旅客駅

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旅客駅とは、人が乗り降りするための鉄道駅のことである。

概要[編集]

鉄道には、旅客輸送と貨物輸送の2つの役割があるが、旅客輸送において乗客が乗り降りする場所のことを旅客駅と呼ぶ。なお、荷物輸送郵便輸送も広義の旅客輸送である。

旅客駅を地上に設置する場合、前後の線路等も含めると、空港インターチェンジと比べて設置の自由度が高い一方で、バス停と比べると自由度が低い。地下駅を除き、市街地の中央に設置するのは難しいが、周縁部に設置するのに適している。
低規格の鉄道より道路整備が進んだ地域を除いて、一般的に、鉄道の方が一般道の路線バスより高速なので、その町にとって一番重要な玄関口として位置づけられることが多い。

構造[編集]

旅客駅は、以下のもので構成される。ただし、これら全てが揃っている必要は無く、これら全てが存在しない駅も存在する。

  • プラットホーム
    列車に直接乗降する場所。線路に面して設けられる。日本では通常、それなりに幅があるのが普通だが、海外だと複線の線路の隙間程度しか無い狭幅ホーム[注 1]も珍しく無いし、そもそもホームが無く地面から直接乗り降りするケースもある[注 2]
  • 入場改札口
    列車に乗るために通るゲート。列車に乗ろうとする乗客は、ここに切符を通すことによって運賃支払い済であることを証明し、駅に入場したという記録をつけることになる。かつては係員が手鋏で行い、国鉄分割民営化直後はスタンプ印を押していたが、現在は自動改札が主流である。
    日本の都市部では、ここで入場記録をつけないとプラットホームに行くことが物理的に不可能だが、海外では物理的に入場可能となっている方が多く、日本でも都市部以外ではみられる。後者の場合、日本だと列車内で改札を行ったり運賃を支払ったりということが比較的自由にできるが、海外の都市部では入場記録をつけていないことが抜き打ち検札で分かると想像以上に高額な罰金を取られるので注意が必要。
  • 出場改札口
    列車から降りる時に通るゲート。ここで、切符の通り正しい径路で乗車したことを確認され、切符が回収される(交通系ICカードでは所定の運賃が徴収される)。入場改札口と兼用のものがほとんど。海外では、出場改札が無く、車内検札の充実で不正乗車を取り締まっているのが一般的。なお自動改札普及前は、入場と出場を別の切符で行う不正乗車「キセル」がしばしば行われていた。
  • 中間改札口
    降車を前提としない経路途中で切符をチェックするゲート。大半の新幹線駅の在来線乗換口の他、兵庫駅西新井駅のように一区間枝線の起点駅に設けられる例もある。
  • 切符売り場
    乗車券を販売する場所。有人、無人(自動券売機等)双方のケースがあり、JRの有人券売所は「みどりの窓口」と呼ばれる。
  • 商業施設
    戦前に系列店を据えた阪急電車や百貨店をテナントにした難波駅 (南海)や東武浅草駅を嚆矢に、列車を利用する客のためや、周辺住民のために、商業施設を設けている駅が多い。
    国鉄時代は、商業施設の充実した国鉄駅を民衆駅と呼んでいた。
  • 駅舎
    列車の到着を待つための建物。改札口や切符売り場、商業施設も駅舎内に設置されることが多い。以前は、プラットホームの片側に隣接していて、駅の片方向からしかアクセスできない駅舎が多かったが、1960年代から、橋上駅高架駅地下駅として駅の両側からアクセスできる様にしているケースが多い。
  • 出入口
    駅舎から、駅の外へアクセスするための出入口。日本では滅多に無いが、海外では手荷物検査必須となっている駅もある。
  • バス停留所
    鉄道とバスの乗換が便利な様に、バス停留所、バスターミナルを設けている駅が多い。徳島駅備後庄原駅浜田駅東萩駅の様に、長距離輸送で最も需要の多い区間をバスが担っている場合は、駅本体よりバス乗り場の方が人で賑わっていることもある。
  • タクシー乗り場
    多くの駅で、タクシー待機場が設けられている。しかし小さい駅では、タクシーが無く、連絡しないと来てくれなかったりする上に、アプリだと「そこタクシープールだから普通にタクシーいますよね?」と解釈されて、ピックアップ指定禁止地域になっているので普通の路上より不便なこともある。

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. 日本でも阪神春日野道駅で見られた。
  2. 日本でもJR発足直後の浜中海水浴場前駅のように扉1つ分の簡易な乗降場があった。
出典