富山地方鉄道富山軌道線
富山軌道線 | |
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主力車両T100形 | |
概要 | |
通称 | 富山市内軌道線、市内電車、市電 |
起終点 | 起点:南富山駅前停留場 終点:富山大学前停留場 |
駅数 | 25駅 |
路線 | 本線:南富山駅前 - 電鉄富山駅・エスタ前 支線:電鉄富山駅・エスタ前 - 丸の内 安野屋線:丸の内 - 安野屋 呉羽線:安野屋 - 富山大学前 富山都心線:丸の内 - 西町 富山駅南北接続線:支線接続点 - 富山駅 |
路線記号 | C |
ウェブサイト | 鉄道 - 市内電車 - 時刻運賃 |
運営 | |
開業 | 1913年9月1日 |
最終延伸 | 2015年3月14日 |
所有者 | 富山電気軌道→ 富山市→ 富山地方鉄道→ 富山地方鉄道・富山市 |
路線諸元 | |
路線総延長 | 7.5 km [注釈 1] |
軌間 | 1,067 mm (3 ft 6 in) |
電化 | 直流600 V, 架空電車線方式 |
外部リンク | |
富山軌道線(とやまきどうせん)は、富山県富山市内で富山地方鉄道が運営する軌道路線(路面電車)の総称[1]。市内電車や、富山市内軌道線とも案内される。
概要[編集]
1943年の富山地方鉄道成立の際、富山市営電車を合併して成立。戦時交通統合では唯一の市営電車の私鉄合併となった。
かつては新富山から射水線へ直通する電車もあった。南富山駅電停では笹津線と接続していたが、1980年代に廃止されてしまった。
市内線は複数の支線を有したが、支線は廃止され続け、南富山 - 富山駅前(電鉄富山駅前) - 球場前だけ残った。2009年に環状線が復活した。
2015年に富山駅南駅舎改築が完了した。駅舎の中には富山駅電停が設置され、当初は平日朝の1本を除く全ての電車が乗り入れていた。その構造上、電車は当電停にて方向転換を強いられる。2016年、平日朝の1本も富山駅に乗り入れるようになった。2020年3月に南北連絡線が全面開業し、その前月に富山ライトレールを合併。地鉄の富山港線となり、1943年6月の富岩線の戦時国有化以来、約76年ぶりに富山〜岩瀬浜間の路線が富山地方鉄道所属となった。
富山大学は、現在終点となっている球場前電停からL字に曲げ、大学敷地を通い工学部へ至る路線の延伸を要望している。上滝線経由で岩峅寺への直通も検討されているが、上滝線の架線電圧を600Vに降圧してデ7000車で試運転したところ勾配登坂に弱いことが判明したことから急の実施は見送られ、実現の目処は立っていない[2]。
路線[編集]
- 富山市街環状線
- 環状線といっても丸ノ内から総曲輪の近くを通って西町まで至る単線一方通行路線である。モータリゼーションの進行により一旦廃線となったが、富山市のコンパクトシティ化施策によって2009年に復活した。
- 富山駅南北接続線
- 2015年3月14日に富山駅南口前信号場から富山駅までの200mが開通する。計画では 富山駅南口前信号場から富山駅中を経て富山ライトレールの奥田中に至る。
- 富山市内線
- 南富山から富山駅前にある信号場を経て県営球場に至る。
- 旧JR富山港線の大部分を譲受した富山ライトレールを2020年2月に併合。富山市内線の既存区間への乗入が行われている。
停留場一覧[編集]
本線・富山駅南北接続線・支線・安野屋線・呉羽線[編集]
路線名 | 駅番号 | 停留場名 | 駅間キロ | 累計キロ | 系統 | 接続路線(太字)・備考・駅周辺 | ||||||
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本線 | C 01 | 南富山駅前停留場 | - | 0.0 | 1 | 4 | 2 | 富山港線直通 ↕ |
富山都心線から直通 ↓ |
富山都心線から直通 ↓ |
富山港線から直通 ↓ |
富山地方鉄道:不二越線・上滝線(南富山駅: T 61) |
C 02 | 大町停留場 | 0.3 | 0.3 | 富山高等学校 | ||||||||
C 03 | 堀川小泉停留場 | 0.3 | 0.6 | 富山いずみ高等学校・富山市立図書館堀川分館 | ||||||||
C 04 | 小泉町停留場 | 0.4 | 1.0 | 城南公園 | ||||||||
C 05 | 西中野停留場 | 0.3 | 1.3 | 城南公園(富山市科学博物館) | ||||||||
C 06 | 広貫堂前停留場 | 0.2 | 1.5 | 広貫堂本社 | ||||||||
C 07 | 上本町停留場 | 0.3 | 1.8 | 日枝神社 | ||||||||
C 08 | 西町停留場 | 0.3 | 2.1 | ※富山都心線から南富山駅前方面に乗り換える際の乗継駅 TOYAMAキラリ(富山市立図書館 本館、富山市ガラス美術館、富山第一銀行 本店)・総曲輪通り商店街・総曲輪フェリオ(大和富山店)・グランドプラザ・中央通り商店街・北陸銀行本店・ギャルリ・ミレー・てるてる亭・日枝神社 | ||||||||
- | (西町交)注 | 0.1 | 2.2 | 3 | 6 | (旅客乗降扱いなし) | ||||||
C 09 | 中町(西町北)停留場 | 0.1 | 2.3 | ※富山駅方面のみ設置された停留場 富山地方鉄道:富山軌道線(富山都心線) 総曲輪通り商店街・中央通り商店街・北陸銀行本店・ギャルリ・ミレー・てるてる亭・グランドプラザ・浄土真宗本願寺派富山別院(西別院) | ||||||||
C 10 | 荒町停留場 | 0.2 | 2.5 | 浄土真宗本願寺派富山別院(西別院) | ||||||||
C 11 | 桜橋停留場 | 0.3 | 2.8 | 松川べり彫刻公園・桜橋・富山市役所 | ||||||||
C 12 | 電気ビル前停留場 | 0.3 | 3.1 | 富山電気ビルディング・ホテルグランテラス富山・富山県教育記念館 | ||||||||
C 13 | 地鉄ビル前停留場 | 0.2 | 3.3 | 富山地鉄ビル(富山地方鉄道本社)・富山中央郵便局・富山地鉄ゴールデンボウル | ||||||||
C 14 | 電鉄富山駅 ・エスタ前停留場 |
0.3 | 3.6 | エスタ・富山地鉄ホテル・マリエとやま・CiC(シック) | ||||||||
支線 | 0.0 | |||||||||||
- | (支線接続点) | - | 注 | (旅客乗降扱いなし。下記の支線接続点と同一地点) | ||||||||
富山駅南北接続線 | 0.0 | |||||||||||
C 15 | 富山駅停留場 | 0.2 | 0.2 | 西日本旅客鉄道:北陸新幹線・高山本線(富山駅) あいの風とやま鉄道:あいの風とやま鉄道線(富山駅) 富山地方鉄道:本線(電鉄富山駅: T 01)・富山港線 | ||||||||
0.2 | ↕ 富山港線直通 |
5 | ↓ 富山港線へ直通 |
6 | ||||||||
- | (支線接続点) | - | 0.0 | (旅客乗降扱いなし。上記の支線接続点と同一地点) | ||||||||
支線 | 注 | |||||||||||
C 16 | 新富町停留場 | 0.4 | 0.3 | |||||||||
C 17 | 県庁前停留場 | 0.3 | 0.6 | 富山県庁・県庁前公園・富山県警察本部・北日本新聞本社・NHK富山放送局・富山県民会館・舟橋・高志の国文学館・富山中部高等学校・松川べり彫刻公園 | ||||||||
C 18 | 丸の内停留場 | 0.4 | 1.0 | 富山地方鉄道:富山軌道線(富山都心線) 富山丸の内合同庁舎(富山税務署)・富山城址公園(富山城・富山市郷土博物館・佐藤記念美術館)・富山国際会議場・大手モール(大手町通り) | ||||||||
安野屋線 | 0.0 | ↓ 富山都心線へ直通 |
↓ 富山都心線へ直通 | |||||||||
C 19 | 諏訪川原停留場 | 0.3 | 0.3 | 舟橋 | ||||||||
C 20 | 安野屋停留場 | 0.1 | 0.4 | 富山逓信病院・富山縣護國神社・富山中部高等学校 | ||||||||
呉羽線 | 0.0 | |||||||||||
C 21 | トヨタモビリティ富山 Gスクエア五福前 (五福末広町)停留場 |
1.0 | 1.0 | トヨタモビリティ富山Gスクエア五福・富山商業高等学校・富山県水墨美術館 | ||||||||
C 22 | 富山大学前停留場 | 0.4 | 1.4 | 富山大学五福キャンパス・富山工業高等学校・富山県五福公園(富山県五福公園陸上競技場、県営富山野球場など) |
富山都心線[編集]
上から下への一方向のみ運転。
路線名 | 駅番号 | 停留場名 | 駅間キロ | 累計キロ | 系統 | 備考・駅周辺 | |
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支線経由 富山駅停留場から直通 | |||||||
富山都心線 | C 18 | 丸の内停留場 | - | 0.0 | 3 | 6 | 富山地方鉄道:富山軌道線(支線・安野屋線) 詳細は上記参照 |
C 23 | 国際会議場前停留場 | 0.3 | 0.3 | 富山国際会議場・ANAクラウンプラザホテル富山・富山城址公園(富山城・富山市郷土博物館・佐藤記念美術館)・大手モール(大手町通り)・富山県信用組合本店・富山市民プラザ | |||
C 24 | 大手モール停留場 | 0.2 | 0.5 | 大手モール・富山市民プラザ・総曲輪通り商店街・ユウタウン総曲輪・森記念秋水美術館 | |||
C 25 | グランドプラザ前停留場 | 0.2 | 0.7 | グランドプラザ・総曲輪フェリオ(大和富山店)・総曲輪通り商店街・TOYAMAキラリ(富山市立図書館 本館、富山市ガラス美術館、富山第一銀行 本店)・日枝神社・真宗大谷派富山別院(東別院)・森記念秋水美術館 | |||
- | (西町交)注 | 0.2 | 0.9 | (旅客乗降扱いなし) | |||
本線 | 2.2 | ||||||
C 09 | 中町(西町北)停留場 | 0.1 | 2.3 | 富山地方鉄道:富山軌道線(本線) 詳細は上記参照 | |||
本線経由 富山駅停留場へ直通 |
- 注:本線と富山都心線との合流地点について、富山地方鉄道による環状線キロ程(PDF)には「西町交」と記載されている。他方、平成26年度『鉄道要覧』p.300掲載の線路図では地点名は示されていない。
- 注:支線と富山駅南北接続線との合流地点である支線接続点について、『鉄道要覧』の路線図では「電鉄富山駅・エスタ前 - 支線接続点 0.3km」「支線接続点 - 新富町 0.3km」「支線接続点 - 富山駅 0.2km」と記載があるが、路線ごとの合計キロ程との整合性から「電鉄富山駅・エスタ前 - 支線接続点 - 新富町 0.3km」の誤植と思われる。一方で富山地方鉄道による軌道線営業キロ程(PDF)では「電鉄富山駅・エスタ前 - 富山駅 0.2km」「富山駅 - 新富町 0.4km」となっており、以上のいずれとも数値が一致しない。
廃止停留場・信号所[編集]
- 本線
- 白山社前停留場:西中野 - 広貫堂前間
- 中町停留場:中町(西町北)停留場付近
- 桜木町停留場:荒町 - 桜橋間
- 展覧会場停留場:旧線区間(臨時停留場)
- 電気課前停留場:旧線区間
- 支線
- 新富町停留場(初代):支線接続点付近
- 車庫前停留場:支線接続点 - 新富町停留場間
- 大正会館裏停留場:県庁前 - 丸の内間
- 呉羽線
- 鵯島信号所:トヨタモビリティ富山 Gスクエア五福前(五福末広町) - 大学前間
- 工業高校前停留場:トヨタモビリティ富山 Gスクエア五福前(五福末広町) - 大学前間
廃止区間[編集]
亀甲括弧(〔〕)表記の停留場は路線廃止より前に休止・廃止された停留場
- 支線(旧線区間)
- 総曲輪停留場(現・丸の内) - 市役所前停留場 - 郵便局前停留場(後の越前町停留場)
- 支線
- 総曲輪停留場(現・丸の内) - 旅篭町停留場 - 越前町停留場 - 〔富士銀行前停留場〕 - 西町停留場
- 呉羽線
- (郵便局前停留場 - )旅篭町停留場 - 裁判所前停留場 - 桃井町停留場 - 護国神社前停留場 - 〔招魂社前停留場〕 - 安野屋停留場 …(現存区間)… 大学前停留場(元・球場前停留場) - 大学前停留場(初代) - 〔西富山口停留場〕 - 陸軍病院前停留場 - 〔脳病院前停留場〕 - 呉羽公園停留場
- 東部線
- 西町停留場 - 〔東堤町停留場〕 - 中教院前停留場 - 雪見橋停留場 - 北新町停留場 - 〔北新町停留場(初代)〕 - 赤十字病院前停留場 - 東田地方停留場(2代) - 地鉄ビル前停留場
- 東部線(旧線区間)
- 赤十字病院角停留場(後の東田地方停留場(2代)) - 東田地方停留場(初代)
- 宮下線
- 東田地方停留場(2代) - 電気ビル前停留場
- 山室線
- 中教院前停留場 - 清水町停留場 - 元町北銀前停留場 - 不二越駅前停留場
過去の接続路線[編集]
いずれも富山地方鉄道の鉄道線、軌道線との接続であった。
- 営業中の停留場
- 廃止された停留場
料金[編集]
全区間均一運賃であり、富山港線合併前の2019年現在、大人200円、子供100円である。
車両[編集]
1993年頃に8000形電車が投入されて以来、当線の車両の空調装備率は100%になった。
脚注[編集]
注釈[編集]
- ↑ 平成27年度『鉄道要覧』では7.5kmとされているが、富山地方鉄道の企業情報(2015年10月13日閲覧)では7.6kmとされている。
出典[編集]
- ↑ 公式サイト内「市内電車」
- ↑ 福井鉄道が元名鉄の複電圧車880形を地鉄に譲渡すれば、実現に一歩近づくだろうが、福鉄は乗り気でないようだ。
関連項目[編集]
- 富山地方鉄道富山港線
- 日本の鉄道路線一覧
- 環状運転 - 他の環状運転を行っている路線。
外部リンク[編集]
土木学会デザイン賞 |