JR可部線
西日本旅客鉄道 B 可部線 | |
---|---|
基本情報 | |
国 | 日本 |
所在地 | 広島県 |
種類 | 普通鉄道(在来線・地方交通線) |
起点 | 横川駅 |
終点 | あき亀山駅 |
駅数 | 14駅 |
電報略号 | カヘセ |
路線記号 | B |
開業 | 1909年12月19日 |
一部廃止 | 2003年12月1日(可部 - 三段峡間) |
延伸 | 2017年3月4日(可部 - あき亀山間) |
所有者 | 西日本旅客鉄道 |
運営者 | 西日本旅客鉄道 |
使用車両 | 車両の節を参照 |
路線諸元 | |
路線距離 | 15.6 km |
軌間 | 1,067 mm(狭軌) |
複線区間 | 全線単線 |
電化方式 | 直流1,500 V 架空電車線方式 |
閉塞方式 | 自動閉塞式(可部 - あき亀山)[1] 特殊自動閉塞式(横川 - 可部)[1] |
保安装置 | ATS-SW |
最高速度 | 65 km/h[2] |
可部線(かべせん)は、横川駅とあき亀山駅を結ぶ西日本旅客鉄道(JR西日本)の鉄道路線。
概要[編集]
山陽本線との接続駅である横川駅から広島市北部の可部駅を経てあき亀山駅までを結ぶ全長15.6kmの地方交通線。全列車が広島駅へ乗り入れる。沿線一帯は広島市中心部のベッドタウンを抱えている。
広浜間陰陽連絡路線構想の一部だった可部駅から三段峡駅までの末端区間(と言いつつ大部分)が廃止され、ほんの僅かが電化開業して復活したことはあまりにも有名である。
1980年代前半は国道54号(現・国道183号)を頻繁運行する広島交通の冷房・クロス座席装備の路線バスに対しサービスは劣勢で、国鉄中国自動車局でも当線並行の広浜線はドル箱自動車路線であり、電化区間で富山ライトレールを先取りしたような軌間拡張による広島電鉄の路面電車との直通構想もあった[注 1]が、国鉄分民化後に、列車本数増発、広島駅常時乗り入れ、交換可能駅増加といった改善が行われ、日本全国の地方交通線で最も輸送密度の高いドル箱路線となっている。
路線データ[編集]
営業中の区間[編集]
※輸送量等のデータは横川駅 - 可部駅間の数値。
- 管轄(事業種別):西日本旅客鉄道(第一種鉄道事業者)
- 路線距離(営業キロ):15.6km
- 軌間:1067mm
- 駅数:14(起終点駅含む)
- 可部線所属駅に限定した場合、山陽本線所属の横川駅[3]が除外され、13駅となる。
- 複線区間:なし(全線単線)
- 電化区間:全線(直流1500V)
- 閉塞方式:特殊自動閉塞式(軌道回路検知式)
- 最高速度
- 横川駅 - 可部駅間:65km/h
- 可部駅 - あき亀山駅間:45km/h
- 運転指令所:広島総合指令所
- 平均通過人員
廃止区間[編集]
※可部駅 - あき亀山駅間に相当する区間を含む。
- 管轄(事業種別):西日本旅客鉄道(第一種鉄道事業者)
- 路線距離(営業キロ):46.2km
- 軌間:1067mm
- 駅数:21(可部駅をのぞく)
- 複線区間:なし(全線単線)
- 電化区間:なし(全線非電化)
- 閉塞方式:
- 可部駅 - 加計駅間:特殊自動閉塞式
- 加計駅 - 三段峡駅間:スタフ閉塞式(1992年3月までは単線自動閉塞式)
運行形態[編集]
ほとんどの電車は広島駅発着で、山陽本線や呉線と直通するものもいくつかある。朝夕は緑井駅や梅林駅発着の区間運転がある。
快速は単線で先行列車を追い越せない可部線では全く意味がないことがわかったため普通列車の増発で置き換えられて全て消滅している。
車両[編集]
國鐵廣島の頃はオンボロ105系4ドア車の宝庫だったものの、2019年までに227系によって追放されてしまった。
かつての使用車両[編集]
227系投入直前[編集]
以下の車両は先述のように2019年3月16日のダイヤ改正で227系に置き換えられた。いずれも当該改正以前の運用当時の記述に拠る。
- 105系
- 広島支所のK編成3扉車が使用されている。かつては4扉車も存在しており、永らく可部線の主力車両として運用されてきたが、2016年3月26日のダイヤ改正で大幅に運用が削減され、3扉車2往復のみの運用である。
- 115系
- 運用検修センターのC・O・R・L編成が乗り入れている。2扉車も使用されていたが、2016年3月26日のダイヤ改正で先に撤退した。
- 113系
- 広島支所のF・P編成が運用されている。一部は呉線と直通運転している。なお、2001年ごろには当時網干総合車両所所属で広島運転所(当時)に貸出中の113系が運用に入ることもあった。
- 以前はF編成が運用されていたが、2012年からはP編成も運用されていた。
- 105系の運用が削減された2016年3月26日改正後では本形式が227系と並ぶ可部線においての主力車両であった。
国鉄分割民営移行時~部分廃止時[編集]
- 123系
- 可部線の高頻度化を企図して、辰野支線に続いて投入された。増発による誘客に貢献はしたが、半自動ドアが重い難点もあった。約5年で宇部・小野田線に転出した。
- キハ40、47形
- 非電化区間の主力だった。
- キハ58系
- 非電化区間へ直通する行楽快速「三段峡観光号」に用いられた。
沿革[編集]
詳細は「可部線の歴史」を参照
駅一覧[編集]
営業中の区間[編集]
便宜上、全列車が乗り入れる山陽本線広島駅 - 横川駅間の駅も合わせて記載。
- 全駅広島県広島市に所在し、特定都区市内制度における「広島市内」エリア(広)の駅である。
- 全列車普通列車(すべての駅に停車)
- 呉線から直通する快速列車も、可部線内では普通(各駅停車)として運転される
- 線路(可部線内は全線単線) … ◇・∨・∧:列車交換可能、|:列車交換不可、∥:複線(山陽本線内)
- 駅ナンバーは2020年9月より順次導入予定[9]。
路線名 | 駅ナンバー [9] |
駅名 | 駅間 営業キロ |
横川 からの 営業 キロ |
接続路線・備考 | 線路 | 所在地 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
山陽本線 | JR-B01 | 広島駅 | - | 3.0 | 西日本旅客鉄道: 山陽新幹線・G 山陽本線(瀬野方面:JR-G01)・Y 呉線(JR-Y01)[* 1]・P 芸備線(JR-P01) 広島電鉄:M 本線 …広島駅電停(M1) |
∥ | 南区 |
JR-B02 | 新白島駅 | 1.8 | 1.2 | 広島高速交通:広島新交通1号線(アストラムライン) | ∥ | 中区 | |
JR-B03 | 横川駅 | 1.2 | 0.0 | 西日本旅客鉄道:R 山陽本線(岩国方面:JR-R03) 広島電鉄:Y 横川線 …横川駅電停(Y5) |
∨ | 西区 | |
可部線 | |||||||
JR-B04 | 三滝駅 | 1.1 | 1.1 | ◇ | |||
JR-B05 | 安芸長束駅 | 1.5 | 2.6 | ◇ | 安佐南区 | ||
JR-B06 | 下祇園駅 | 1.3 | 3.9 | ◇ | |||
JR-B07 | 古市橋駅 | 1.4 | 5.3 | ◇ | |||
JR-B08 | 大町駅 | 1.2 | 6.5 | 広島高速交通:広島新交通1号線(アストラムライン) | | | ||
JR-B09 | 緑井駅 | 0.8 | 7.3 | ◇ | |||
JR-B10 | 七軒茶屋駅 | 0.7 | 8.0 | | | |||
JR-B11 | 梅林駅 | 1.6 | 9.6 | ◇ | |||
JR-B12 | 上八木駅 | 1.6 | 11.2 | | | |||
JR-B13 | 中島駅 | 1.4 | 12.6 | | | 安佐北区 | ||
JR-B14 | 可部駅 | 1.4 | 14.0 | ◇ | |||
JR-B15 | 河戸帆待川駅 | 0.8 | 14.8 | | | |||
JR-B16 | あき亀山駅 | 0.8 | 15.6 | ∧ |
- ↑ 呉線の正式な終点は山陽本線海田市駅だが、運転系統上は広島駅に乗り入れる
- JR西日本直営駅
- 広島駅(山陽本線所属)・横川駅・大町駅・可部駅(大町駅のみみどりの券売機プラス設置駅。残りはすべてみどりの窓口設置駅)
- JR西日本広島メンテックによる業務委託駅
- 新白島駅(山陽本線所属)・安芸長束駅・下祇園駅・古市橋駅・緑井駅(5駅ともみどりの窓口設置駅)
- 無人駅
- 三滝駅・七軒茶屋駅・梅林駅・上八木駅・中島駅・河戸帆待川駅・あき亀山駅
可部線内に簡易委託駅は存在しない。
廃駅[編集]
廃止区間の駅は後節を参照。( )内の数値は横川駅起点の営業キロ
- 1943年廃止
- 1943年以前の廃止
廃止区間[編集]
経路変更による旧線の廃駅は前節参照。
所在地の自治体名は廃止当時のもの。全駅広島県に所在。加計町・筒賀村・戸河内町は現・安芸太田町、湯来町は現・広島市佐伯区の一部。 (広)と表示されている駅は、特定都区市内制度における「広島市内」エリアの駅であった。
- 線路(この区間は全線単線) … ◇:列車交換可能、|:列車交換不可
駅名 | 駅間 営業キロ |
横川 からの 営業 キロ |
線路 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|---|
広 可部駅 | - | 14.0 | ◇ | 広島市安佐北区 | |
広 河戸駅 | 1.3 | 15.3 | | | ||
広 今井田駅 | 2.4 | 17.7 | | | ||
広 安芸亀山駅 | 2.9 | 20.6 | | | ||
広 毛木駅 | 2.8 | 23.4 | | | ||
広 安芸飯室駅 | 1.7 | 25.1 | ◇ | ||
広 布駅 | 2.4 | 27.5 | | | ||
広 小河内駅 | 2.1 | 29.6 | | | ||
安野駅 | 2.5 | 32.1 | | | 山県郡加計町 | |
水内駅 | 4.1 | 36.2 | | | 佐伯郡湯来町 | |
坪野駅 | 1.4 | 37.6 | | | 山県郡 | 加計町 |
田之尻駅 | 3.0 | 40.6 | | | 筒賀村 | |
津浪駅 | 1.9 | 42.5 | | | 加計町 | |
香草駅 | 1.9 | 44.4 | | | ||
加計駅 | 1.6 | 46.0 | ◇ | ||
木坂駅 | 1.9 | 47.9 | | | ||
殿賀駅 | 2.1 | 50.0 | | | ||
上殿駅 | 2.0 | 52.0 | | | 戸河内町 | |
筒賀駅 | 2.1 | 54.1 | | | 筒賀村 | |
土居駅 | 2.1 | 56.2 | | | 戸河内町 | |
戸河内駅 | 1.1 | 57.3 | | | ||
三段峡駅 | 2.9 | 60.2 | | |
今福線建設区間[編集]
戦前に石見今福駅 - 下府駅間で路盤竣工目前だったが、列車が通ることはなかった。
- 石見今福駅 - 下佐野駅 - 有福駅 - 上府駅 - 下府駅
戦後、三段峡駅から更に浜田駅までを目指した陰陽連絡路線(今福線)構想もあったが、未成に終わった(優等列車運行構想[注 2]があったため、戦前に建設の路盤は放棄)。
- 三段峡駅 - 橋山駅 - 芸北駅 - 波佐駅 - 徳田駅 - 旭町駅 - 石見今福駅 - 浜田駅
観光施設[編集]
最寄り駅 | 施設名 | 距離 |
---|---|---|
三滝駅 | 三滝観音 | 三滝から850m |
最寄り駅 | 施設名 | 距離 |
---|---|---|
田之尻駅・戸河内駅 | 井仁の棚田 | 田之尻から4.5km・戸河内から3km |
三段峡駅 | 三段峡・黒瀬 | 三段峡まで52m・黒瀬まで5.2km |
芸北駅(今福線予定区間) | 芸北スキー場 | 不明(誰か書いて) |
脚注[編集]
- 注釈
- 出典
- ↑ a b 鉄道統計年報平成29年度版
- ↑ データで見るJR西日本2019 - JR西日本
- ↑ 『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』JTB、1998年。ISBN 978-4-533-02980-6。
- ↑ a b “区間別平均通過人員および旅客運輸収入(平成27年度)(PDF)”. データで見るJR西日本2016. 西日本旅客鉄道. 2017年3月11日確認。
- ↑ 沿線人口が鉄道の輸送量に及ぼす影響と各路線の集客能力の指標(PDF) p.3 - 高知工科大学工学部社会システム工学科 三好佑治。
- ↑ “区間別平均通過人員および旅客運輸収入(平成25年度)(PDF)”. データで見るJR西日本2014. 西日本旅客鉄道. 2014年10月8日時点のオリジナル(リンク切れ)よりアーカイブ。2016年2月5日確認。
- ↑ “区間別平均通過人員および旅客運輸収入(平成26年度)(PDF)”. データで見るJR西日本2015. 西日本旅客鉄道. 2016年2月5日確認。
- ↑ “区間別平均通過人員および旅客運輸収入(平成28年度)(PDF)”. データで見るJR西日本2017. 西日本旅客鉄道. 2017年9月21日確認。
- ↑ a b 広島エリア 5路線79駅への「駅ナンバー」の導入について - 西日本旅客鉄道、2020年7月28日
- ↑ 「広島~浜田55分」果たせなかった高速“陰陽連絡”鉄道 島根に残る2本の未成線「今福線」乗りものニュース 2023年2月19日
外部リンク[編集]
- JR可部線の今昔(公財)広島市文化財団ひと・まちネットワーク部