JR東海キハ25形気動車
JR東海キハ25形気動車(じぇいあーるとうかいキハ25がたきどうしゃ)は、JR東海が保有する近郊形気動車である。
名称[編集]
日本国有鉄道の形式名称に沿った形式であるが、この形式は2代目であり、初代は国鉄キハ20系気動車#キハ25を参照。
概要[編集]
2010年に登場。JR東海お得意の313系電車をパクった、もとい標準化流用した気動車であり、モーターをエンジンに置き換え、屋根にパンタグラフがない以外は313系と全く同じで、明らかに313系のクローン[注 1]である。
その後、既存のキハ40やキハ11の置き換えのために細部の設計変更を行った2次車が2014年から2015年にかけて投入され、合計62両体制となった。
本形式は、ハイブリッド式気動車投入が進むJR東海管内で最新の旅客用の液体式気動車であり、より古いキハ75やキハ11がJR東日本より大幅に遅れながらもハイブリッド式の気動車で代替された場合、管内で唯一かつ最後の液体式気動車として残ることになる。
構造[編集]
20m級3扉オールステンレス車体は313系に準ずるが、2次車についてはビードのない段ボールこと2シート工法の車体となっている。ステップは1次車は準備工事のみを先行して行い、美濃太田転属時に設置。2次車は当初から設置されている。
内装は1次車が313系1300番台に準じた転換クロスシートに車端部ロング、2次車は313系2300番台に準じたオールロングシートとなっている。また、0, 1000, 1500番台はバリアフリー対応トイレを設置している。
エンジンはJR東海お馴染みのカミンズ製N14E-Rで、形式名をC-DMF14HZDあるいはC-DMF14HZEとして出力520psで設定された。ただし、通常時は450psで運転し、非常時に520psに切り替えるように設定してある。ブレーキ方式は電気指令式ブレーキとされた。このため、設計最高時速110kmを確保している。なお、キハ75とはブレーキ方式が同一であるが、併結運用はできない。
番台別解説[編集]
形式はキハ25のみであり、原番号と+100の番号で2両のユニットを組み、切り離しはできない。
0番台・100番台[編集]
1次車2連5本が該当。快速みえの輸送力増強のための予備車確保のために武豊線に投入された。区間快速での運用の際は120km/hに対応できないことから少々所要時間が長くなるという特徴もあった。
2015年の武豊線電化で美濃太田に転属したが、内装の転換クロスシートはそのままである。
1000番台・1100番台[編集]
2次車のうち2連12本が該当。耐寒耐雪仕様のため、うち8本が美濃太田に配置される。
1500番台・1600番台[編集]
2次車のうち2連14本が該当。暖地向けのため、すべて名古屋に配置される。最高時速95km(後述)のため、快速みえの代走には使用できない。
運用[編集]
2022年現在、13本がP編成として美濃太田に、残る18本がM編成として名古屋に配置され、前者は高山本線や太多線、後者は紀勢本線と参宮線を中心に運用される。名松線はキハ11が2両編成で運用された際などに代走で入る程度である。
なお、設計上の最高速度は110km/hであるものの、営業最高速度は95km/hに抑えられている。
今後[編集]
本系列より古いキハ75やキハ11がハイブリッド式の気動車で代替された場合、中途半端に液体式気動車を残すより、本系列もまとめてハイブリッド気動車に代替して、キハ40が大量に残り、かつ置き換え計画もままならないJR九州あたりに譲渡する手も無かろうかと。
近い世代の車両[編集]
- JR東海HC85系気動車 - 特急用
- JR東海315系電車 - 電化路線用
- JR西日本キハ127系気動車 - JR西日本車
- JR東日本キハE200形気動車 - JR東日本車。ハイブリッド一般車。2007年登場。
- JR東日本HB-E300系気動車 - 同上。ハイブリッド観光用車。
注[編集]
- ↑
だったら、電動機で台車を駆動するシリーズハイブリッド機構にして313系と混結可能にして、例えば、太多線直通編成として中央西線で増結するとか、快速「みえ」で混雑する四日市以北で電車を増結可能にしてくれればよかった。
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