小学校

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小学校(しょうがっこう)とは、普通教育を行う初等教育機関。日本では6年間の教育を行う学校

概要[編集]

入学試験を行わず、修学年齢[1]になると居住地小学校に入学する。なお、国立大学教育学部付属小学校や私立小学校に通う場合、入学試験を課す場合もある。(小学校受験)卒業後は同じく義務教育である中学校へ進学するが、後述のように出席日数不足などの原級留置による満13歳以上の在学は想定されている。

学年と年齢[編集]

現在の日本では学校教育法で、6歳からの6年間が修学期間となっており、6歳から15歳までの9年間の就学義務を児童の親が負う義務教育の一部で、同時に児童は教育を受ける権利を有する。
なお、原級留置による満13歳以上の小学校在学を想定しており、その場合、15歳が義務教育満了年齢となる。
また諸外国では5年制、7年制、8年制もあり、5歳からの修学期間となっているところもある。人口希薄地帯では通信制もある。

学年6年を2年毎に区分けし、1・2年生は低学年、3・4年生は中学年、5・6年生は高学年と呼ばれる。

通学区域[編集]

入学する小学校は居住地毎に決められているが、特に都市部で各小学校の児童数をそろえるためにいびつな形の校区になっていることが多い(いわゆるゲリマンダー)。なので、居住地の最寄の小学校でなく、やや遠くの小学校が入学先となるケースも数多くあり、最寄の小学校に通うための越境通学も多い。
なお、学校組合や教育委託で隣接自治体の学校に通学するケースや、人口減少の著しい地方自治体では全域を一小学校とするケースもある。

登下校[編集]

通常は徒歩で、自転車や車の送迎は基本的に禁止されている。中には片道2〜3kmの徒歩を強いられるケースも珍しくなく、成長途上の小学生には大きな負担となっている。安全確保のため自宅から指定の集合場所に向かい、そこから集団で投稿する集団登下校を行っている所も多い。
地域によっては、バスや列車での登下校が認められている所もあり、小学校登下校に特化したダイヤのバス路線も多い。さらに、後述の学校の統廃合で児童の通学にスクールバスを導入した地方自治体も多いが、並行する公共交通機関がある場合、これを利用するケースも多い(特に離島船舶を利用する場合)。このため、へき地等級に該当する小学校が大幅に減少した。

教科[編集]

国語算数生活科 (1・2年生のみ。3年生以降は理科社会科) 、音楽体育家庭科図画工作総合的な学習の時間がある。
基本的には担任教員が、全科担当として1人で授業を行うが、理科や実技科目の専科教員も増えている。

児童会[編集]

中学校には生徒会長などがあるが、児童数の減少により、間接民主制児童会や、児童会長などがある学校は少なくなり、町村総会のような児童総会による直接民主制となった小学校も多い。

制服[編集]

制服のある小学校、ない小学校、様々である。制服は男子女子とも冠婚葬祭に使えるよう、黒か紺、男子は半ズボン、女子は膝丈スカートがほとんどである。制服のない小学校では、体操服で登下校する児童も多い。

沿革[編集]

学制発布され、小学校令により日本全国に小学校が建設された。当初は尋常科4年が義務教育でその後高等科2年に修学することになったが、後に、尋常科は6年間に延長されて義務教育期間も6年間となった。高等科はその後の2年間の任意の教育となった。大正に入るとそれまで多くが単独校だった高等小学校が尋常小学校と併設となって、尋常高等小学校の名称となり、実業補習学校が併設される小学校も増加した。
1940年国民学校令が公布され、それまでの小学校は国民学校と改称され、尋常科初等科となった。高等科は改称されないものの8年間の義務教育を実施することになったが、戦時措置でそのままとなった。実業補習学校は青年学校となり、単独校舎を備える学校も増加した。
1947年学校教育法の公布により国民学校令は廃止され、国民学校は再び小学校と改称された。戦災で二部授業を行った学校もあったが、徐々に平常授業に戻った。
国民学校高等科は閉科となり、1年在校生全員と2年修了者のうち希望者が新制中学校に移行し、校舎や敷地が譲渡された学校もある。

旧学制下での修業期間[編集]

明治期は4年制の尋常小学校で、そのあとに2年制の高等小学校が存在した。旧制中学校の予科や高等学校の予科も制度上存在したが、実際は運営されなかった。

旧学制下での進路[編集]

学校教育法が施行される以前、6年間の義務教育修了後は様々な進路があった。中学校、高等女学校実業学校高等学校尋常科のほか、就職するものもいた。就職するもののために実業補習学校→青年学校も存在した。
また、そのまま高等科に進学する者もおり、小学校高等科を卒業すると師範学校への入学資格が与えられた。

教職員[編集]

  • 公立小学校では常勤の教諭でほぼ構成され、教科指導や学級指導など表に見える業務の他、総務、生活指導等の分掌を分担している。
  • 原則として学級担任が全ての授業を受け持つ。専門性を求められる理科、家庭科、実技教科等のみを担当する専科教員特別支援学級専門の教諭が配置される場合もある。
  • 校長教頭副校長)の管理職以外に、教務主任、校務主任の中間監督職が置かれており、特に教務主任は中学校同様、準教頭的なポジションで主幹教諭が任用条件の場合もある。教務主任は担当クラスを持たない。
  • 教員になるためには教員免許状が必要である。取得には大学教育学部のほか、初等教育に対応する学科単位を取得し、教育実習をする必要がある。その後、公立学校の場合は各地方自治体教育委員会が行う採用試験を受ける必要がある。

現状[編集]

生活
  • 制服がない学校でも体操服は全員共通のものが指定される。体育の授業は体操服を着用し、座学は授業に支障のない私服で受ける。体育の授業がなくても年がら年中体操服で通う児童もいる。
    • 学校指定の帽子として通学帽と紅白帽(赤白帽子)が存在する。通学帽は男女で形状を分けている学校や男女で共通の形状を使用している学校など様々。
      紅白帽は体育の授業や運動会で使用するが、学校によっては通学帽として使用している所もある。
  • 始業時間は8時15分から8時30分。部活動朝練習がないので、教員の出勤時間も児童の始業前に行う職員朝礼の開始時刻に合わせてとなる。
  • 児童が掃除に取り組むのはどこの学校も同じ。サボっている児童を学級委員長やリーダー格の児童が注意するのも日常茶飯事。
  • 終業時間は学年によって異なり、1年生は15時前から15時台前半。2年生以降は15時半から16時。放課後の部活動は多くの学校でないので、児童は遅くとも16時過ぎには学校敷地を出る。
  • 殆どの小学校が児童の安全確保という建前で保護者が同伴しないで学区の外へ出かけることを禁じている。
学習
  • 授業時間は1コマ45分×5または6コマが標準。1年生は遅くても5時間目まで、2年生以降は6時間目まで授業がある。4時間目の後に給食と昼休みの時間を挟んで5・6時間目を行う。
    • 自治体・学校によっては特定の曜日のみ7時間目が存在する所もある。児童の下校時間が遅くなりすぎないよう、7時間目実施日は休み時間や掃除の時間を短縮して授業時間を捻出している。[2]
  • 教科書の単元が終わるごとに学習の理解度を調べるためテストが行われる。これは単元別試験と呼ばれ、日々の通常授業の中で試験を行うことが出来る。(例:1時間目は普通の授業、2時間目はテスト、3時間目以降はまた普通の授業)
  • 朝の学級会前に読書タイムを設ける事がある。読書タイムで読む本は図書室から借りてきた本、学級文庫に置かれている本、楽しい読書のような副教材など。
その他
  • 教員は児童の完全下校を見届けた後、日々の学級運営や学習活動に必要な業務を行う。
  • 職員会議を行う日は6時間目をカットし、帰りの学級会終了後児童は速やかに下校する。
  • 都市部では公立小を避けて私立小や国立小へ進学させるため、小学校受験を受けさせる家庭がそれなりに存在する。

問題点[編集]

以下の問題のうち、生徒数や校舎の問題を解決するため、藤原正博のように義務教育においてバウチャー制度を導入し、通学区域を自由化して、施設や教育課程を公的以外の教育施設に委譲させることも提言する人も出ている。

児童数[編集]

  • 少子化により児童数が減少し、在籍児童が極端に減少し、都市部でも学校の統廃合が始まった。教育を受けさせる義務は地方公共団体が負うが、校舎の維持管理の予算が限られ、新築、解体が思うようにいかないことがある。
  • 1960年代から始まった高度経済成長僻地から都市部への人口流出により、僻地では児童数の減少、都市部での児童数の激増による学校のマンモス化が大きな問題となった。これによって僻地での学校統廃合、都市部での学校増設を行ったが、僻地では児童の通学距離の遠距離化が生じ、都市部では児童数増加に学校増設が追いつかない地域も生じた。

統廃合[編集]

児童数の減少により都市部、僻地に関係なく小学校の統廃合が行われている。校舎の老朽化が進み、新築の予算がないなか、複数の小学校の統廃合により、小学校の数が30年前に比べて半減した地方自治体もある。さらに、中学校の生徒数の減少もあり、中学校とも統廃合し、義務教育学校となった例もある[3]

関連項目[編集]

脚注[編集]