JR東日本E353系電車
伝統の継承、未来への躍動
特急あずさやかいじで活躍中のE353系 (吉祥寺駅にて) | |
所属事業者 | 東日本旅客鉄道 |
製造年 | 2015年 - 2019年 |
主な走行路線 | 中央線 篠ノ井線 総武線 |
所属車両 センター | 長野(松本) |
両数 | 9両 3両(増結) |
電源方式 | 直流 |
保安装置 | ATS-P ATS-Ps |
あだ名 | PS5 |
製造所 | 総合車両製作所横浜事業所 |
リンク | E353系の紹介 - JR東日本 |
E353系とは、JR東日本が設計・製造した特急型電車である。中央線・篠ノ井線・総武線などを拠点とし運用している。
概要[編集]
中央線・篠ノ井線で走行していたE351系の老朽化やE257系を他所に転属させて、車両性能を揃えるための置き換え用として2015年に登場。営業運転は2017年からとなっている。
9両の基本編成と3両の増結編成が誕生。2014年に量産先行車(今のトップナンバー)が誕生し、試験等を重ねた後2017年までに基本編成19本+1本、付属編成10本+1本が登場した。
2017年に営業を開始した本形式はまず中央線の特急「スーパーあずさ」4往復で運転を開始。後にE351系をすべて置き換えたが、車体傾斜制御による曲線通過速度向上は継続している。
また、2019年までに特急「あずさ」や「かいじ」で使われているE257系の運用も置き換え、中央東線の特急の定期運用は全て本形式に統一されることとなった。
基本編成は4号車から12号車となり、付属編成が1号車から3号車となる。
中央ライナーや青梅ライナーの運用を行ったこともあり、現在でもはちおうじ・おうめの運用も行っている。
車両概要[編集]
「伝統の継承・未来への躍動」をテーマにE353系は作られた。車両の塗装はあずさのイメージカラー「紫」を基本にした塗装となっている。
E353系には従来の中央線特急にはなかったコンセントを装備し、普通車にも可動式の枕を設置。身長に合わせて枕の位置を変えることができるのが特徴となっている。
車内は「南アルプス・梓川」をイメージした物となっており、青色を中心とした明るい車内となっている。グリーン車は甲信の「ぶどう」をイメージしたワイン色を中心とした上品な車内となっている。
なお、E351系において振り子台車で行っていた曲線通過時の車体傾斜制御は空気バネ台車の空気圧制御に変えて行っている。
量産先行車[編集]
現在のS101編成・S201編成となる編成であり、2015年に他の編成に先駆けて登場した。量産先行車には
- 車体間ダンパ取り付け済
- 荷物棚設置無し
- 常時使用する前照灯は2灯
という量産車との違いがあるが、量産車化改造が行われる際に撤去や設置をしたため、これらの問題は解決した。
現在では他の量産車と混じって運用を行っている。なお、現在でも荷物棚設置の際の埋められた窓が見ることができるため、量産車とは少し違う点がわかる。
基本編成[編集]
9両編成(5M4T)の基本編成は、編成番号がS100番台のグループであり19編成が新造された。後に量産改造車の1編成が入り20編成となっている。
主に中央線・篠ノ井線特急「あずさ」「かいじ」「はちおうじ」の他青梅線特急「おうめ」の運用も行っている。全車松本所属となる。
号車は新宿・東京側から順に4・5・6…号車となっている。4号車には貫通扉と電気連結器を備え、付属編成との連結ができるようになっている。なお、12号車の貫通扉はダミーのため開かない。
付属編成[編集]
3両編成(3M0T)の付属編成は、編成番号がS200番台のグループであり10本が新造。そこに量産改造車の1編成が入り11本体制となっている。
中央線特急「あずさ」の増結の他、富士急行線へ乗り入れる特急「富士回遊」の運用も行う。2022年6月・7月には臨時特急「信州」の運用も行った。こちらも全車松本所属。
号車は新宿・東京側から順に1・2・3号車となっている。3号車には基本編成と連結するための電気連結器・貫通扉を装備。1号車の貫通扉はダミーとなっている。
だが、コロナ禍の影響で特急あずさの増結が減り、数編成が長野への疎開回送後、23年春のダイヤ改正以降篠ノ井線内で臨時特急「信州」に充てられることが発表されている。
関連項目[編集]
- JR東日本E257系電車
- JR東日本E351系電車
- JR四国8600系電車 - 近い世代の空気バネ使用の車体傾斜制御式車両。
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