NHK受信料

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NHK受信料(エヌエイチケーじゅしんりょう)とは、NHKに支払わないといけないと「されている」受信料のことである。NHKを受信する場合、契約者すなわち視聴者は受信料を支払わないといけないとされている。しかしNHKでは平成16年(2004年)から支払い拒否が急増した。これはNHK職員の不祥事が相次いで発覚したためである。このため、NHKは任意で契約を求めてきた方針を転換し、平成18年(2006年)から受信契約を結んだが支払いが滞っている場合に、平成21年(2009年)からは未契約のケースにも法的措置を取り始めた。未契約世帯は約900万件で、契約した上での不払いは約100万件。平成28年(2016年)度の支払率は推計だが79パーセントで、約4300件が訴訟になっている。平成29年(2017年10月現在、世帯と事業所を合わせた受信契約数は約4300万件。NHKの平成28年(2016年)度事業収入は7073億円で、うち受信料は約96パーセントに当たる6769億円を占めている。

平成28年2016年)度末の推計世帯支払率は、全国値で78.2パーセントであり、最も高かったのは秋田県の96.3パーセント、最も低かったのは沖縄県の48.8パーセントで、全体的に都市圏で支払率が低い傾向が続いている。

概要[編集]

2017年12月における最高裁判決における注意点[編集]

平成29年(2017年)12月6日、NHKの受信料制度が「契約の自由」を保障する日本国憲法に違反するかどうかが争われた訴訟の上告判決で、最高裁大法廷(裁判長長官は寺田逸郎)は、合憲と初めて判断した。つまりテレビがあれば受信契約を結び、受信料を支払う法的義務があると指摘し、テレビを設置した時点にさかのぼり負担する義務があるとした。これにより未契約の視聴者は支払いを事実上、拒否できないとされている。この判決により、被告男性の場合は平成18年(2006年)3月にテレビを設置し、裁判の結果、平成29年(2017年)12月にNHKの勝訴が確定したため、11年間以上の受信料を支払うことになる。

この判決により、立教大学教授砂川浩慶インターネットの時代を迎えている現在、「今回の判決で若者たちのテレビの受信機離れ、NHK離れがますます加速する恐れがある」と指摘した。この判決は逆手に取るなら「テレビ受信機を設置していなければ受信料の契約義務が生じないことになる」のである。

また、最高裁判決が出たとはいえ、NHKの受信料が未払いであるとはいえ、それに対する罰則は一切存在しない。不払いや未契約の世帯・事業所に支払い督促や民事訴訟を実施しているだけなのが現状である。

受信料をなぜ支払わないといけないのか[編集]

NHKは受信料の支払いを放送法という法律を根拠としている。テレビを設置した世帯や事業所は、受信契約を結ばなければいけないとしている。受信料は視聴者の有無にかかわらず支払う「特殊な負担金」とされている。

NHKには民放のようなCM収入が無く、公共放送として視聴者に広く負担させることにより、特定のスポンサーや国の影響にとらわれない番組作りができると訴えている。

受信料合憲後のNHK職員の不祥事[編集]

2017年12月21日、訪問集金で受け取った21世帯分の受信料およそ58万円を着服していたとして、名古屋放送局中央営業センターの男性職員(当時37歳)が12月28日付で懲戒免職となった。この職員は「親族の病気の治療費などで借金があった」として2016年10月から2017年12月までの受信料の滞納があった愛知県内の世帯を訪問集金して現金を受け取り、領収書を発行してその後、営業用の管理システムから発行履歴を消すなどの不正な処理をして受信料を着服していたという。

2018年2月2日、NHK久留米支局記者の男(当時45歳)が2017年12月運転代行業者の男性(当時26歳)を殴ったとされる暴行の疑いで逮捕された。

死後の分まで支払え[編集]

2018年6月、母親が死去して数年がたつにも関わらず、NHKが母親の遺族に対して執拗に母親の受信料支払いの督促状を請求している事実が明らかになった。それによると解約しなければ、仮に受信料を支払っている本人が死亡した場合でも、遺族に対して受信料を請求するのだと言われている。NHKに対して確認の電話をすると「(母親の)死後の分まで支払え」の一点張りであったとされている。

総務省検討会のNHKに対する見解[編集]

2018年7月13日総務省の有識者検討会はNHKがテレビ番組を放送と同時にインターネットで配信することに「妥当性がある」とした報告書案をまとめた。ただし、事業となる受信料について「水準や体系などの見直しをする」と指摘し、視聴者の負担引き下げを条件としている。

受信料回収業者による問題行為[編集]

受信料未納者に対してはNHKが認可した、1次・2次請による、民間の回収業者が訪問することがある。しかし、中には深夜に訪問するなど行きすぎた行為に及んだ例もある。ある受信料未納者の女性は受信料回収業者の男性からドアを開けるまで何度もチャイムを鳴らされたりドアをノックされ精神的苦痛を受けたとして10万円の損害賠償請求を行ったが、女性の訴えを棄却した。

ワンセグ携帯による契約義務について(裁判長は山崎敏充)[編集]

2019年3月12日最高裁第3小法廷において、ワンセグ携帯のみを所有している場合でも受信料を支払う義務が発生するとの判断が下された(裁判長は山崎敏充)。

カーナビも受信料は義務の初判断(裁判長は森田浩美)[編集]

自宅にテレビを持たない栃木県の女性が、自家用車に設置しているワンセグ機能付きのカーナビについて受信料契約を結ぶ義務がないことの確認をNHKに求めた訴訟の判決で、東京地裁森田浩美裁判長)は2019年5月15日に女性の訴えを退けた。カーナビも受信料義務があると判断された初の判例となる。