東海北陸自動車道
東海北陸自動車道(とうかいほくりくじどうしゃどう)は愛知県一宮市で名神高速道路から分岐し、富山県小矢部市で北陸自動車道に連結する総延長約185kmの高速道路である。
概要[編集]
この路線ができるまで、太平洋側と日本海側を直結する交通手段は国道41号、国道156号などの国道や鉄道の高山本線[注 1]しかなく、豪雨による大事故や災害も度々生じたため、高速道路、鉄道とも滋賀県や福井県敦賀を迂回するルートが主流だった。太平洋側と日本海側が直結されたことにより冬はスキー・スノボを楽しむ人で渋滞が発生することも多いため全線の片側2車線化が進められており、飛騨清見IC以南では完工している。
開業当初は、「税金の無駄遣い」と陰口をたたかれていたが、この道路のお陰で岐阜県郡上市、高山市・白川村等の内陸部北部(飛騨西部)、富山県南砺市は発展し、国道156号利用の中長距離路線バスも当自動車道への載せ替えを推進した。
その一方、名鉄はそれまで運行していた高山本線乗り入れの特急「北アルプス」を2005年の中部国際空港開港まで持ち堪えることを断念して、開港の約3年半前に東海北陸道経由の高速バスに経営資源をシフト。そのため、2014年に「北アルプス」廃止に憤慨した鉄道マニアが無関係の東海道本線の線路に自転車を置いて妨害する事件まで生じた。
その後、東海環状自動車道が開通して本道とセットで活用することで、災害時には緊急輸送道路としての役割や、太平洋岸を走る東名高速道路が津波によって被災した際の代替および迂回路としての価値も生まれた。なお、飛騨清見ICと白川郷ICの間は危険物積載車両は通行できない。
起点は愛知県一宮市(名神高速道路一宮JCT)で終点は富山県小矢部市(北陸自動車道小矢部砺波JCT)である。延長は184.8kmで、そのうち岐阜県内を141.7kmが走る。事業主体は中日本高速道路株式会社である[1]。
インターチェンジなど[編集]
- IC番号欄の背景色が■である区間は既開通区間に存在する。施設欄の背景色が■である区間は未開通区間または未供用施設に該当する。未開通区間および未供用施設の名称は全て仮称。
- バスストップ (BS)のうち、○/●は運用中の施設。無印はBSなし。
- スマートインターチェンジ (SIC) は背景色■で示す。
- その他の英略字は、ICはインターチェンジ、JCTはジャンクション、PAはパーキングエリア、SAはサービスエリアそそれぞれ示す。
- 路線名の特記がないものは市道。
IC 番号 |
施設名 | 接続路線名 | 一宮JCT から (km) |
BS | 備考 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
一宮西港道路(計画路線) | |||||||
1 | 一宮稲沢北IC | 県道14号岐阜稲沢線(西尾張中央道) | 0.0 | 高山方面出入口 | 愛知県 一宮市 | ||
25-1 | 一宮JCT | E1 名神高速道路 | 0.0 | - | |||
1-1 | 一宮西IC | 県道14号岐阜稲沢線(西尾張中央道) | 1.0 | 名神方面出入口 | |||
2 | 尾西IC | 県道148号萩原三条北方線 | 3.9 | 高山方面出入口 | |||
3 | 一宮木曽川IC | 国道22号線(名岐バイパス) | 7.7 | ||||
- | 木曽川本川橋 | - | 10.6 | - | 橋長 598 m | 岐阜県 | 各務原市 |
- | 川島PA | - | 11.3 | ハイウェイオアシス併設 河川環境楽園 | |||
4 | 岐阜各務原IC | 国道21号線(那加バイパス) | 13.3 | ||||
- | 蘇原BS | - | 18.8 | ○ | 岐阜市 | ||
5 | 関IC | 国道248号線 | 25.5 | 関市 | |||
- | 小瀬BS | - | 27.8 | ○ | |||
- | 関SA | - | 28.0 | 岐阜・名古屋方面 | |||
- | 長良川SA | - | 30.1 | 高山・富山方面 | |||
5-1 | 美濃関JCT | C3 東海環状自動車道 | 31.1 | - | |||
6 | 美濃IC | 県道94号岐阜美濃線 | 32.4 | ○ | 美濃市 | ||
- | 古城山PA | - | 38.3 | 美濃・名古屋方面 | |||
7 | 美並IC | 国道156号 | 49.6 | ○ | 郡上市 | ||
- | 瓢ヶ岳PA | - | 50.8 | 高山・富山方面 | |||
8 | 郡上八幡IC | 国道156号 濃飛横断自動車道(計画中) |
59.8 | ○ | |||
9 | ぎふ大和IC/PA | 県道52号白鳥板取線 | 66.0 | ○ | |||
10 | 白鳥IC | E67 中部縦貫自動車道 (油坂峠道路)福井方面 |
76.4 | この先小矢部砺波JCT方面 対面通行 | |||
11 | 高鷲IC | 県道45号高鷲インター線 | 84.4 | ||||
- | 鷲見橋 | - | 87.7 | - | 橋脚高日本一 118 m | ||
11-1 | ひるがの高原SA/SIC | 県道321号ひるがの高原線 | 91.5 | ○ | |||
12 | 荘川IC | 国道158号線 | 98.3 | 高山市 | |||
- | 松ノ木峠PA | - | 109.2 109.5 |
日本の高速道路の最高地点 1,085 m[2][3] 上下線で0.3 km差異がある[4] | |||
13 | 飛驒清見IC | E67中部縦貫自動車道 (高山清見道路)高山方面 |
117.3 | ||||
- | 飛驒河合PA | - | 130.2 | 飛驒市 | |||
- | 飛驒トンネル | - | 130.4 - 141.1 |
- | 長さ 10,710 m[5] 危険物積載車両通行禁止[6] | ||
白川村 | |||||||
14 | 白川郷IC | 国道156号線 | 142.2 | ||||
- | 飛驒白川PA | - | 143.6 143.5 |
上下線で0.1 km差異がある | |||
15 | 五箇山IC | 国道156号線 | 157.4 | 富山県 | 南砺市 | ||
- | 袴腰トンネル 城端トンネル |
- | 159.0 - 168.2 |
- | 長さ 5,939 m + 3,196 m 袴腰トンネルは危険物積載車両通行禁止[6] | ||
15-1 | 城端SA/SIC | - | 169.9 | ○ | ハイウェイオアシス併設 桜ヶ池クアガーデン | ||
16 | 福光IC | 国道304号 | 173.8 | 「路外給油サービス」が行われている[7] (詳細は「福光インターチェンジ」を参照) | |||
17 | 南砺SIC | 県道279号安居福野線 | 181.4 | ||||
19 | 小矢部砺波JCT | E8 北陸自動車道 | 184.8 | 小矢部市 砺波市 | |||
E41 能越自動車道 高岡方面 |
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脚注[編集]
- 注釈
- 出典
- ↑ “東海北陸自動車道”. 岐阜県. 2016年5月8日確認。
- ↑ 佐藤健太郎 2014, pp. 140-141、真上に跨道橋が架かっており、標高日本一の標識が掲げてある。
- ↑ 佐滝剛弘 2016, p. 45.
- ↑ ”サービスエリアガイド ■名神・北陸道版■ 2017年7月発行”.中日本エクシス
- ↑ 佐滝剛弘 2016, pp. 48-50.
- ↑ a b “危険物積載車両の通行禁止・制限”. 中日本高速道路. 2017年7月25日確認。
- ↑ “「路外給油サービス社会実験」の開始 〜ETC車限定・東海北陸道 福光IC〜” (プレスリリース), 中日本高速道路, (2016年7月1日) 2017年7月23日閲覧。