直通特急
直通特急(ちょくつうとっきゅう)は、日本の私鉄で使用されている列車種別の一種である。阪神電気鉄道・山陽電気鉄道・阪急電鉄で行っている。2018年(平成30年)までは大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)でも行っていた。
概要[編集]
1998年2月に新設された阪神大阪梅田駅と山陽姫路駅を1時間半〜2時間かけて結ぶ列車。
単に大阪と明石や姫路を移動する事には停車駅の少ないJRの新快速に大きく分があり、地域間輸送を主に担う。明石より東ではJRの快速的な位置付け、明石より西ではJRの新快速的な位置付けであり、高砂、大塩、飾磨など国道250号沿いの地域にとっては大阪と直通する唯一の列車である。
なお、大阪・神戸間の所要時間は
- JR新快速21分(最高時速130キロメートル毎時)
- JR快速=阪急特急27分(120、115)
- 直通特急31分(106)
と阪神が最も時間がかかる。
停車駅[編集]
大阪梅田駅 - 尼崎駅 - 甲子園駅 - 西宮駅 - 芦屋駅 - 魚崎駅 - 御影駅 - 神戸三宮駅 - 元町駅 - 高速神戸駅 - 新開地駅 - 高速長田駅 - 板宿駅 - 月見山駅 - 山陽須磨駅 - 山陽垂水駅 - 舞子公園駅 - 山陽明石駅 - 東二見駅 - 高砂駅 - 大塩駅 - 飾磨駅 - 山陽姫路駅
上記は一般的な停車パターンであり、
- 朝ラッシュ時の梅田行き7本のみ甲子園駅を通過
- 黄色幕の列車は西元町駅・大開駅・西代駅に停車(黄色幕の直特は′′′直通B特急′′′という、それに対して赤色幕の直特は′′′直通A特急′′′という)
- 朝ラッシュ時までの梅田行きと夕ラッシュ時からの山陽姫路行きは滝の茶屋駅に停車
- 朝ラッシュ時・夕ラッシュ時は荒井駅・白浜の宮駅に停車
の数種類のオプションがつく。降りる駅に止まるのか調べないと痛い目を見るかもしれない。
種別・行先表記[編集]
方向幕での表記は、山陽車両は阪神線以外に阪急線(神戸三宮駅まで)へも乗り入れることや、実際の運行はないが阪急の梅田駅へも路線が繋がっていること、また阪神と阪急それぞれの梅田駅が若干離れていることもあり、梅田行きは阪神車両も含めて誤乗防止のため「梅田」とはせず「阪神梅田」と表示している。逆に、山陽姫路行きは単に「姫路」と省略して表示している。
基本停車駅の直通特急については、従前と同じ英字併記で種別表示(前面は黒色地に赤文字の「直通特急」、側面は赤色地に白文字の「直特」)を表示して運行される。なお、阪神車両のうちLED式の側面種別表示装置を装備した車両(1000系・9000系・8000系のうち8231F以降の編成)は前面にも赤色地に白文字の「直通特急」を表示する。
2001年3月10日のダイヤ改正により運行を開始した、一部区間で各駅停車となる直通特急については、黄色地に青文字の種別表示(前面は「直通特急」、側面は「直特」)として基本停車駅の直通特急と区別しており、また側面方向幕では下部の英字部分を「神戸三宮〜板宿間は各駅に停車」(山陽姫路行き)または「板宿〜神戸三宮間は各駅に停車」(梅田行き)に差し替えて表示している(代わりに英字表記は割愛)。
- 山陽車両のうちLED式の側面種別表示装置を装備した車両(5030系・5000系の一部)では、側面は上半分の「直特」部分を橙地に黒字の反転文字(直特)で表示し、下半分を「神戸三宮 - 板宿間は各駅に停車」(山陽姫路行き)または「板宿 - 神戸三宮間は各駅に停車」(梅田行き)と表示している(いずれも英字併記はなし)。なお、標準停車駅の直通特急では「直特」の文字は通常の赤地の表示(直特)として、それぞれ区別する。
- 阪神車両のうちLED式の側面種別表示装置を装備した車両では、側面は山陽姫路行きでは「 直特 |姫路」(いずれも英字併記)と「 直特 | 神戸三宮〜板宿各駅停車」(直特のみ英字併記)を、梅田行きでは「 直特 |阪神梅田」(いずれも英字併記)と「 直特 | 板宿〜神戸三宮各駅停車」(直特のみ英字併記)を、それぞれ交互に表示する。三宮駅が神戸三宮駅へ改称されてからは、表示スペースの都合で『各駅停車』の表記を分割し、上段に『各駅』・下段に『停車』とした二段並列表記へと変更されている。
阪神では長らく、駅の時刻表や発車案内標、車内アナウンスなどで山陽姫路や山陽明石など駅名に「山陽」と付く駅は「山陽」を省略して案内していたが、各駅改札口に2015年から設置している大型液晶モニターでは当初から「山陽」を付けた正式駅名で案内しており、2017年2月からは駅の時刻表、発車案内標、車内アナウンスも含めて全て正式駅名で案内している。なお、近鉄線に乗り入れる快速急行においても、同様に「近鉄奈良行き」と正式駅名での案内に改めている。
日本における列車種別 |