県庁所在地

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県庁所在地(けんちょうしょざいち)は、日本の47都道府県以下の自治体のうち、特に県庁が所在している自治体を指す行政用語である。

全てに置かれていることから「県庁所在」とも表記する。しかし、我が国で初めて市制が施行された1888年(明治21年)4月25日当時、市であったのは東京を含め、29都市[注釈 1]であった。1989年(明治22年)の人口では、東京市は130万人を超えていたが、宮崎町(現:宮崎市)は7000人にも満たなかった。県庁所在地で最終盤に市制施行したのは、1934年浦和市山口市の両市である。

近年では、国立大学といった国の施設以外にも、県立大学、県立のスポーツ文化施設などが設置されていることが多いなど、県による住民サービスも充実しており(もちろんこれとは別に市立のものがあるのは言うまでも無い)、道路などの公共インフラが優先して整備されることが多く見られる。また、全国展開している企業の多くは県庁所在地に支店を置いており(支店経済)、通信施設も先行して充実することが多い。

小学校で県庁所在地は県名とセットのような形で学ぶことになっている。天気予報でも自治体の選挙でも、県庁所在地というだけで扱いが一般の市とは異なるのは、日本のマスコミ報道[注釈 2]をみれば明らかであり、また放送法でも放送対象区域を根拠に(福島県などの例外を除けば)県庁所在地に民間放送局の本社が集中し、総務省の庇護を受けている格好である。まさに、県庁所在地は地方自治体の中でハード面、ソフト面のいずれからも、特権階級的な地位といっても過言でない存在である。

日本は今後人口減少社会を迎えるが、多くの県庁所在地では他の周辺都市と比べ人口減少の割合が低く、結果的に人口の県庁所在地への集中は加速されておりこの傾向は今後も続くと予想されている。もし、県庁所在地といういわば既得権を失えば人口が半減するという報告もある。最近は下火になっているものの将来的に道州制の導入が議論されているが、道州制により既得権を失いかねない県庁所在地はその抵抗勢力の最有力候補といえる。

なお、日本のみならず海外でも県庁所在地は存在するが、日本の県とは分けて考える必要がある。

県庁所在地の一覧[編集]

1. 札幌市北海道
2. 青森市青森県
3. 盛岡市岩手県
4. 仙台市宮城県
5. 秋田市秋田県
6. 山形市山形県
7. 福島市福島県
8. 水戸市茨城県
9. 宇都宮市栃木県
10. 前橋市群馬県
11. さいたま市埼玉県
12. 千葉市千葉県
13. 新宿区東京都
14. 横浜市神奈川県
15. 新潟市新潟県
16. 富山市富山県
17. 金沢市石川県
18. 福井市福井県
19. 甲府市山梨県
20. 長野市長野県
21. 岐阜市岐阜県
22. 静岡市静岡県
23. 名古屋市愛知県
24. 津市三重県
25. 大津市滋賀県
26. 京都市京都府
27. 大阪市大阪府
28. 神戸市兵庫県
29. 奈良市奈良県
30. 和歌山市和歌山県
31. 鳥取市鳥取県
32. 松江市島根県
33. 岡山市岡山県
34. 広島市広島県
35. 山口市山口県
36. 徳島市徳島県
37. 高松市香川県
38. 松山市愛媛県
39. 高知市高知県
40. 福岡市福岡県
41. 佐賀市佐賀県
42. 長崎市長崎県
43. 熊本市熊本県
44. 大分市大分県
45. 宮崎市宮崎県
46. 鹿児島市鹿児島県
47. 那覇市沖縄県

脚注[編集]

注釈
  1. この都市の中には弘前市赤間関市のように県庁所在地に先んじて市制を敷いた地もあったが、本来県庁所在地は県庁が置かれているというだけの都市であり、県庁所在地より先に市政施行する都市が存在するのは当然の理である。県庁所在地が各県最初の市制施行都市になる理由は何ら存在しない。
  2. 田中康夫が県知事時代に解体しようとした「県庁記者クラブ」のような閉鎖性の高い組織も一因と思われる。
出典

外部リンク[編集]