黒磯完全直流化
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黒磯完全直流化(くろいそかんぜんちょくりゅうか)は、JR東北本線の黒磯駅構内の架線電力を直流に完全に統一し、黒磯 - 高久間に交直デッドセクションを設けたことを指す。黒磯直流化とも。
経緯[編集]
黒磯駅より北の区間は、1959年に交流電化されたが、当時は現在のように駅間に交直デッドセクションを設けた交直切り替えが一般的でなく、駅務員が構内の進入車両に応じて、交流/直流を切り替える地上切り替え方式を採用していた。
これは、駅構内に直流専用/交流専用車両が共に入線できる長所があったが、常に架線電圧に注意を向ける必要があり、構内作業員が交流に切り替わった架線に触電して死亡した事故をきっかけに、車上で交直を切り替える方式に変え、北隣の高久駅との間に交直デッドセクションを設け、黒磯駅構内を直流に統一する工事を行った。
使用車両の変化[編集]
宇都宮線側は205系のまま変化がなかったが、205系の代替時期に迫ったためE131系に置き換えている。
一方、交流側は交流系列を黒磯まで運転できなくなり、E531系とキハ110に置き換え、最終的にE531系に統一した。なお、烏山線に導入されているEV-E301系電車は自走が必要な交流区間が丘陵地であることや折り返し可能な配線を持つ駅まで往復で30kmを超えること[注 1]で導入されておらず、自走区間が短い直流区間だけで済むEV-E801系電車も導入されていない。
その他[編集]
地上切り替え方式は、交流/直流専用車両を駅構内に入線できる長所があった反面、当初は電車が交直両用でも通過列車の設定が困難だった。そのため、東北本線を運行する交直両用車両に列車選別装置を設け、デッドセクションでの車上交直切り替えのように通過中に交直切り替えがされる仕様になっていた。