のLED化が行われた。これは8810系1201系の前照灯のLED化に反映された。

なお、1253系の一部に行われた行先表示幕のフルカラーLED化は全編成に対して未施工である他、6422系Mi30編成とは異なり素子のIGBT化やSiC化が行われた編成は皆無である。当然のごとく、ブレーキ方式を電気指令式ブレーキに改造された車両も存在せず、全車が電磁直通ブレーキのままとなっている[3]。更に、車体更新に関しては経年の浅さもありやや遅れ気味で、1026系VL35編成が2024年に入場した際も車体更新を省く可能性が否定できない。

運用[編集]

2021年現在、4連10本、6連4本全車が奈良線系統に配置され、奈良線や京都線系統の他、6連は阪神直通運用、ワンマン対応の1021系と1031系は生駒線でも使用される。ただし、VL25編成はワンマン機器の故障のためか、2022年半ばより一時期生駒線を出禁になっていた。

編成一覧[編集]

1026系のVL30編成は2021年の時点で欠番のため掲載しない。1026系は特記事項がない限り阪神直通対応6連。

1021系
  • VL21編成
  • VL22編成
  • VL23編成
  • VL24編成
  • VL25編成
1026系
  • VH26編成 - 旧VL26編成
  • VH27編成
  • VH28編成
  • VH29編成
  • VL35編成 - 阪神直通非対応4連
1031系
  • VL31編成
  • VL32編成
  • VL33編成
  • VL34編成

今後[編集]

製造から30年を超えるものの、管内に大量に残る8810系などを差し置いての廃車は考えられないが、2024年以降の新車投入で大阪線や名古屋線に転属の可能性はあるため、今後が注目される。特にVL35編成は本系列唯一の非ワンマン4連のため新車が来る前に転属対象になったり、遅れてワンマン化されたりするかどうかが気になるところ。

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. a b c 三好好三『近鉄電車』p.89
  2. ステッカー式でない1420系には未施工。L/Cカーの5800系にはVVVFマーク自体が設置されなかった。
  3. 同時期登場の小田急1000形電車はVVVFのSiC化やブレーキの電気指令化がリニューアル時に行われ、未施工車は順次廃車されている。