国宝

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国宝(こくほう,英National Treasures)は、日本に存する建造物、美術工芸品、文書などの文化財のうち、文化史的または学術的価値が極めて高いものとして、法令に基づき国(文部科学大臣)が指定したものである。

国宝の指定[編集]

文部科学大臣は、有形文化財のうち重要なものを重要文化財に指定することができる(文化財保護法第27条1項)。文部科学大臣は、重要文化財のうち世界文化の見地から価値の高いもので、たぐいない国民の宝たるものを国宝に指定することができる(文化財保護法第27条2項)。国宝の指定は文化審議会の文化財分科会の審議・議決答申を受けて文部科学大臣が指定し(文化財保護法第153条)、官報に告示される(文化財保護法第28条)。

国宝の指定解除[編集]

国宝が「価値を失つた場合その他特殊の事由がある」ときは、国宝の指定を解除できることとされている(文化財保護法第29条第1項)。しかし国宝(新国宝)に指定された物件のうち、重要文化財に「格下げ」された例は1件もない。

修理勧告・命令[編集]

文化庁長官は、国宝がき損している場合、保存のため必要があると認めるときは、所有者又は管理団体に対し、修理に関して命令又は勧告ができる(文化財保護法第37条第1項)。勧告または命令によって修理を行うときは、全部又は一部を国庫負担とすることができる(文化財保護法第37条第3項)。命令に従わない時は、国が自ら修理を行い、又は滅失、き損若しくは盗難の防止の措置取ることが出来、修理又は措置をおこなう管理者を文化庁職員の中から任命する。

売却の申し出[編集]

国宝を含む重要文化財を有償で譲渡しようとする者は、譲渡の相手方、予定対価の額等書面で、文化庁長官に国に対する売渡しの申出をしなければならない。

輸出の禁止[編集]

法的には、国宝は重要文化財の一種である。保存や修繕に関する国の補助金は重要文化財と変わらない。国宝・重要文化財指定物件及び重要美術品等認定物件は,文化財保護法及び関係法令により,原則として海外への輸出(持ち出し)は禁止されている(文化竿保護法第44条)。

古美術品輸出鑑査証明[編集]

貴重な国民の財産である文化財が誤って海外に流出することを防ぐため,古美術品を海外に輸出しようとする際には,古美術品輸出鑑査証明を受ける。輸出鑑査証明の有効期間は一年である。

指定件数[編集]

2021年(令和3年)6月1日現在の指定件数は次の通りである。

  • 絵画 162
  • 彫刻 140
  • 工芸品 254
  • 書跡・典籍 228
  • 古文書 62
  • 考古資料 652
  • 歴史資料 3
  • 建造物 228
  • 合計 1,125

文化財保護法[編集]

1950年に施行された文化財保護法によって重要文化財に指定されたもののうち、さらに国宝に指定されたものが現在の国宝である。このため現在の国宝を「新国宝」という。それ以前に指定された国宝を「旧国宝」という。

国宝第一号[編集]

国宝第一号は広隆寺弥勒菩薩(木造弥勒菩薩半跏像)である、昭和26年に国宝第一号に指定された。実際には国宝指定時の台帳の番号が「彫刻第1号」である。