瀬戸内海
瀬戸内海(せとないかい)は本州・四国・九州に囲まれた沿海である。
概要[編集]
古くから漁業が盛んで、高度成長期には工業も盛んであったことから、近畿・中国・四国とも、瀬戸内海沿岸の人口が多くなっていて、「瀬戸内文化圏」を形成している。ただし九州は日本海・東シナ海側の人口が多い。
地理[編集]
西は関門海峡で対馬海峡に通じ、南西は豊予海峡、南東は紀伊水道で太平洋に通じる。淡路島・小豆島・屋代島等、大小多数の島があり、風光明媚なため瀬戸内海国立公園に指定されている。
気候[編集]
地中海性気候で、降水量は少ない。特に、度々、渇水に見舞われ、多雨地域からの河川に乏しい兵庫県の印南野台地・淡路島と香川県では多くの貯水池が作られ、香川県では吉野川からの導水による香川用水が建設された。
農業[編集]
沿岸では乾燥に強いオリーブ(小豆島)、マスカット(岡山県)、レモンの栽培が盛んである。瀬戸内海はプチ地中海なのである。
交通[編集]
古くから北前船をはじめ、内航海運が盛んである。芸予諸島や塩飽諸島といった離島の多くでは生活に欠かせない。
架橋された本州・四国間や本州・九州間では交通の大部分が陸上交通に移行し、かつて多くの航路を有した関西汽船はフェリーさんふらわあに改称したほか、ジャンボフェリー、四国開発フェリー、阪九フェリー、名門大洋フェリーのように陸運業界の働き方改革の流れで健闘している中長距離航路もある。
マスメディア[編集]
電波を遮る山岳が少なく、特にAMラジオに用いられ、回折現象も起きやすい中波では、在阪局のAM放送波が遠く広島県や愛媛県まで日中でも海上伝搬する[注 1]。一方、在福局は瀬戸内海沿岸の北九州や行橋が1kW以下の小出力の中継局のため、在阪局ほど海上伝搬はされない[注 2]。
また、海上隣接する香川県と岡山県は民放の地上波デジタルテレビ放送で単一の放送対象地域となっている。また、兵庫県の明石海峡あたりでも香川・岡山の地上波が視聴が可能なように、海上で隣接する県のTV局が視聴できる地域が少なくない。
なお、アナログテレビ放送では岡山のTV局が兵庫県の淡路島西岸や播磨南部や愛媛県東予で、北九州のTV局が山口県の防府市以西の瀬戸内海沿岸で、松山のTV局が山口県の周防大島周辺で受信ができた。
方言[編集]
瀬戸内文化圏では方言も共通点が多い。語彙は概ね近いが、アクセントは「近畿・四国・各小島」と「中国」で大きく分かれる。ただし岡山・広島でも、沿岸部には近畿・四国系のアクセントが分布している。
沿岸の主な港町[編集]
脚注[編集]
- 注