昭和61年11月1日日本国有鉄道ダイヤ改正
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昭和61年11月1日日本国有鉄道ダイヤ改正とは、1986年11月1日に日本国有鉄道が行った最後のダイヤ改正である。
概要[編集]
- 翌年4月の国鉄分割民営化を踏まえたダイヤ改正。
- 余裕時分や速度の見直しで、特急列車のスピードアップを計った。
- 福知山線電化が実施された北近畿や山陰地区やこの年の3月に国鉄最後の新線の予讃新線が開業した予讃本線で特急増発・急行削減を主とした大規模な改正が行われた。
- 上記以外の線区でも急行列車が削減され、中央東線では昼行総特急化、支線区は普通列車への格下げを実施。
- 昭和60年3月ダイヤ改正に続いて、普通列車や特急列車の短編成化を行い、余った車両で増発を行う手法が全国で展開された。
- 客車列車も電車や気動車の置き換えが進み、50系客車の余剰が生じた。
- 貨物列車で長年定着した車掌車の省略が行われた。
- 小荷物輸送、手荷物輸送が廃止され、荷物車、郵便車が全廃された。
内容[編集]
東海道新幹線・山陽新幹線[編集]
最高速度の引き上げや余裕時分の見直しで、東京 - 新大阪間の所要時間が初めて3時間を切った。
函館本線(山線)[編集]
- 特急「北海」廃止、急行「ニセコ」臨時化で定期優等列車が消える。
日高本線[編集]
- 急行「えりも」廃止
釜石線[編集]
- 急行「はやちね」廃止
奥羽本線・花輪線[編集]
- 特急「むつ」(1往復)廃止。代替として、上り特急「あけぼの」の秋田までのヒルネが拡大。
- 急行「よねしろ」が秋田 - 陸中花輪間(花輪線内普通)の県内急行として、4年ぶりに1往復復活
陸羽東・西線[編集]
- 急行「もがみ」2往復廃止で、仙台 - 酒田間の直通列車が消滅。
羽越本線[編集]
- 特急「いなほ」酒田折り返し2往復増
飯山線[編集]
- 急行「野沢」廃止
中央東線・飯田線北部[編集]
- 昼行定期優等列車の総特急化
- 千葉発着「あずさ」の新設
- 昼行急行「アルプス・こまがね」の廃止で、辰野駅および飯田線飯田以北から昼行の定期急行列車が消える。
小浜線・北陸本線[編集]
- 急行「わかさ」福井直通の1往復削減。福井着は普通列車に格下げ。
- 急行「はしだて」下り天橋立発の敦賀~福井間廃止。上り福井発も敦賀まで普通列車になる。
- これらにより、敦賀~福井間で定期昼行急行列車が消滅。
草津線・紀勢本線東部・参宮線[編集]
- 急行「志摩」2往復廃止。
福知山線・山陰本線東部・播但線[編集]
- 福知山線・山陰本線 宝塚 - 城崎間電化完成。
- 福知山線経由の特急「まつかぜ」、急行「丹波」、昼行急行「だいせん」がエル特急「北近畿」として総電車特急化し、非電化線区への乗り入れが無くなる。
- この結果、ダイヤ改正の影響を受けなかった姫新線経由急行「みささ」が大阪 - 鳥取間直通の唯一の急行になる。
- 加えて、昼行「だいせん」が運行された非電化区間で豊岡 - 益田間などロングラン快速列車を設定。
- 特急「まつかぜ」が、急行「但馬」1往復格上げを兼ね、播但線経由 大阪駅 - 米子駅間の特急「はまかぜ」となり、「はまかぜ」は3往復となり、「はまかぜ」の米子乗り入れが約10年ぶりに復活。
- 特急「あさしお」は、急行「白兎」格上げで6往復となる。格上げ分は倉吉~米子間で「白兎」時代の快速を継続し、乗り得化する。
東海道本線・山陽本線(関西)[編集]
- 京阪神地区の外側線の管轄移管で、新快速が外側線運行となる。
関西〜九州夜行[編集]
- 「明星」が臨時列車格下げ。熊本、鹿児島方面の定期夜行特急は「なは」1往復のみとなる[注 1]。
- 「明星」と併結していた「あかつき」長崎発着編成1往復が臨時化。定期の「あかつき」は肥前山口以東で2編成併結の1往復のみとなる。
四国各線[編集]
- 185系投入で、特急「しおかぜ」、「南風」増発。
九州各線[編集]
- 下関発着「にちりん」新設
関連項目[編集]
注[編集]
- ↑ 実際は下りで「なは」の時刻が後行の「明星」の方に統合されたため、「なは」で停車していた広島駅での鹿児島方面への夜行利用が不可能となった。