大阪北部地震

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大阪北部地震(おおさかほくぶじしん)とは、平成30年(2018年6月18日午前7時58分頃に大阪府北部で発生したマグニチュード6.1の地震のことである。死亡者は5名、負傷者は300名以上と推定されている。

概要[編集]

平成30年(2018年)6月18日午前7時58分頃、大阪府北部で震度6弱の地震が発生した[1]。大阪府で震度6弱を観測したのは、観測態勢が整った大正12年(1923年1月以降で初めてである[1]。平成7年(1995年)の阪神淡路大震災は大阪府の震度は4であった[1]近畿地方で震度6弱以上の地震が発生したのは2013年の淡路島地震以来5年ぶりで、政令指定都市での震度6弱以上は2016年の熊本地震以来2年ぶりである。

深さ13キロと浅い地下で発生した直下型地震であり、これにより関西地方は交通機関がストップし、停電も相次いで都市機能は麻痺し、1000万人以上が大混乱した[1]

震度6以上の地震は大正12年(1923年)以降、全国で67回目である[2]

地震が起こってから余震も相次いでおり、6月19日午後10時までに震度1から4の余震が合計して29回観測されるなど、活発な地震活動が続いている[3]

各地の震度[編集]

被害・影響[編集]

死亡者[編集]

  • 高槻市 - 9歳女児。高槻市立寿栄小学校プールサイドのブロック塀が倒れ、下敷きになって死亡[1]
    • 日本政府は昭和53年(1978年)の宮城県沖地震により、3年後に改正建築基準法を施行し、構造上安全と確認された場合を除き、塀の高さを2.2メートル以下にするなど耐震基準を強化したが、このブロック塀は宮城県沖地震から40年以上残る危険ブロックだったという[4]6月19日大阪府警業務上過失致死容疑で捜査を開始する。女児の死因は全身骨折による失血死。このブロック塀は3年に1度の法定点検が行なわれていたが、平成25年(2013年)は未実施で、さらに点検した市教委職員2人には建築士などの資格が無かった。防災専門家の吉田亮一は平成27年(2015年)にこのブロック塀の危険性を指摘していたが、聞き入れられ無かったという。
  • 茨木市 - 85歳男性。本棚の下敷きになり死亡[1]
  • 大阪市東淀川区 - 80歳男性。日課だった小学生児童の登校の見守りに向かう途中で、民家のブロック塀の倒壊に巻き込まれて死亡[1]
    • 阪神淡路大震災の際、塀の上部が破損したため、その部分だけを補修したのみだったという。なお、このブロック塀倒壊の際にもう1人の男性が巻き込まれて足に大怪我を負傷した[4]
  • 高槻市 - 66歳男性。自宅で衣服や本に埋もれた状態で死亡。
  • 高槻市 - 81歳女性。自宅で死亡。病死と見られるが、タンスが近くで倒れており、震災関連死とされる。

怪我人[編集]

大阪府だけでなく、京都府奈良県兵庫県三重県滋賀県などに出ている[1]。内訳は大阪府は344人、兵庫県は37人、京都府は17人、奈良県は4人、滋賀県は3人、三重県は2人、徳島県では1人であった[3]

交通[編集]

大阪府の公共交通機関は一時的に完全に麻痺した。東海道・山陽新幹線は発生から米原駅から岡山駅の間で運行を見合わせ、午後12時50分に名古屋駅から新大阪駅間が運転を再開する。新大阪駅から岡山駅の間の上下線再開は午後2時9分であった。関西を走るJR私鉄各社も全線や一部で運行を停止した。このため、新大阪駅で新幹線を降りても大阪市中心部に向かう交通手段がなく、タクシー乗り場にはおよそ200メートルの列ができた。大阪メトロ御堂筋線北大阪急行電鉄は午後7時前、阪急京都本線は午後10時過ぎに全線復旧した(南茨木駅は終日通過扱い)[1]が、JR線の一部は翌日の始発まで復旧せず、最も被害の大きかった大阪モノレールは、彩都線を除いて20日の始発にようやく運転を再開した。

飛行機は日本航空全日空で6月18日到着予定の計74便が欠航した[5]

主要道路でも各地で大渋滞が発生し、歩道には大阪市の中心部から自宅に向かってぞろぞろと歩く帰宅困難者の流れができた[1]

休校[編集]

大阪府内の公立小学校中学校高校などで合わせて972校が休校する[2]。京都府、奈良県、兵庫県では296校が休校し、4府県での休校は少なくとも合わせて1268校に上っている[2]。校舎など施設に被害が出た国公立の小学校、中学校、高校や大学幼稚園などは5府県の合わせて111校に上っている[2]

食料[編集]

余震が来る前にと大阪府内の被災者はスーパーマーケットコンビニでは飲料水おにぎりなどの食料の買い占めが起こり、午後までに食料は店頭からほぼ消えた。断水が行われた箕面市等では、その後もミネラルウォーターが飛ぶように売れた。供給が急がれているが、品薄が続いているという。

停電[編集]

停電も発生し、一時は最大およそ17万軒で発生し、大阪市や京都市奈良県エレベーターに閉じ込められる人が相次いだ。国土交通省によると、地震の影響で滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県など5府県のエレベーター214基で閉じ込めがあった。午後5時までには全ての救出作業の終了を確認している[2]

大阪府豊中市や箕面市など7市で最大およそ17万戸、兵庫県では最大およそ490戸が停電も地震からおよそ2時間半後に全て復旧した[2]

ガス・水道、その他[編集]

都市ガスも一時はおよそ11万戸の供給が停止した。大阪ガスは大阪府内の都市ガスの供給を停止し、完全復旧に1週間以上かかると発表した[2]

高槻市では水道管が破裂し、20日朝まで断水や濁り水が発生した世帯があった。火災の通報も大阪や兵庫で合わせて20件あった[2]

NHK受信料[編集]

6月19日、NHKは大阪北部地震で半壊、半焼または床上浸水以上の被害を受けた世帯6月7月NHK受信料地上波衛星放送)を免除すると発表した。対象地域は13市町(大阪市・豊中市・吹田市・高槻市・守口市・枚方市・茨木市・寝屋川市・箕面市・摂津市四条畷市交野市島本町)である。ただし免除を受けられる世帯は契約者からの届け出やNHKの調査によって決められ、前払いで支払い済みの受信料も対象となるという[6]

建築物[編集]

緊急地震速報[編集]

震源に近い地域では揺れが始まってから緊急地震速報が鳴った。震源が内陸で深さがおよそ13キロと浅いためで、同様のケースの場合、今後も速報より前に揺れだして間に合わない可能性があり、注意が必要だという。気象庁によると緊急地震速報が流れたのは6月18日午前7時58分41.9秒の時であり、震源に近い大阪府北部と京都府、兵庫県、奈良県の一部は揺れが始まるまでの時間の猶予がなかったと見られている[2]

デマ問題[編集]

地震後、SNSでは「外国人がコンビニ強盗を始める」「シマウマが脱走」などという嘘の情報が投稿された。シマウマ脱走についての情報には写真が添付されていたが、これは過去の新聞社のインターネット記事を使用したと見られている[2]

地震後の経歴[編集]

6月18日

  • 午前7時58分頃 - 地震発生。
  • 午前8時 - 政府が首相官邸の危機管理センターに官邸対策室を設置する。
  • 午前8時3分 - 安倍晋三首相が各府省庁に早急な被害状況の把握、被災者の救命救助、国民への適時的確な情報提供を指示する。
  • 午前8時10分 - 菅義偉官房長官が首相官邸に入る。
  • 午前8時15分 - 総務省消防庁が京都府、兵庫県、奈良県、和歌山県の4府県に緊急消防援助隊の出動準備を要請する。
  • 午前8時32分 - 菅義偉官房長官が緊急記者会見で「揺れが大きかった地域の皆さんは情報に注意して行動してほしい」と発言する。
  • 午前8時58分 - 安倍首相が官邸で記者団に「人命第一の基本方針で、政府一丸になって対応している」と発言する。
  • 午前9時10分 - 総務省消防庁が愛知県、滋賀県両県に緊急消防援助隊の出動準備を要請する。
  • 午前11時36分頃 - 総務省消防庁が午前11時30分時点で、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県の2府2県で91人が負傷と発表する。大阪府の3人が死亡と発表する[7]
  • 正午 - 大阪府知事自衛隊に災害派遣要請を出す。
  • 午後2時10分 - 自衛隊が大阪府吹田市で給水支援を開始する。
  • 午後5時49分 - 官邸で首相・防災大臣・防衛大臣らによる関係閣僚会議を開催する。首相が「ライフラインの復旧に全力で取り組んで行きたい」と発言する[8]

脚注[編集]

  1. 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 1.6 1.7 1.8 1.9 日刊スポーツ』2018年6月19日。26面
  2. 2.0 2.1 2.2 2.3 2.4 2.5 2.6 2.7 2.8 2.9 『日刊スポーツ』2018年6月19日。24面
  3. 3.0 3.1 3.2 朝日新聞』2018年6月20日。1面
  4. 4.0 4.1 日刊スポーツ』2018年6月19日。25面
  5. 日本経済新聞』2018年6月19日。1面
  6. 朝日新聞』2018年6月20日。33面
  7. デイリースポーツ』2018年6月19日。23面
  8. 『日本経済新聞』2018年6月19日。4面

外部リンク[編集]